【インタビュー】OGAWA RYO、最新作『egos』と創作の背景「衝動やパワーはジャンルと関係ないんです」
■ 音楽って無意味なものかもしれないから面白いのかな
── 今作の全体を振り返って感じることは、何かありますか?
OGAWA:サウンド的には明るいものも暗いものもありつつ、バランス良くできたのかなと思います。踊れますし、散歩している時に聴いたりするのもいいんじゃないかなと思います。BPMの速度的にも、そんな感じになっているので。
── 「インターネットギャング」は途中でアグレッシブな展開を迎えるので、穏やかな散歩がいきなり途切れる可能性がありますよ。
OGAWA:電車の中とかで急に暴れないようにしてください(笑)。人って一面だけでは語れなくて、明るい人にも暗い面があるじゃないですか? 人のいろんな一面を切り取った5曲にもなっているのかなと思います。
── 作家としての楽曲提供は先方の要望を踏まえた創作ですが、ソロ名義での創作も続けていくんですか?
OGAWA:そうですね。どちらの作り方も面白いですから。国とか関係なく、いろんな方々に聴いていただけるようになりたいですね。
── 予想外の国からの反応があって驚いたというような話を、最近、様々なクリエイターから聞きます。
OGAWA:『Obey Me!』の曲がリトアニアの総合3位になったことがあって、「なんでそうなったんだろう?」ってなりました。藤井風さんとかもそうですけど、日本の音楽が海外でも着々と評価されるようになっているのを感じます。日本語の曲がさらに聴かれるようになったら面白いですよね。僕は「音楽はすごい」みたいなことを言い過ぎるのはあまり好きではないんです。音楽ってすごいと思いつつも、「音楽がなくても世の中はそれでいいんじゃないかな?」とも思っているので。音楽って無意味なものかもしれないから面白いのかなと。たまにふと触れた時に楽しくなれる感じでいいんです。そういうことに少しでも自分が貢献できたら嬉しいんですよね。
── パンクに衝撃を受けた中学生が、こういうミュージシャンになるのも面白いですね。
OGAWA:そうですね(笑)。当時感じたエネルギーみたいなものを伝えていきたいというのはあります。音の感じは違っても、あの頃にロックから感じたようなパワーを感じることはあるんです。ケンドリック・ラマーを聴いた時にもそうでした。衝動やパワーみたいなものはジャンルと関係ないんです。パワーのある曲を自分でも作って、それを皆様に感じていただけたら嬉しいです。
取材・文:田中 大
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EP『egos』
レーベル:Ogawa Records
DOWNLOAD/STREAMING DL/St:https://linkco.re/csAf92Z0
<収録曲>
01.Tattoo
02.Say It Back
03.Be Alright
04.インターネットギャング
05.ボタン