【レポート】『REAL⇔FAKE』シリーズ集大成となるイベント。虚構と現実の間で4年間のドラマが幕を引く──

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2019年にMBS/TBSドラマイズム枠で放送が開始されたテレビドラマ『REAL⇔FAKE』。

舞台を中心に活躍する俳優たちの熱演と、ミステリー仕立てのストーリーで話題となり2021年には2期となる『REAL⇔FAKE 2nd Stage』が放送開始。今年1月に最終章となる『REAL⇔FAKE Final Stage』が放送された。そしてシリーズ集大成となるイベント<「REAL⇔FAKE Final Stage」SPECIAL EVENT FOR GOOD>が、8月14日に東京国際フォーラムホールAで開催され、メインキャスト9名(荒牧慶彦・植田圭輔・佐藤流司・松村龍之介・和田雅成(※五十音順)・猪野広樹・笹森裕貴・染谷俊之/蒼井翔太)が集結した。

◆イベント写真

開演前のアナウンスでいよいよ幕が上がる……と思いきや、アナウンスからいきなり仕掛けてくる。誰がアナウンスを担当するのか、じゃんけんで決めるというのだ。担当は荒牧になったが、アナウンスしている間も他のキャストが合いの手を入れる。声だけではあるが、彼らの普段の姿が垣間見えるようなやりとりが微笑ましい。

程なくしてイベントスタート。前半はバラエティコーナーで、染谷とキングレコードの林氏がMCを務める。


今回チャレンジするゲームは「REAL⇔FAKE『スパイは誰だ!?』3番勝負」。その名の通り3つのゲームに挑戦し、キャストみんなで協力してクリアを目指すというもの。クリアするごとに賞品が豪華になっていくが、今回のゲームにはスパイ=FAKERが2人潜んでいて、彼らにはゲームクリアを阻止するというミッションが課せられているとのこと。FAKER以外のメンバー(Team REAL)がFAKERを見破ることができなければ賞品はFAKERの手に渡ってしまうため、なんとしても見破りたいところだが……。


3番勝負の1つ目は「ウェイター気分でお盆ピンポン玉リレー」。4人ずつの2チームに分かれ、片手で持ったトレイの上にピンポン玉を乗せて運び、トレイを次の人に受け渡すときにピンポン玉を1個ずつ増やしていくというゲームだ。途中でトレイからピンポン玉が落ちてもそのままリレーを続け、最終的にどちらかのチームのトレイの上にピンポン玉が5個残っている、もしくは2チームの合計が8個になればゲームクリアとなるといった内容。

荒牧、和田、笹森、蒼井のAチームと、植田、佐藤、松村、猪野のBチームに分かれリレーが始まる。客席の通路がリレーコースになっているため、キャストが通るたびにあちこちから歓声が上がる。制限時間3分間の中で、それぞれがトレイのピンポン玉を落としたり増やしたりを繰り返し、最終的にAチームは0個、Bチームは3個でゲームクリアならず。

1つ目のゲーム終了後、現状でFAKERは誰なのかを話し合う。和田は笹森を疑うが、笹森は反論。スピーディーに歩いていた荒牧も疑わしいが、ノロノロ歩いていた松村も怪しいとなり、それぞれが牽制しあって次のゲームへ。


2個目のゲームは「サイレント絵心伝言リレー」。1番目の人に出されたお題を絵で伝言していき、最後の人がそのお題を当てられたらゲームクリアだ。出されたお題は「バーベキュー」。1番目の荒牧は、串に刺したバーベキューと、それを囲んでいる人たちを描く。続いて松村も似たような絵を描き、猪野はさらにシンプルな線でわかりやすくするが、串がおでんのように見えなくもない。植田は悩みながら見たままを描くが、佐藤はお題を「おでん」だと思い、串型ではなく屋台のおでんを描く。「二択まで絞って描いたけど、“じゃないほう”かもしれない」という佐藤の言葉を受け、蒼井はなぜかハンバーガーとポテト、ジュースのセットを描く。とてもわかりやすいイラストだったが、笹森はそこから何を汲み取ったのか、横顔のような絵を描いて和田にバトンタッチ。なんの絵か全くわからなかった和田は見たままの謎の絵を描き、結局正解に辿り着くことはできずにゲームは失敗。そしてFAKERは誰なのか再び話し合いが始まった。

このタイミングで観客にFAKERが明かされる。その正体はなんと佐藤と笹森。和田がずっと疑っていた笹森が入っていたため、客席からは笑いが起きる。

最後のゲームは「背中で大玉運びタイムアタック」。3人1組になり、大玉を背中で支えながら客席の通路を回り、3組の合計タイムが3分を切ればゲームクリアとなる。1組目は植田、松村、蒼井のチーム。蒼井が先頭となり、松村が器用に後ろから支えて進んでいく。植田はほぼ支えていない状態だったが、本人曰く「届かなかっただけだから!」。かなり順調なペースで、2組目の荒牧、和田、猪野へと繋ぐと、和田が先頭になり、荒牧と猪野がサイドから支える形で進行。荒牧は客席に手を振りながら余裕の表情を見せる。そして最後は佐藤、笹森に和田が再度加わって挑戦するが……そう、この組み合わせは、先ほど客席に開示されたFAKERが2人もいるのだ。佐藤はスピードを上げ、笹森は転倒し、和田は終始翻弄されて大玉は一向に運べない。露骨ともいえる2人の妨害っぷりに、客席からは大きな笑い声が上がる。それでも前の2組が順調だったため、制限時間内にゴールし、見事クリア。


3つのゲームを終えた後、FAKERが誰かの投票が始まる。もっとも票を集めたのは、イベント開始から疑われていた笹森。みごと見破ったためTeam REALの勝利となった。ちなみに2番目に票を集めていたのは同じくFAKERの佐藤だった。そして、林氏の独断と偏見による賞「林MVP」は、MCとしてフォローしてくれたとのことで染谷が受賞した。

ここで、3日前に誕生日を迎えた蒼井が、サプライズでお祝いされる。登場したケーキのろうそくを吹き消し、バラエティーコーナーは終了。


イベント後半戦は、Stellar CROWNSとASTRA RINGの合同ファンミーティングだ。ここからは『REAL⇔FAKE』の世界にどっぷり浸かってのライブパート。カウントダウンの後、「REAL⇔FAKE Final Stage」のオープニングテーマ「MISLEAD」で幕が上がる。Stellar CROWNS with朱音とASTRA RINGが歌い、会場の熱気は急上昇。続いてASTRA RINGが「Rings」で完璧なダンスを披露すると、Stellar CROWNS with朱音が「RUMOR」を歌い、存在感を見せつける。Final Stageで一度ユニットを離れた凪沙(荒牧慶彦)にとっては今回が復帰ライブ。凪沙の「ただいま〜」の声に、客席は「おかえり〜」と返す。



そしてここからはソロコーナーに。まずは朱音(蒼井翔太)の「SHELTER」から。サビではペンライトでSの字を書いてほしいという朱音の願いに合わせ、客席のペンライトが揺れる。悠輔(植田圭輔)がチルなポップス「through the wind」を歌い上げ、守屋と朱音のVTRが挟まれる。マゼンタのライトの中、弥月(笹森裕貴)は甘いラブソング「Honey」を披露し、紘希(猪野広樹)の「Powdersnow」と続く。ミラーボールの光がまるで雪のようだ。




黎士郎(松村龍之介)が80’sの洋楽テイストを感じさせる「Lock on」を決めると、翔琉(佐藤流司)が「again…」を歌い上げ、さらに「Toxic Liar」とメドレーで繋げ、会場はヒートアップ。征行(和田雅成)がしっとりと「The one」を聞かせると、凪沙が登場し、「Your Smile」。椅子には、おなじみのクマのぬいぐるみ・マーサが鎮座し、一緒にパフォーマンスする。




8人のソロが終わると、次は再びユニットソング。ASTRA RINGの「君の知らないブルー」が始まると、紘希と弥月が客席へ降りて歌い始めたのだ。サプライズ演出に会場は大いにざわめく。続いて凪沙と翔琉が客席2階から登場し、「Memories with you」を歌う。まさかの登場に驚きつつも、客席は用意してきたうちわやペンライトを振り、それぞれの気持ちを彼らにぶつける。2人がステージに戻ってくる間を繋いだ悠輔、征行、黎士郎は、そのまま続けて「またね」を歌いながら客席へ。フレンドリーで温かい雰囲気が会場を包み込む。


と、ここで悠輔が凪沙とASTRA RINGの紘希と弥月を呼び込む。凪沙、悠輔、紘希、弥月……そう、Fyrklöverの4人が揃ったのだ。かつての仲間たちで歌うのはもちろん「Reach 4 the New World」。そしてラストはドラマシリーズのオープニングで、始まりの歌でもあった「REAL⇔FAKE」を8人で熱唱し、熱狂の渦のなか本編が終了した。


アンコールの声の中、彼らひとりひとりからのメッセージが流れる。丁寧に思いを紡ぐそれぞれの声に、4年間続いてきたシリーズがいよいよ終わるんだという気持ちが湧き上がる。


お揃いのイベントTシャツに着替えて登場するメンバーたち。その中には守屋の姿もある。9人は再び客席へ降り、「WE ARE ONE」を歌う。もちろん客席2階にもメンバーがやってくる。東京国際フォーラムホールAという4000人クラスの会場でありながら、後方席の人にまで距離感を感じさせないようなアットホームな空気の中で、ライブは終了した。


前半がキャスト自身=REALなら、後半はドラマの中の世界であり、いわばFAKEだ。だが、ライブという生の空間はREALでしかなく、虚構と現実の間で繰り広げられるパフォーマンスは、まさにタイトル『REAL⇔FAKE』そのものだった。2019年に始まったこのプロジェクトは、今回のイベントを持って最後となる。Stellar CROWNSのリーダー征行は自身の曲になぞらえて「またね」で別れたいと言った。もしかしたらまた会えるかもしれない、そんな願いを込め、4年間の幕は閉じた。

取材・文◎加賀谷優子
写真◎Daisuke Honda (A.K.A.)、Tomo (TWEETY)

Blu-ray発売情報

発売日:2023年12月20日(水)
収録内容:8月14日(月)公演本編映像+メイキング映像
Blu-rayの収録内容は初回・通常共通
出演者:
Stellar CROWNS
牧野凪沙(荒牧慶彦)/育田悠輔(植田圭輔)/鈴木翔琉(佐藤流司)
梅原黎士郎(松村龍之介)/瀬名征行(和田雅成)※五十音順

ASTRA RING
卯野紘希(猪野広樹)/稲森弥月(笹森裕貴)

朱音(蒼井翔太)

染谷俊之(守屋英俊 役)

■初回限定盤(Blu-ray)
封入特典:縮小版パンフレット/別冊写真集(予定)
価格:¥9,680(税抜価格 ¥8,800)

■通常盤(Blu-ray)
価格:¥7,480(税抜価格 ¥6,800)

予約:https://lnk.to/realfake_12.20_Blu-ray

■流通別特典
下記ショップにてご購入いただくと、購入1本ごとに先着にて公演時の写真を使用した特典ブロマイド2枚セットをお渡し致します。
数に限りがございますので、詳しくは各ショップにご確認下さい。
※特典の絵柄は後日発表となります。

ゲーマーズ:ブロマイド2枚組[育田悠輔(植田圭輔)&梅原黎士郎(松村龍之介)]
TSUTAYA:ブロマイド2枚組[卯野紘希(猪野広樹)&稲森弥月(笹森裕貴)]
HMV:ブロマイド2枚組[卯野紘希(猪野広樹)&稲森弥月(笹森裕貴)]
Sofmap・アニメガ:ブロマイド2枚組 [牧野凪沙(荒牧慶彦)&瀬名征行(和田雅成)]
タワーレコード:ブロマイド2枚組[鈴木翔琉(佐藤流司)&守屋英俊(染谷俊之)]
とらのあな:ブロマイド2枚組[育田悠輔(植田圭輔)&梅原黎士郎(松村龍之介)]
アニメイト:ブロマイド2枚組[鈴木翔琉(佐藤流司)&朱音(蒼井翔太)]
キンクリ堂:ブロマイド2枚組[牧野凪沙(荒牧慶彦)&瀬名征行(和田雅成)]
amazon:メガジャケ ※初回限定版/通常版絵柄共通
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