【インタビュー】THE FRANK VOX、「4人で最高の一日を積み重ねていければ」
関西出身の4人組ボーカルグループ・THE FRANK VOXが、1st EP『VOX GIFT』をリリースした。
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2023年2月にメジャーデビューを果たした彼らの最新モードが感じられる本作には、暑い夏の季節に映えるラテン調のアップチューン「Bravo!!」、キャッチーなサビのメロディが耳に残る自身初の友情ソング「友よ。」など、バラエティに富んだ全4曲を収録。
インタビューでは、BARKS初登場となる彼らに新作の話はもちろんのこと、ストリートライブを中心に活動してきたこれまでの歩み、グループのコンセプトについてなど、たっぷりと語ってもらった。
◆ ◆ ◆
▪️僕らが輝くのは現場
──THE FRANK VOXが始動したのは2022年10月ですけど、結成はもう少し前になるんですか?
RYO-TA(MC):そうです。メンバーとは前身グループからの仲で、6年くらいいっしょに活動してきたんですよ。でも、2021年末のタイミングで解散することになって……。
YASU(Vo):ボコボコの殴り合いをしてな(笑)。
SNG(MC):読んでくれた人、ホンマに信じてまうやろ! 解散はコロナ禍の影響も大きかったと思います。
RYO(Vo):各自いろいろ考える時間も多くなって、歯車が狂ってしまった感じはありました。
──再集結できたきっかけというのは?
SNG:バラバラになってしまった僕らに、RYOが改めて声をかけてくれたんです。「もう一度、4人で大阪城ホールを目指さへんか?」って。
RYO-TA:メンバーをひとりずつ個別で呼び出してね。
YASU:それぞれが違う方向を向いていた中、RYOに口説いてもらって落とされました。
RYO:プロの歌手になっても志半ばで辞めてしまう人って多いけど、自分はどうしてもそうなりたくなくて……。「やっぱり俺、諦めきれへんねんな」という話を何度も繰り返した結果、こうしてTHE FRANK VOXが始まりました。
──大阪城ホールでライブをやるのが目標なんですね。
RYO:城天ストリートっていうところで、大阪城ホールを横目に見ながらよくライブをやっていたんですよ。だから、絶対に大阪城ホールでワンマンができるようになりたいと昔から思っています。
RYO-TA:活動初期の頃って、自分たちのことを知ってくれている人なんてほとんどいないじゃないですか。ライブハウスに出ても、誰が観に来るねんという状況。それやったら路上で歌うしかないよなって感じで、自然とストリートライブをやるようになりました。
──ストリート出身の利点ってどんなところだと思います?
RYO:基本的に誰も観てくれないアウェーの環境なので、ハートがすごく鍛えられますよね。そういうストリートの厳しさを経験したあとに、自分たちだけを観てくれるライブハウスのお客さんを相手にすると、よりいっそう濃いパフォーマンスができるんです。
RYO-TA:言ってみれば、ライブハウスは天国ですよ。対バンイベントでたとえ僕たちのことを知らなかったとしても、お客さんがちゃんとこっちを向いて立ってくれてる。ストリートだと、信号待ちで止まってもらえたらラッキーみたいな感じなので。
──大阪以外でもストリートライブをやってきたんですか?
RYO:東で言うと仙台から、西は今のところ熊本まで。全国各地を車で回ってライブしてます。機材を乗っけて自分たちで運転して行く感じはバンドっぽいですね。
SNG:乗っている車は、和太鼓の世界チャンピオンの加藤拓三さんにいただいた大切なハイエースなんです。YouTubeの企画でごいっしょしたり、以前から何かとご縁があった方なんですけど、THE FRANK VOXが始まるタイミングで渡米されることが決まって。「これで大阪城ホールに行ってくれ!」という激励の言葉とともに、僕たちが譲り受ける形になりました。
──そして、曲作りも自分たちでされているそうですね。
SNG:はい。主にプラグインで、メンバーそれぞれが作る感じです。
YASU:ボーカルグループで曲も自分たちで作るのは、わりと珍しいのかもしれないですね。
RYO:メンバー全員、バンドを組んだ経験はないんです。
RYO-TA:この4人は通っていたボーカル&ダンススクールで出会ったんですけど、そこではゴスペルのレッスンもあって、ハモリの技術をちゃんと磨くことができたり。ストリートライブを含め、歩んできた経歴がライブハウス発のアーティストとは違う感じが、THE FRANK VOXの個性に繋がっているのかもしれないですね。
──大切にされているグループのコンセプトなどは?
RYO:流行り廃りはあるのかもしれないけど、全世代に響く音楽っていつの時代も存在すると思うんです。僕らが学生の頃やったら、ケツメイシさんとかFUNKY MONKEY BABYSさんとか。影響を受けた絶対的なJ-POPをアップデートしつつ、今の自分たちがいいと感じるものを突きつめていく。そういうことは常に考えていますね。
SNG:FRANKは“気さくな”、VOXは“声”という意味なんですけど、それを届けていくグループとして、温もりはめっちゃ大切にしています。SNSの発達によって人の温度感がちょっと下がってきている世の中だと思うので、あったかい、熱い気持ちを僕らの音楽で作れたらいいなと。
──自信があるのは、やっぱり歌ですか?
RYO:というより、ライブですね。音源にしてもライブで完成するイメージで作っているので、僕らが輝くのは現場だと思います。ストリートで培ってきたものも大きいし、生のシチュエーションがいちばん得意。
SNG:音が止まったり、照明が切れたり。何かしらのハプニングが起きたら、むしろ“ラッキー!”と思っちゃうよな。その瞬間、リーダーのRYO-TAがニヤッとするんですよ(笑)。ストリートでも、歌っている最中におばちゃんが飴を渡してきたことがあったりして。そういうのが僕らにとってはおいしいんです。
RYO-TA:“ネタができた!”って感じになります。「何してんねん!」とかツッコめば、お客さんが笑ってくれたりするので。
──(笑)。4人の声もバランスが素敵ですね。
RYO-TA:大きく分けると、RYOとYASUの2ボーカルがメロディ主体。RYO-TAとSNGの2人はMC担当なので、ラップパートを歌うことが多いですね。RYOとRYO-TAが高音域、YASUとSNGが中音域という感じで振り分けてます。
SNG:4人の声が混ざり合ったときに化学反応が起こるんです。
YASU:自分で言うんか(笑)。でも、確かに歌唱力を見せつけるっていう感じではなく、声の重なりが魅力的やと思うので、そこをぜひ聴いてほしいです。
──新作の『VOX GIFT』はどんな作品になったと感じてますか?
RYO-TA:マクドナルドのハッピーセットみたいな、子どもも大人も笑顔になれるEPに仕上がったんじゃないかなと思います。普通に生きていたら見逃してしまう、ささやかな幸せにも気づけるような4曲になりました。出来上がってからも毎日聴いていて、自分たちの作品で間違いなくいちばん好きですね。
YASU:リード曲の「友よ。」は初の友情ソングだったりもするんです。カラオケで仲間といっしょに歌えるような、いろんな世代に届くような、そういう立ち位置の曲に化けたらいいなって。今の時代らしくアップデートできて、大阪城ホールへと繋がる一枚にもなったと思います。
RYO:リリースの前後でフリーライブをかなりやったんですけど、出会えていなかった人たちに出会えている実感があるんですよ。1曲目のアップチューン「Bravo!!」で、僕らのことを知らないであろうギャルっぽい子が意外にノッていたりとか。今まで立ち止まらなかったような客層の反応がよくて。Spotifyのリスナーも倍くらいに増えたので、出会わせてくれるパワーを持った作品なのかもしれないです。
SNG:THE FRANK VOXを知ってほしくてTikTokでいろいろチャレンジしているんですけど、そこから『VOX GIFT』の曲に辿り着いてくれる方が多いんです。「曲がすごくいいですね!」と聴いた感想をDMでいただいたりもして、本当に作ってよかったなと思ってますね。逆に、僕らがギフトをもらった気持ちになっちゃうくらい。
──予想外のリアクションもあったんですね。
RYO-TA:友達とかも今まではこっちから「聴いてよ!」と頼み込む感じやったのに、「めっちゃええやん!」「ライブのチケットお願いしたいねんけど」みたいな連絡が来るようになってきてます。弟からも最近「ライブ行きたい」と初めて言われましたね。
RYO:すごいな!
SNG:僕の甥っ子はTHE FRANK VOXの曲をYouTubeで再生すると、画面の前から離れないらしいです。「最高! 子育てが楽になった」って親族に感謝されてます(笑)。
YASU:そういえば、こないだオカンに言われたわ。「あんたらの曲、たぶん子どもが反応する音が入ってんねん!」って(笑)。最近は親子でライブに来てくれる方も増えて、めちゃめちゃ踊って楽しんでもらえてるのが嬉しいですね。
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