【インタビュー】亜咲花、新たな扉を開いた「追想」

ポスト

▪️自分は一体何者なんだ?って問いかけるようなアルバム

──7月にアルバム『Who's Me?』を引っ提げた東名阪ツアーを終えられましたが、改めて振り返ってみて、どんなツアーだったと思われますか?

亜咲花:2019年以来の声出しツアーだったんです。約3年半、みんなの声が聞けないままツアーをやっていて、特に大阪や名古屋は本当に久しぶりだったのですごく嬉しかったですし、私の地元・名古屋に帰った時に『おかえり』と言ってくれたことが一番印象に残っています。少しずつ昔のように音楽を楽しめる環境が戻ってきたなと、体感することができました。アルバムに収録されている曲はほとんど歌ったんですけど、自分が思っていたよりも想像を上回ったなという曲がいくつかあって。

──たとえばどの曲になりますか?

亜咲花:2曲目に入っている「No.1」という曲です。私は競馬が大好きなんですが、競馬ジョッキーや馬たちが背負っているものやレースに至るまでの気持ちって、私たちがステージに立つ時の気持ちと一緒なんじゃないかと思って、この曲の歌詞を書いたんです。競馬場に行ってレースを応援する時に「がんばれ!応援してるよ!」ってみんなが声を掛けるんですが、私たちがステージに立っている時もファンの皆さんは「亜咲花、最高だよ!大好きだよ!」って言ってくれるわけじゃないですか。それと気持ちは一緒だな、と。もちろん競馬に限らず、どんな業界のお仕事もやっぱり一番がいいじゃないですか。いろんな人の背中を押すような曲になったらいいなと思って、ライブでコール&レスポンスできるように、掛け合いできるところを多めに作ってくださいとオーダーしたんです。レコーディングしながら、この曲はライブでとんでもなく化けるぞと思っていたんですけど、ファンのみんなもしっかりと予習をしてきてくれたから、想像のはるか上をいく一体感が生まれました。これでやっとこの曲は完成したんだなと感じたので、これからはライブの定番曲としてずっと歌っていきたいなと思いました。


──歌詞の中に“目指してGoalへ”とありますが、亜咲花さん自身が目指しているゴールはありますか?

亜咲花:まだまだ無限に続いているように思うので、まだゴールは見えてないと思います、たぶんね(笑)。ゴールしてもまた別のゴールを自分で作っちゃうんですよね。これまでもゴールを通過点として見てきたタイプなので、自分で立てるゴールも大きな夢じゃなくて、堅実なゴールばっかりなんですよ。ここ最近思っているゴールは、ステージの360度にお客さんがいるホールでライブをやりたい。

──ぐるりとお客さんに囲まれたステージで聞く歓声は、素晴らしいものでしょうね。ぜひ実現させていただきたいです。他にもツアーで印象に残った曲はありますか?

亜咲花:1曲目でリード曲の「Triple Crown」ですね。この曲はすごく攻撃的で、自分がアニソン歌手としてこの業界に入ってきた覚悟とか、死ぬまでアニソン歌手をやるぞっていう決意を言葉にしているんですけど、そういうことを自分の口で言うのって、すごく勇気がいることだと思うんですよね。それをあえて口にすることで、本気の気持ちが伝わるじゃないですか。ファンの人たちにはくどいくらい伝わっていると思うんですけど、それ以外の人たちには自分で発信していかないと届かない。今はSNSが発達して、自分が意図していないところでいい意見も悪い意見も拾える時代になっちゃったので、自分でいろいろと精査していかなきゃいけない時代でもありますよね。この時代に亜咲花が思っていることを、赤裸々に綴っています。

──確かに、意思表示が大切な時代ですね。

亜咲花:あと、ライブで盛り上がったのは「光と影のラプラスフル」。この曲はゲーム(Switch/PS4『シンスメモリーズ星天の下で』)のオープニング主題歌で、亜咲花名義のCDではなく、ゲームの主題歌CD集に入っていた曲なんです。私の方針として、自分名義でCD化していないものはライブで歌わないと決めているので、3年間みんなを待たせ続けていたんですが、今回亜咲花名義のCDに収録されたので、ようやくライブで歌うことができました。すごい難しい曲なんですけど、今まで寝かせていたのがもったいないくらい本当にいい曲で、この曲になった途端にペンライトがオレンジに変わるんですよ。みんなの声が一段ギアが上がったのを覚えています。

──クールなロックチューンあり、軽やかなポップスもあり、EDMもあり、歌謡曲もありと、バラエティに富んだアルバムになっていますが、『Who’s Me?』というタイトルにはどんな思いが込められているのでしょうか?

亜咲花:いつもアルバムを出す時に、タイトルにその時の自分の年齢を絡めていまして。19歳の時は『19BOX』、21歳の時は“21”という数字が“ブラックジャック”だなと思ったんですけど、“ブラックジャック”だとわりとハードな雰囲気になるので、何か可愛らしい響きのものはないかなと調べたら、イギリスでは“ブラックジャック”を“Pontoon”とも言うことを知って、『Pontoon』とつけたりしたんです。今回は23歳の時に出すアルバムなので、『23』だとストレートになるので、“ひ、ふ、み、よ”の“ふ、み”から『Who's Me?』と(笑)。後付けとしては、去年の10月に事務所を移籍して、この半年以上の間、これから一体何をしていきたいのか?と自分と向き合った時に、アニソン歌手をやっていきたいという答えは何も変わらなかった。自分は一体何者なんだ?って、自分に対して問いかけるようなアルバムでもあると思っています。

──これから何をしていきたいのか、他にも具体的に考えたことはありますか?

亜咲花:次は作曲もいけるかな?って思ってきたんですよ。声優さんのお友達も多いんですが、声優さんの中には楽器を弾いてる方もいれば、楽器は弾けないけど鼻歌でメロディーを作ったりしている方もいて、「亜咲花もやってみれば?」って言われて、やってみようかなっていう気持ちに最近はなっているんです。実は中学生の時に4曲ぐらい作ったことがあるんですよ。恥ずかしくて世に出していないんですけど(笑)。

──その時はどうやって作っていったんですか?

亜咲花:ボイトレの先生に「こういう曲にしたい」ってメロディを歌って聴かせて、それにコードをつけてもらったんです。全部恋愛の曲ばっかり(笑)。その時から大人びた恋愛に興味を持っていたので、15歳ながら“おっ?!”と思うような歌詞になっていて(笑)。このインタビューの一年後ぐらいには、みなさんに聴いていただけるような感じになっていたらいいなと思っています。

──歌詞を書き変えることなく、そのままでいきますか?

亜咲花:歌詞も変えずにいきたいですね。恥ずかしいから、黒歴史になっちゃいますかね(笑)。でも、あえて変えずにチャレンジしても面白いかなと。

──ぜひオリジナルのままの歌詞で聴きたいです(笑)。そういった具体的な目標を聞かせていただきましたが、今後の展望も聞かせてください。

亜咲花:8月は埼玉で3公演ライブを行なったり、10月7日にはバースデーライブを開催したり、今年はライブをたくさん行なった一年なんですけど、来年は音源を届けることとライブをすること、両立したいなと思っています。たぶん今年よりも亜咲花の新曲が聴ける機会が増えると思います。さらにライブに来ていただけると、新しい亜咲花をよりもっと感じ取ってもらえるかなと思います。それと、もうひとつの目標としてはファンのみなさんと一緒に触れ合える時間をもっと増やしていきたいなと思っていて。今年からようやくファンクラブ限定イベントをやり始めたんですよ。今年から来年にかけて、もっと積極的にやっていきたいと思います。『亜咲花に水やり』っていうファンクラブ名なので、みんなにたくさん水やりをしていただいて、限定ライブとか競馬場を回るバスツアーとかができたらいいなと思っています。

取材・文◎大窪由香

『Who's Me?』

発売日:2023年6月28日(水)
発売/販売元:MAGES.

■DVD付盤(CD+DVD)品番 USSW-0413
価格:¥6,050(税抜価格¥5,500、消費税額等¥550)   
■通常盤(CD)品番 USSW-0414
価格:¥3,850 (税抜価格¥3,500、消費税額等¥350)

[CD収録内容]
1.「Triple Crown」 (BS11「アニゲー☆イレブン!」 2023年6月エンディングテーマ)
2.「No.1」
3.「Life Goes On」
4.「Sun Is Coming Up」 (映画「ゆるキャン△」オープニングテーマ)
5.「Easy Life, Easy Curry -カレーメシのうた-」 (「日清カレーメシ」×「ゆるキャン△」コラボソング)
6.「See The Light」 (Switch/PS4「ゆるキャン△ Have a nice day!」オープニングテーマ)
7.「Ready Set Go!!」 (TVアニメ「賢者の弟子を名乗る賢者」オープニングテーマ)
8.「夏夢ノイジー」 (TVアニメ「サマータイムレンダ」2nd オープニングテーマ)
9.「BELIEVE MYSELF」 (TVアニメ「シキザクラ」オープニングテーマ)
10.「光と影のラプラス」 (Switch/PS4「シンスメモリーズ星天の下で」オープニング主題歌)
11.「Mob's God's」 (ゲーム「ANONYMOUS;CODE」グランドEDテーマ)
12.「燈火」 (Switch/PS4「サマータイムレンダ Another Horizon」オープニングテーマ)
13.「Trust My Heart」
14.「バラッド」 (TVアニメ「賢者の弟子を名乗る賢者」8話エンディング)
15.「追想」 (亜咲花の捜査FILE エンディングテーマ)

[DVD収録内容]※DVD付盤のみ
「Triple Crown」 Music Video
「Triple Crown」 Music Video Making Movie

<亜咲花 Birthday Live2023>

2023年10月7日(土)
【開場】14:30 【開演】15:30
会場:WWW X

【チケット】
・VIPチケット 12,000円+ドリンク代
特典内容:前方VIPエリア、アナタのお名前入り!限定「VIP」Tシャツ、
亜咲花 直筆サイン入りピクチャーチケット
・通常チケット 6,500円+ドリンク代
・当日チケット 7,000円+ドリンク代

▶購入
https://eplus.jp/sf/detail/2331090001

この記事をポスト

この記事の関連情報