【レポート】UniteUp!、未来に繋がるリアルライブ「もっともっとでかいステージ目指して、皆さんとユナイトアップしていきたい」

多次元アイドルプロジェクト『UniteUp!』のリアルライブ＜sMiLea LIVE -Unite with You-＞が7月29日と30日、東京ガーデンシアターで開催された。

アニメの最終話とリンクするライブに出演したのは、PROTOSTARの山口諒太郎（直江万里役）、平井亜門（五十鈴川千紘役）。LEGITの助川真蔵（高尾大毅役）、森蔭晨之介（二条瑛士郎役）、坂田隆一郎（東郷楓雅役）。JAXX/JAXXのmasa（春賀楽翔役）、下前祐貴（桂ほまれ役）、馬越琢己（香椎一澄役）、坪倉康晴（若桜潤役）、高本学（森ノ宮奏太役）。そしてスペシャルゲストとしてAnelaの斉藤壮馬（大月凛役）、中島ヨシキ（辻堂真音役）の12人。PROTOSTARの清瀬明良役、戸谷菊之介は体調不良で出演を見合わせることになったが、彼の想いも背負いながら、熱いライブを届けてくれた。本稿では2日目の模様をレポートする。

『UniteUp!』は多次元アイドルプロジェクトである。三次元と二次元を行き来する面白さがあるコンテンツとして、2023年1月から4月までTVアニメが放送され、まずは二次元の『UniteUp!』で楽しませてくれていた。


作中には全部で4組のユニットにスポットが当たっていて、動画サイトの歌い手だった3人がスカウトされ、新たに結成されたPROTOSTAR。バックダンサーからアイドルになった、“ホンモノ”のパフォーマンスでてっぺんを目指すダンスボーカルグループLEGIT。シンガーソングライターの春賀楽翔が、元アイドルグループ“Popping Zoo”と結成したバンドアイドルJAXX/JAXX。sMiLeaプロダクションを設立し、後進アイドルを育成しているが、かつては伝説のアイドルグループだったAnela。それぞれ特徴の違う4組が登場し、それらを演じるキャストも、声優だけでなく俳優やアーティストと幅広い才能が集まっていたことも特徴のひとつだった。

また、キャラクターとキャストを結びつけるものとして、例えばキャラクターの名前が、キャストの出身地に由来していたり、特徴や雰囲気が似ているところもあるので、どちらの次元でも推しやすいというところもあると思う。ライブ前は、リハーサル模様がSNSにアップされていたのだが、ダンス練習はもちろん、JAXX/JAXXにおいては実際に楽器を始めていて、このライブに懸ける想いが伝わってきたし、アニメと現実の境目がわからなくなるような感覚もあった。

さらに、このコンテンツの特徴として言っておきたいのは、曲が良いということ。ユニットのスタイルが違っていて、王道アイドル系、ヒップホップ、バンド系と曲の幅は広いのだが、どれもメロディに対する強いこだわりが感じられて、全部盛り上がれる！　これは最大の強みだと思う。


これらの要素が合わさり、7月29日と30日に開催されたのが＜sMiLea LIVE -Unite with You-＞だ。センターを務める戸谷菊之介が体調不良により出演ができなくなってしまったが、きっとそれは未来へと繋がる。このメンバーとならリベンジのチャンスは絶対に来ると信じさせてくれる、そんな素晴らしいライブだった。

ライブのオープニングは、スペシャルゲストである大月凛役の斉藤壮馬と辻堂真音役の中島ヨシキによるユニットAnela。ステージを覆う大きな紗幕に映し出される2人の影。そして流れ出す「Break border」。2人のアップを紗幕に映し出しながらの演出は、アニメ最終話で放送された『sMiLea LIVE -Unite with You-』の演出そのままだ。曲の途中で紗幕が落ち、客席のペンライトが揺れる。ステージセット自体も、ほとんどアニメのままで、その再現度の高さに愛を感じた。

MCでは、1日目を終えたからこその会話が繰り広げられる。中島が「昨日見て思ったけど、もっとライブをやってほしい！」と言えば、斉藤が「うちの子たち、すごいでしょう！」と凛役らしく誇らしげに言う。そして「この場所にみなさんと集まれたことは奇跡のようなものですし、今日存分に楽しんでいただくことが未来に繋がっていくと思いますので、そんな希望の思いを歌っていきたいと思います」と伝え「希望の声」を歌い、届けていく。笑顔で観客に手を振ったり、凛のアイドル性を斉藤が表現すれば、それを支えるようにクールに振る舞う中島は、真音そのものだった。さらにもう1曲「TARGET」を歌い、LEGITへとマイクを託す。

そしてここからが、ある意味でライブの本編。凛と真音が、事務所所属のアイドルたちを紹介し、そこからライブをするという形で、進行していく。

トップバッターとなるLEGITは、1人ずつポップアップで、高くジャンプしてステージに降り立つ。そして「THE DAY」では、炎が立ち上がる中、クールなダンスで魅了する。この流れもアニメのままで鳥肌モノだった。アニメと違うところは、アニメでは1コーラスしか見られないパフォーマンスが、フルで見られるところだ。続く「ON MY WAY」では、目まぐるしく立ち位置を変えながら、第3話のLEGITさながらの圧倒的なパフォーマンスを見せつける。そしてMCでは、メンバー同士の仲の良いやり取りも見られた。アニメではピリッとした空気が漂っているグループだったが、森蔭のMCを、助川と坂田が優しく見守っていたり、キャラとはちょっと違う関係性が垣間見えるのも、多次元アイドルの面白さだ。そこから、アリーナにあるセンターステージで「Twenty Four」を歌い、劇中で印象的に流れた「FIRE」で、未体験ゾーンへオーディエンスを連れていき、JAXX/JAXXにマイクを繋げる。

マイクを受け取ったmasaがステージに飛び出し、JAXX/JAXXのライブが始まる。ステージの2階にキーボードとボーカル、1階部分にドラムとギターとベースという配置もアニメそのままだ。挨拶代わりの「SuperStar」を5人で歌い、楽しんでパフォーマンスをするJAXX/JAXXの良さを見せつけると、続く「ライアー」ではmasaをメインボーカルにし、しっかり聴かせていく。途中のドラムフィルやキーボードとボーカルの絡みも絶妙だった。MCでも、メンバーの楽しい雰囲気はそのままでコール＆レスポンスをして楽しむ。また、自己紹介まで考えているあたり、事務所のムードメーカー的存在であることもうなずけた。「出会ってしまったみんなと俺たち。もっともっとでっかいステージを目指して突き進んで行くけど、付いてこれますか？」とmasaがあおり、でっかい野望を持った彼ららしい「STORM's EYE」をセンターステージで披露。最後は横一列になって、バンドの絆の強さを感じる「A.P.P.L.E.」を歌って締めくくる。

そして、最後に先輩からマイクというバトンを受け取ったのは、無限の可能性を秘めた生まれたばかりのユニットPROTOSTAR。戸谷の想いも抱えながら、キラキラ輝く「星瞬My wish!」を歌っていく。直後のMCで「僕ら2人が菊之介の分まで最高に盛り上げていくので、付いてきてください！」と伝えたのだが、ここを丁寧に言うところがPROTOSARらしさだ。コーレスでは、自分たちの名前をファンのみんなに呼んでもらっていたのだが、戸谷に届くようにと言って行った「戸谷くん」のレスポンスが少しシュールで、「前日の“きくちゃん”より、距離が離れた感じがするよね」と、2人で話して笑いを誘っていた。ちなみにこれは本人がレッスン中に考えた呼び方だったのだという。

そして感動的だった第7話のED曲「トリプレット」を心を込めて歌う。ステージ全体に星空を映しての歌唱はとても感動的だった。さらに王道アイドルソング「YOU」はセンターステージで披露。やはりPROTOSTARは個性的な3人の歌声と、それらがユニゾンする心地よさにキュンとする。この曲で、本来戸谷が言う「準備はいい？」というセリフパートを、山口と平井の2人が言っていたのもグッと来るポイントだった。最後は熱血ソング「吠えろ！クロスファイヤー」を熱唱し、ステージを終える。

3つのユニットが、それぞれの色を出した最高のステージ。最後はアニメ最終話での円陣をステージ上で再現し、それぞれの個性が感じられる名曲「Unite up!」を歌って本編を終えた。

アンコールでは10人がステージに登場し、各ユニットのセンター、清瀬明良×高尾大毅×春賀楽翔名義の「ユメノトビラ」を披露。みんなでプレゼントのボールを客席に投げ入れて楽しむ。そして、重大発表として「デジタルシングル4週連続リリース」と「TVアニメ第二期制作決定」の嬉しいニュースを届けると、客席から大きな歓喜の声が響いていた。ラストにもう一度全員で「Unite up!」を歌い、心をひとつにする。

ライブ後の最後の挨拶では、JAXX/JAXXが口々に「次は11人で皆さんにお会いしたい」「これからも11人で頑張っていきます」と告げ、最後にmasaが「もっともっとでかいステージ目指して、皆さんとユナイトアップしていきたいです」と伝える。次にLEGITが、「次は全員揃って、もっともっと成長した姿を見せたい」「メンバーがいたから苦しいことも乗り越えられた」と、ストイックなLEGITらしいメッセージを送ると、最後は助川が「僕らが目指すてっぺんはまだ先なので、てっぺん目指していきましょう！」と熱く言い放つ。そして最後はPROTOSTAR。「こんなキラキラした景色をまた見たい！　今回2人だったけど、そのおかげで諒さんの頼もしさを感じたし絆が深まりました。菊ちゃんもすぐに帰ってくるので、次は3人でパワーアップした、よりキラキラしたPROTOSTARを見せられると思います！」と平井。そして山口が「僕もまったく同じ気持ちです。こんなに温かくて、こんなに幸せで、こんなに最高の場所にいられることが本当に幸せです。皆さん本当にありがとうございました」と締めくくり、最高に楽しい＜sMiLea LIVE -Unite with You-＞を終えた。まだまだ始まったばかりのこのコンテンツ。今ならまだ全然間に合うので、ぜひハマってみてほしい。

文：塚越淳一

©Project UniteUp!

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