【インタビュー】MADz’s、「Changes」で見せた飛躍「僕らでしかできない込み入った構成の曲」
■ライブはオファーがあればあるだけやりたい
■DMがあれば飛んでいきます(笑)
──そして2022年には「西九州新幹線開業PR MV」として、「We Going On」が起用され、MVも制作されました。
AURAL:あの企画もDMですね。
Kohjiya:MADz'sのツイッターのDMにリクエストが来てて。そこから話が進んでという感じですね。「え!ホント!?」と思ったよね、あれも。
SHIÓLA:「新幹線のPR曲!?」って(笑)
──「We Going On」も含めて、MADz'sのトラックはドラマティックなものが多いですね。
SHIÓLA:たぶん、3人の好みが擦り合う部分が、そこに出てるんだと思いますね。トラックはタイプビートの時もあるし、仲良くさせてもらってる和歌山のトラックメイカー・jaffさんと作ることが多いですね。
──制作はどのように進めるんでしょうか?
Kohjiya:「どんな曲を作りたいか」を3人で話し合って、そのテーマやリファレンスをもとにビートを探して、という形が多いですね。そこでメンバーの中でピンとくるビートをすり合わせて、進めていく感じです。ボーカルパートは、基本的には最初にフック(サビ)を作ってから、その内容をもとに、それぞれがヴァース(AメロやBメロ)を組み立てていきますね。最近の作り方としては、みんなでスタジオに集まって、宇宙語みたいな(スキャットの)感じからメロディから作っていって、「じゃあこれをフックにしようか」みたいな、切り貼りして作っていくことにもチャレンジしたり。
SHIÓLA:「Changes」はそういう形だったね。
──「こういうメッセージを、こういう韻で」というよりは、語感や聴感、メロディの部分をまずは優先させてる、と。
SHIÓLA:そうですね。
Kohjiya:でも、フックの中で「これはどういう曲で、なにを伝えたいか」という構造にしようと思ってますね。「Changes」も「変化」というテーマは3人で共有してたので、ヴァースは3人がそれぞれ書くんですけど、その中心となるメッセージは、ちゃんとフックに落とし込みたいなって。
──テーマ出しでぶつかったりする時は?
Kohjiya:全然あります。そういう時は、テーマを出した人間のソロになっていったり。曲によってイニシアチブを取る人間が変わるんですが、その人が「こういうのを書いて欲しい」と伝えるよりは、まずフックとリリックを送って、それをメンバーが解釈して膨らませるという形が多いですね。
──「Changes」は2分弱に一曲をギュッと纏めた、タイトな曲になっていますね。
Kohjiya:「これは掛け合い系の曲で、僕らでしかできないくらい込み入った構成の曲にしよう」という話からスタートしたんですね。それで1ヴァース目とフックを作ったんですけど、これが2ヴァースまで進むとちょっとしつこいよね、ということで、じゃあ短くタイトに終わらせようと。フックにしっかりメッセージも込められたなと思ったし。
SHIÓLA:これ以上続くと重いよな、と。
──Kohjiyaさんのラップには「チャンス」というワードが中心に置かれています。
Kohjiya:世間的にもヒップホップが盛り上がっている中で、僕らもラッパーとしてフレッシュな、ちょうどいい年齢であり、それはチャンスのタイミングだと思うんですね。その「頑張り時だな」という気持ちを書いた感じです。長崎から一緒に上京したメンバーやクルーと一緒に制作ができたり、上京した僕らを良くしてくれる先輩もいるし、同世代だったらTade DustとかXY GENE……。
SHIÓLA:関西だとTioくんとか。
Kohjiya:そういうアーティスト同士の繋がりも増えてきて。そういう意味でも、良い環境に身を置けていると思うし、それはチャンスだろうな、って。
──AURALくんには「捨てられないマイプライド」という言葉があります。
AURAL:自分たちの軸をしっかり持って曲を作っていきたいんですよね。ちゃんとプライドを持って、音楽に向かう姿勢は大事にしたいな、と。
──SHIÓLAくんは「この先に」という言葉をラップされていますが、この先にはどんな未来が待ってると思いますか?
SHIÓLA:一番いいのは、このまま、今いる人たちと、一緒にやれることですね。メンバーもクルーも含めて、いい状況になっていきたいなと。
──そして新曲「Chasin' My Dream」が8月16日にリリースされる予定ですね。
Kohjiya:これは和歌山のビートメイカーのJaffくんから送られてきたビートから広がった感じですね。その時は宇宙語で入れてたんですけど、その時にポロッと出た「Chasin' My Dream」というフレーズから、夢を追いかけるというテーマに広がった感じです。
SHIÓLA:これは早かったよね。すぐ完成にたどり着けた。
──掛け合いよりもそれぞれのヴァースの個性が出ている、ドラマティックさとエモーショナルが組み合った、興味深い曲でした。
SHIÓLA:このリリースに伴って、色んな動きもできるといいですね。
Kohjiya:ライブはオファーがあればあるだけやりたい。
SHIÓLA:ちょうど上京した時はコロナ禍の真っ最中で、ライブがあまりできなかったんですよね。でも、めちゃくちゃライブのモチベーションは高いんで。
Kohjiya:DMがあれば飛んでいきます(笑)
取材・文◎高木“JET”晋一郎
リリース情報
https://jvcmusic.lnk.to/madzs_chasinmydream
■Digital Single「Changes」
https://jvcmusic.lnk.to/madzs_changes
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