【対談・短期連載Vol.2】メリーのネロ × defspiralのRYO、イベント＜魑魅魍魎2＞を語る「あの日の続きをやらせてもらいたい」

■2マンなんで楽しみながら
■ケンカを売りながら（笑）

──では今回の＜魑魅魍魎2＞ですが、defspiralは＜魑魅魍魎2019＞にも出演されていましたよね。

RYO：そうです。岡山に呼んでいただいて参加させてもらいましたけど、メリーに呼ばれると、うちのメンバー全員すごく燃えるんですよ（笑）。

──それはどういうところを意識されているんでしょうか？

RYO：やっぱりバンドの在り方とか、ライヴの見せ方とか。個性が強いですから。

──メリー側は、今回もdefspiralに声を掛けたのはどういう理由からですか？

ネロ：先ほど話したように、コロナ前の最後に一緒にやったバンドがdefspiralで、あの時の光景が忘れられなかったので。いよいよ声出し解禁ということで、＜魑魅魍魎2＞であの日の続きをやらせてもらいたいなと思って、声をかけさせていただきました。あの日、どこかちょっと不安な気持ちで出ちゃったので、今回は思う存分本気でぶつかり合いたい。それと、熊谷は僕の地元なんで、だから今回は僕がRYOさんと対談させていただくことになったんです。

RYO：あー、なるほど（笑）。実は2022年末に行った東名阪ツアーの大阪公演が終わって、ホテルに一泊して、朝ロビーに降りたらメリーがいて。その日、メリーは大阪でライヴだったみたいで、同じホテルだったんですよ。久しぶりに会ったその時に、「来年、イベントのお話させていただきます」って言われてたんですよね。そんな軽いジャブももらってたから、お話が来た時にはもう、“イエス”か“はい”しかないでしょ（笑）。

──二択になってません（笑）。

ネロ：ははは。お互いがアグレッシヴに動いてないと、そんなふうにバッタリ会うこともないので。そうやってちゃんと動き回っている人たちと、いつまでもバチバチやりたいですよね。


──メリーはこのタイミングで正式に声出し解禁ですが、defspiralはどうですか？

RYO：うちは今やってるツアーから解禁してます、マスクは着用してもらってますけど。“こんなに嬉しいものなのか！”っていう感じですよ、本当に。

ネロ：でも最初はやっぱり声もちっちゃい感じでした？

RYO：うん。ファンの人たちも“どうしたらいいんだろう”って遠慮してる感じで。もう煽って煽って、“全然いいんだよ”って感じでやってますけどね。声出し解禁ツアーも折り返して8本ぐらい終わったところなんですけど、やっぱり8本もやれば、それが普通になってきますね。今振り返ると、“声が出せなかったあの期間ってなんだったんだろう？”って思います（笑）。でもあれを経験したからこそ、感動もひとしお。だんだん戻ってきてる感じがあるので。コロナをきっかけにライブハウスから離れていった人たちも居ると思うんですけど、そういう人たちを戻すのも、やっぱりバンド側のパワーだったりするし、もっと我々が頑張っていかなきゃいけないんだろうなという気はしますね。

──6月4日はどんなライヴにしたいと思っていますか？

ネロ：2020年2月のあの日も、“声を出していいの？”って若干なっちゃっていた気がするんですよ。だからあの日の続きをやるなら…声って、バロメーターとしてわかりやすいので、“どっちのほうが大きいか？”でガツンと勝負したいですね。自分らの主催なんで、自分らが後に出てどしっとしてなきゃいけないんですけど、どこかでまた、“defspiralの生き様を見せてもらいたい”と思っていて。新体制同士の戦いでもあるから。RYOさんも言ってましたけど、“いびつで破天荒なバンドが、いつまでも自分たちらしさを忘れずに”っていうところでやらせてもらいたいと思います。

RYO：2マンなんでね、やっぱり全力で潰しにかかるというか（笑）。本気でぶつかって、いい戦いを見せたいですよね。声出し解禁とはいえ、音楽に限らずエンターテインメント全体が、まだちょっと士気が下がっている気がするんですよ。だから、盛り上がるきっかけにもなればいいなと思いますし、何よりメリーと一緒にやれるのは純粋に嬉しい。楽しみながら、ケンカを売りながら（笑）、という感じでいこうかなと思います。

──いいですね。弱いところにケンカは売らないですもんね。

RYO：そうそう。メリーはめちゃ強いですから（笑）。

──最後に、お互いに求めることはどんなことですか？

ネロ：本当にバンドって生き物で。明日どうなるかわからないって、コロナ禍でさらに思ったんですよね。ある意味、メリーのお手本みたいな活動の仕方をしてくれているので、何があっても今までどおりドッシリしててほしい。ずっと兄さんの背中を追い続けながら、ちゃんとジャブとストレートを入れていきたいと思います。

──RYOさんはいかがですか？

RYO：ネロ個人に対しては、ドラマーとしてそのスタイルのままで居ていただきたいなと思いますね。お行儀良くなってたら残念だなって思ってしまいます（笑）。彼にしか叩けないドラムがあるっていうのは、ずっと感じてますから。メリーにはずっとこのまま、いい意味でアップデートしながら、メリーを貫き通して欲しいですね。

取材・文◎大窪由香




◆対談【２】へ戻る
◆対談【１】へ戻る