【インタビュー】Amber's、『勝利の法廷式』主題歌「オセロ」にデュオとしての自信とメッセージ「自分が納得できる人生を選べるように」

■ “こうきくんの声ってすっごくいいんだな”と、感動を引き戻してくれた

──こうきさんが小さい頃によくお祖母様と遊んでいたオセロと、今のこうきさんが大事にしたい信念が結びついたというだけでなく、拓人さんがオセロの特徴からアレンジを膨らませて、ずっと実現させたかった生ストリングスが入ったアレンジを組んだ。そういう意味でも「オセロ」は人生の伏線回収のような1曲とも言えるかもしれません。

こうき：本当にいまリアルタイムで感じてることを楽曲にできましたね。今までは“あの時の自分が抱えていた気持ち”を歌詞にしてきていたので、こんなに今の自分の気持ちをリリースするのはちょっと恥ずかしかったり、くすぐったい気持ちもあるんです（笑）。でも自分の中でこの先も絶対に色あせない曲になるだろうなとは思っていて……歌ったその瞬間の“今”をどう考えるか、どう感じるかを伝えられる曲になると思うんです。

──こうきさんにとっても、いつも新鮮な気持ちで歌える、聴ける楽曲になるであろう、と。

こうき：「オセロ」は“これからどうしていくか、いま選択していこう”という楽曲なので、たとえば5年後、10年後で何かにつまずいたときにこの曲を聴いたら、あらためてちゃんとそういう気持ちになれるだろうなと思うんです。そんな楽曲をメジャーデビューしてすぐに作れたことがすごくうれしいですね。

拓人：ずっと一緒にいるから当たり前みたいになっていたけれど、「オセロ」の歌録りであらためて“こうきくんの声ってすっごくいいんだな”と感じたんです。忘れかけていた感動を引き戻してくれた楽曲でもありますね。

こうき：（照れ笑い）。Amber’sの音楽は、拓人と僕のどちらかがいれば成立するものではなく、ふたりがいるからこそ生まれる音楽なんですよね。だから僕らはバンドでもなくユニットでもなく“デュオ”なんです。

拓人：もともと4人組バンドだったのがふたりになったので、バンドのメンタリティを持ちながらも、なおさら“ふたりで音楽を作る意味”が濃くなっていった。そういう過程も含めて今の自分たちがあると思います。

──今のおふたりでしたら、東阪ワンマンツアー＜BLACK＆WHITE＞も充実の時間を過ごせそうですね。

こうき：大阪でワンマンをするのは初めてなんです。バンドメンバーと一緒に東京以外の場所でライヴができる、それだけでもかなりテンションが上がっていて。

拓人：僕らはホールでライヴをしたいという夢があるので、東京公演は天井が高くてフロアが階段状になってて、ライヴハウスだけどライヴハウスど真ん中というわけではない渋谷WWWを選びました。これまでのワンマンとは異なるコンセプトで、“これからのために今この瞬間選択をしていく”というメッセージを持つ「オセロ」のように、この日にしか伝えられない、この日に絶対伝えたい思いを伝えられるライヴにしたいと思っています。

こうき：直接会いに来てくれた人に、“自分は今こう思ってるよ”とちゃんと伝えられるライヴにしたいですね。現時点で伝えたい思いもあるし、それがみんなにどう伝わるのかも楽しみだけど、一番はステージに立った瞬間にどんな気持ちが湧き上がるのかが大事だと思っていて……自分でも当日、どんな感情になるのかが楽しみなんです。一生懸命日々を生きてきた一人ひとりが選択して集まる日だと思うので。

──こうきさんと拓人さんがAmber'sで音楽を作るように、Amber'sが作品とタッグを組んで音楽を作るように、この日を自ら選択して集まったお客さんと一緒にライヴを作るということですね。

こうき：そうですね、本当にそうです。“みんなはどう？”と問いかけるようなライヴができたらと思っていますね。

取材・文◎沖さやこ

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