【コラム】LEGIT『FIRE EP』にキャラソンの枠を超えたクオリティや実力派アイドルとしての説得力

Anela、JAXX/JAXXに続き、『UniteUp!』CDリリース第3弾を控えているのは、高尾大毅（CV.助川真蔵）、二条瑛士郎（CV.森蔭晨之介）、東郷楓雅（CV.坂田隆一郎）によるグループ、LEGIT（レジット）。LEGITは4月5日に『FIRE EP』をリリースする。

TVアニメ『UniteUp!』の序盤に登場したLEGITのインパクトは絶大だった。メンバーは、もともとダンスへの情熱が強く、ダンス大会で受賞するほどの実力がある高尾と、高尾と同じダンススクールに通っていた幼馴染の二条、そしてLEGIT最年長でモデルや個人名義で音楽活動もしていた東郷の3人。それぞれがAnelaのバックダンサーをしながらソロ活動もしていたという経歴を持っていて、そこからデビューに繋がった”ホンモノ”のパフォーマンスで魅了する実力派アイドルである。のちのPROTOSTARになる3人の歌い手、清瀬明良（CV.戸谷菊之介）、直江万里（CV.山口諒太郎）、五十鈴川千紘（CV.平井亜門）たちを導いていく芸能事務所のsMiLeaプロダクションの先輩ではあるのだが、実は高尾は16歳で、清瀬と同じ高校に通っていたりする。

▲LEGIT『FIRE EP』初回生産限定盤

その若さゆえに、TVアニメ第3話のLEGITのリリースライブ回では、ライブへ向けてぶつかり合う姿が描かれていた。常に手を抜かずに完璧を求める高尾と理論派で効率を求める二条は、譲れないポイントがお互いに違う。だが目指すところは同じ”てっぺん”で、心の奥底では互いを認め合っている。それが分かっているからこそ、2人を静観し見守っていた東郷。最終的に折り合いをつけるというより、全部を求めていくという3人のいびつだけど絶妙なバランスが最高でもあった。そして第3話の挿入歌がヒップホップ・ダンスナンバー「ON MY WAY」。


アニメでのダンスパフォーマンスは、カメラワーク含めてクールでカッコ良かったが、何よりもその楽曲のレベルの高さに度肝を抜かれた。NiziUやATEEZ、EXILEなどの楽曲を手掛けるトラックメイカーKENTZが制作に携わっているが、キャラソンという枠を超えたクオリティを実現している。ボーカルも絶妙に脱力感があって余裕も感じられ、リスナーが気持ちよくノりながらアガっていけるような曲だ。また歌詞からは、LEGITのどこまでも上り詰めてやるぜ！というギラギラした姿勢も伺える。実際、ライブ会場もAnelaほど大きなハコではなかったので、彼らもまだまだこれから大きくなっていくグループだという伸びしろも感じられた。

▲LEGIT『FIRE EP』通常盤

タイトル曲「FIRE」は、LEGITの中でも難易度が高い楽曲。TVアニメ第4話では、LEGITの今後を左右するような大型タイアップが付いた曲という立ち位置で、制汗剤のCMで流れることになっていた。エピソード的にはダンスがほぼ初心者のPROTOSTARの3人が顔を隠してLEGITのバックダンサーを務めるため、LEGITも協力しながら鍛えていくというものだった。（このあたりはStray KidsのMVに登場した、事務所の後輩のNiziUみたいな感じで、プロモーションとして実際によくあることなのでリアリティがあったりしたが）やはりこの曲もインパクトが強い。まず、アラビアンテイストのイントロから一気に引き込まれてしまう。この曲もKENTZが手掛けている曲だが、メロディアスなところでは美しいボーカルを響かせているし、英詞の雰囲気も絶妙なので、彼らが”ホンモノ”であることが理解できる説得力があった。それにしても制汗剤のCMにピッタリの歌詞でもあるので、このあたりの宣伝の仕方を見ると、LEGITをトップへ導くべく動く、Anela・大月凛（CV.斉藤壮馬）のプロデュースの上手さも際立っている。


「THE DAY」は、ヴァースのカッコよさは見事だが、キャッチーで広がりのあるドロップ（サビ）がライブで盛り上がりそうなナンバーである。そして時は金なりと歌うLEGITメジャーデビュー曲「Twenty Four」は、ヒップホップな歌い方が素晴らしくて、自然と体が揺れる。この曲は、ミックスエンジニアにillicit tsuboiを迎え制作されているそうで、めちゃめちゃカッコいい本格的なサウンド感はぜひ注目してほしい。


最後の「call」は、LEGITのセンター高尾のソロ曲。クールでありつつも、バラードで歌も上手いので、切なさが身に沁みるのだが、最後に向かって希望が見えてきて、〈言葉が　声が　この歌が　駆け巡って　今日も誰かの光に〉という歌詞で締めくくるところが、トップを目指しているLEGITらしさだと感じた。


グループとしての個性とダンススキル、そしてこれだけ強い楽曲を持ったLEGITが、音楽業界をどう駆け上がっていくのかも、TVアニメで見てみたい。

文：塚越淳一

©Project UniteUp!

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