【インタビュー】NMB48「13年目の今をここに残すっていうのが一番。思い出がいっぱい詰まったアルバムです」
NMB48がユニバーサルミュージック移籍第1弾にして、前作『難波愛~今、思うこと』からは実に5年ぶりとなる通算4枚目となるアルバム『NMB13(なんばサーティーン)』をリリースした。本作には2017年12月リリースの17thシングル「ワロタピーポー」から、昨年6月にリリースした27枚目のシングル「好きだ虫」までのシングル全11曲に加えて、 “NMB48の国歌”と呼ばれる「青春のラップタイム」の新録などを収録されている。昨年8月には、最後の1期生・白間美瑠が卒業。一期生が全員卒業してからは初となるアルバムにどんな思いを込めたのか。2代目キャプテンの小嶋花梨と今作収録の全シングルで選抜入りを果たしている上西怜という5期生の二人、リード曲「Done」でセンターを務める山本望叶(みかな)、そして、初選抜を果たした坂田心咲(みさき)の4人に13年目のNMB48の今を聞いた。
■過去のことを守りながら前にも進んで行かないといけない
■こういう葛藤は今のNMB48とも重なっているなと思います
──5年ぶりのアルバムをリリースする心境から聞かせてください。
小嶋花梨(以下、小嶋):5年前から発売してきたシングルが全て収録されているので、この5年間の自分たちの大事な部分というか、特に思い入れのある楽曲は、カップリングを含めて全て収録されています。劇場盤を含めた4形態で発売させていただくんですけど、どのタイプも少しずつ収録内容が変わっているので、ぜひ全部、見てもらえたら良いなと思います。
上西怜(以下、上西):5年ぶりのアルバムで、ユニバーサルミュージックに移籍しての初アルバムでもあるので、NMB48のメンバーみんなで気合を入れて作りましたし、私達の13年目の思いが伝わったら嬉しいなと思っています。
山本望叶(以下、山本):いつも応援してくださる皆さんのおかげで、アルバムをリリースさせていただけることができて、すごく嬉しいです。ファンの皆さんに楽しんでいただけるような作品になったんじゃないかと思います。
坂田心咲(以下、坂田):私自身は加入してから初のアルバムなので、本当に嬉しいという気持ちが一番大きいです。
──1期生が全員卒業した後、初のアルバムでもあるという点に関しては、5期生の2人はどう感じていますか。
上西:3rdアルバム『難波愛~今、思うこと~』の時は、先輩方が沢山いらっしゃって。今回の選抜メンバーで、その時にいたのはもう4人か5人ぐらいしかいないんですよね。シングルは定期的に出させていただいたんですが、前作のアルバムからもう5年も経っていたので、NMB48にはアルバムという概念はないのかなと思っていました(笑)。
小嶋:(笑)やっぱり1期生さんがいないからこそ、気合が入る部分もありますね。特に、今回は「青春のラップタイム2023」という、今の現役メンバー全員で歌っている楽曲もあって。「青春のラップタイム2023」を聴いてもらえたら、今回のアルバムを作る意味が一番わかると思います。13年目の今をここに残すっていうのが一番わかりやすい楽曲なのかと思うんですけど、そういう思い出がいっぱい詰まったアルバムになっています。
▲小嶋花梨
──今のNMBの魅力とはなんだと思いますか。
坂田:今のNMB48ならどんなジャンルの曲でも歌いこなせるって思っています。今回の『NMB13』にも、キュートな曲やクールな曲、大阪らしい曲調の曲とか、本当に様々なジャンルの曲が入っていて。その全てを今のNMB48のメンバーは歌いこなせてるんじゃないかなって思います。
山本:今は、メンバーそれぞれが自分の得意なことや好きなことをお仕事に繋げようと頑張っている時期なので、それぞれの強みがあるなって思います。
上西:コロナ禍になっても、ずっと動き続けているグループだな、進化しているなって思っていて。去年発売したシングルからこのアルバムのリード曲まで、全部、センターや選抜メンバーが違うんですね。本当に次のシングルはどうなっているかわからないし、半年後の選抜メンバーも想像できない。ずっとワクワクしてもらえるグループなんじゃないかなと思います。
小嶋:今の怜ちゃんと似てるかもしれないんですけど、逆にいうと、昔と比べると今はこれっていう色が強くあるわけではなくて。いろいろな色がある感じがするんですね。だからこそ、ずっと新しい感じがするし、毎シングルごとに、新鮮な気持ちにさせてくれるグループなんじゃないかなって思います。完成しきったグループではないからこそ、誰も満足せずに、ちゃんと今の自分と向き合っているがむしゃらさが今のNMB48の魅力なのかなと思う。みんな、ずっともがいているし、常に変化しているというところがポイントかなと思います。
▲上西怜
──今、シングルごとにセンターが変わるとありましたが、リード曲「Done」は山本さんがセンターを務めていますね。
山本:この大切な時期にリード曲でセンターをさせていただくことは、すごくありがたいことですし、センターの意味をしっかりと考えて、期待に応えられるようにがんばりたいと思います。
──昨年7月に8期生として加入した坂田さんは初選抜ですよね。
坂田:やっぱり嬉しいです。加入して1年経つんですけど、去年の1年とはまた違う、新しく濃い1年を過ごしたと思います。選抜メンバーにしか見ることができない景色もあると思うので、ありがたい景色をいろいろ噛み締めて、これからも選抜メンバーに入り続けられるような存在になりたいです。
──上西さんは17tシングル「ワロタピーポー」から、小嶋さんは19thシングルで、キャプテンを引き継いだ山本彩さんの卒業シングルでもあった「僕だって泣いちゃうよ」からずっと選抜に入っています。選抜にしか見られない景色ってありますか。
上西:そうですね。ミュージックビデオの撮影ができるのも貴重ですし、選抜しか出られないライブもあって。しかも、チームとしての先輩じゃなくて、選抜として見せる先輩の背中は全然違うので、選抜に入るとそういった経験値が随分上がると思います。
小嶋:このアルバムには「ワロタピーポー」以降のシングルが入っていて。ちょうど5期生が選抜に入り始めた頃からのシングルが全部入っているんですけど、5年前とは違って、私たちはもう背中を見る側じゃなくて、支える側に回っているのかなと思うので、がんばりたいなと思います。
▲山本望叶
──リード曲「Done」を最初に受け取った時はどう感じましたか。
山本:すごく壮大でインパクトのあるイントロなので、これを表現するのは難しいなと思ったんですけど、聴いていくうちにハマっていって。聴けば聴くほど、好きになる楽曲だなと思いました。
坂田:映画の中で流れてくるような曲だなと感じて、すごくびっくりしました。前作の「好きだ虫」とは、曲の雰囲気も歌詞も本当にガラッと変わっていて。そのギャップにも驚いたんですけど、今までにないような曲だからこそ、NMB48はこんな曲もできるんだぞっていうのをお見せできるんじゃないかと思いました。
上西:最初にタイトル聞いたときは、「Done」って意味が「終わる」だったので、今のタイミングでこの曲が来るのかって複雑な感情になりましたね。でも、アルバムのタイトルが『NMB13』で、「13年目の決意や挑戦という意味がある」って聞いて。今までのNMBを一旦終わらせて、これからのNMB48を私たちで作っていくのかなって感じたので、一聴すると悲しい曲に聞こえますけど、私達なりの表現で、決意を表せたらなと思いました。
──ここからまた始めるんだという決意ですよね。
小嶋:そうですね。<もう全て 過去のことさ>とか、<これで終わりだ>とか。マイナスな発言に聞こえるかもしれないんですけど、自分的には前向きな言葉なのかなと思っていて。今までのいろいろな経験も、一旦、過去に置いて、ここから次に進むしかないんだよなっていう。失恋ソングではあるんですけど、過去のことを守り続けないといけないけど、前にも進んで行かないといけないよねっていう葛藤は今のNMB48とも重なっているなと思います。
──グループとして過去を振り切って、前に進んでいく決意の曲をど真ん中で歌ってることはどう思います?
山本:今の話を聞いて、めっちゃなるほどって思いました(笑)。私、普通に失恋ソングと捉えていて。あまり自分たちのグループに重ね合わせることが難しい曲だなと思っていたので、今、すごい納得しました。
▲坂田心咲
──(笑)レコーディングやMV撮影で印象に残ってることはありますか?
小嶋:今回のレコーティングでは作曲してくださった井上ヨシマサさんがディレクションもしてくださったんです。48グループでも沢山のヒット曲を手がけておられて。NMB48で言うと、「カモネギックス」ぶりに作っていただいた曲だったんですけど、レコーディングの時の熱量がすごくて。普段は自分たちの歌い方で歌うことが多いんですけど、「こういう感じで歌ってね」っていう指示がたくさん飛んできたんですね。こんなに熱量のあるレコーディングは初めてただなって思いました。例えば、<done done>を<ダン>じゃなく<デン>って言っているんですよ。力強く届けるためにはどう歌えば良いかをそれぞれ教えていただいて。いつも以上に力を入れてレコーディングしたし、なかなかない経験だったなって思います。
坂田:私も力を入れて、自分が満足するまで歌いました。いつもだったら、OKが出てたら、もう1回歌いたい時でも言い出せなくて、「それで大丈夫です」ってなっちゃうんです。でも、今回はOKが出ていても、「もう1回、歌わせてください」って、何回もお願いして。自分が納得するまで歌い直させていただきました。特にこだわったのは、サビの<デン>ですね(笑)。あそこは難しくて。めっちゃ詳しい指示をいただいたんですけど、実際に自分が歌うとなると難しくて、苦戦したポイントです。
上西:私はMV撮影なんですけど、キッチンカーが……。
メンバー一同:あはははは。
上西:MV撮影中にキッチンカーが2回来て。NMB48の現場で、私が参加してからはそんなことは全くなかったので、みんな、子供のようにMVの裏側ではしゃいでいて。休憩になるたびに、みんながキッチンカーに群がるっていう光景が印象に残っています(笑)。
──ちなみに何を食べたんですか?
上西:お昼はソーキそばで、夜がカレーが3種類ぐらい。どっちも美味しくて。昼と夜で、その度に楽屋がその匂いで充満していました。
小嶋:映像でいうと、かなりのカット数を撮っていて。素材が多くて切替も速いので、メンバーそれぞれのいろいろな表情が撮れています。ただ本当に多くの映像が切り替わっていくので、本当に何十回も見返して、メンバーそれぞれの良い表情を見つけていただけたら嬉しいですね。
坂田:本当にみんな、それぞれ全員がめっちゃ良い表情をしているので、1曲を通して1人だけに限定して見続けたいなと思いました。なので、みなさん、16回は絶対に見て欲しいです。
上西:あと、最後の赤い糸が切れていくのもポイントです。ダンスは基本、無表情でクールな感じになっていて。
小嶋:笑顔ひとつないのは珍しいよね。
上西:望叶なりの表現が見られるMVだなと思うし、ファンの方は望叶のいろいろな表情を見れるのは嬉しいんじゃないかと思います。
山本:ありがとうございます(照)。
◆インタビュー(2)へ
この記事の関連情報
【レポート】NMB48、10年半ぶりオリジナル新公演<天使のユートピア>で「大阪から世界へ」
NMB48、29thシングル「これが愛なのか?」MVは学校が舞台
NMB48、新曲「OUR STORY」がゲームアプリ『おに高 ころりんゲーム』テーマソングに
NMB48、新曲「これが愛なのか?」パフォーマンス映像を初公開
NMB48、29thシングル「これが愛なのか?」アートワークおよび詳細公開
NMB48、渋谷凪咲卒業コンサートが映像作品化
NMB48渋谷凪咲、“前代未聞”の卒業コンサートで嘘泣きや大喜利
【インタビュー】NMB48、「凪咲さんが大切にしてきたNMB48の泥臭さや全力さも引き継いでいきたい」
NMB48、渋谷凪咲の卒業ソング「渚サイコー!」MV公開