【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.121「HIMのフロントマンで知られるヴィッレ・ヴァロがいよいよソロ活動スタート」
2017年大晦日惜しまれながらヘルシンキのTavastia公演を最後に解散したフィンランドのラヴメタルバンドHIMのフロントマンで知られるヴィッレ・ヴァロが名前と苗字の頭文字をくっつけてVV名で活動をスタートした!
Pic:Joonas Brandt
HIM解散後ヴィッレはフィンランドのベテランバンドAgentsとコラボし、2019年Ville Valo & Agents名で同名のアルバムを発売。一緒にツアーをした後、2020年にVV名で3曲入りのEP『Gothica Fennica Vol. 1』をリリース。このEP収録曲「Run Away From the Sun」は当時フィンランドのラジオでよく流れてて、お!活動が始まるのかな?と思ったもののその後特にニュースがないまま時が流れ、昨年夏に突然2023年初めにソロのデビューアルバム『Neon Noir』をリリースし、ヨーロッパと北米ヘッドライナーツアーを行うことが発表になったではありませんか。そのアルバムから先行シングル「Loveletting」がリリースになりミュージックビデオも公開になり、この曲もラジオでよく耳にしました。
その後このアルバムから「Echolocate Your Love」と今年になってアルバム発売日にタイトルソング「Neon Noir」の2曲のミュージックビデオが公開になりました。
このソロアルバムはヴィッレが作詞作曲、プロデュース、レコーディングを自分で行い、ミキシングのみイギリスの音楽プロデューサー、ティム・パーマーが担当。なんと楽器もすべてヴィッレが演奏したとのことです。
この『Neon Noir』ヨーロッパツアーはソロアルバム発売日1月13日にヘルシンキのTavastiaクラブを皮切りにスタートしましたが、当初発表になっていたのはフィンランドはこのTavastia1公演のみ。TavastiaというとHIMが毎年大晦日にカウントダウンの年越しライブをやっていた会場でHIM最後の公演もTavastiaでした。ヘルシンキの有名クラブですが、キャパシティは700人。フィンランドでは普通チケットは抽選ではなく早い者勝ち。人気の公演はチケット発売開始時間前から発売サイトに列ができ、その列に並ぶことになるんですが、以前これで早く並び過ぎたようで途中でぷっと列の外にはじき出され列の最後に並ぶ羽目になった経験があるので、発売30分ぐらい前からなら大丈夫だろうと待機して待つ列にいたものの、恐れていた通り自分の順番が来て販売サイトに入れた段階ですでに予約完売。時々キャンセルになったチケットが流れ出てくるものの、クリックして次に進むとこのチケットはありませんと出てくる。絶望的になりながらも、まさかこの1公演だけってことはないはず。追加公演あるはずと思いながらキャンセルで出てくるチケット待っていた間に追加公演が発売になってて、気が付いた時にはそれも予約完売(泣)。ほぼあきらめてたときにさらに追加公演が発表になったことに気が付き3公演目をなんとか購入できましたが、このチケットゲットは激しい争奪戦でした。
公演当日ヘルシンキについたのが午後2時ぐらい。その日の開場は午後7時。到着する長距離バスターミナルが入っているショッピングセンターの隣がTavastiaなのでちょこっとのぞいてみるとすでに10人ちょいぐらいファンが待ってました。開場1時間前ぐらいに行くと列はかなり伸びていて50人ぐらいいたでしょうか。なのでその段階で列の最後に並んで待ってましたが入場を待つ列はどんどん伸びてました。そして周りから聞こえてくるのは英語をはじめ外国語ばかり。中に入ってからも、やっぱりまわりから聞こえてくるのは外国語ばかり。ということで国外からたくさんのファンが来ていたと思われます。
ソロとHIMの区別をつけるためHIMのメンバーはソロのツアーバンドに入れない予定だという話をヴィッレが以前していましたが、今回のVVソロツアーのバンドメンバーはミッコ・ヴィルタ(G)、リスト・リカラ(Dr)、サンポ・スンドストロム(G)、ユホ・ヴァフマネン(B)。
この日の公演、ソロアルバムのオープニングトラック「Echolocate Your Love」で大きな歓声に包まれながらスタート!セットリストの構成はソロとHIMのヒット曲が交互に組まれてて、これ盛り上がらないわけないですよね。HIMの曲はヴィッレが作詞、作曲していたと思うので、ソロの曲もバックのサウンドは少し違うもののHIMが好きだった人にはそのまま受け入れらること間違いなし!ソロアルバムからのファーストシングルとなった「Loveletting」の後半、バッキングヴォーカルが歌詞を歌うパートがあるのですが、ヴィッレのヴォーカルが終わりそのバッキングヴォーカルに差しかかった時、観客がそのパートの歌詞を一緒に合唱して、ヴィッレはちょっとびっくりして照れてるような嬉しいような表情を見せ後ろのドラム台に置かれていた水のボトルを取りに行ったのがとても印象に残りました。HIMの曲の時はHIMのメンバーがちょっと恋しくも感じましたが、同時にHIMはなんてすばらしい曲をたくさん残したのだろうと改めて感じました。最後の方で最前にいたファンにスペイン語らしきで話しかけていたのですが、なんと南米のペルーから来たと言われヴィッレもちょっとびっくりしたようでした。とにかくヴィッレの歌う曲がとても心地よく心に響き酔いしれていたらあっという間に時間が過ぎていきました。ヴィッレは定位置からあまり動かず、移動は後ろのドラム台に水のボトルを取りに行く時だけ。それでもヴィッレがそこに立ってるというだけで存在感があり、彼独特のオーラを放出!集まったファンを魅了させてました。チケット取れてほんとにラッキーでした。
<VV ヘルシンキTavastia公演>セットリスト
1.Echolocate Your Love
2.The Funeral of Hearts(HIM)
3.Neon Noir
4.Right Here in My Arms(HIM)
5.Loveletting
6.Buried Alive by Love(HIM)
7.In Trenodia
8.Wings of a Butterfly(HIM)
9.Heartful of Ghosts
10.Join Me in Death(HIM)
11.The Foreverlost
12.The Kiss of Dawn(HIM)
13.Run Away From the Sun
14.When Love and Death Embrace(HIM)
アンコール
15.Soul on Fire(HIM)
16.Salute the Sanguine
17.Poison Girl(HIM)
18.Saturnine Saturnalia
VVは2月に開催されたフィンランドのグラミーともいえる音楽賞EMMA GAALAに出演し「Neoi Noir」を披露しました。こちらがその映像です。
2022年インタビューでHIM再結成について聞かれ、「もしよい理由、アイデア、なにかよい目的、もしくはメンバーの間柄が急速に親しくなれば絶対ないとは言いきれない。」と答えていたので将来何があるかはわかりませんよね。HIMが好きだったならVVも必ず気に入ると思います。もしまだだったらぜひ聴いてみてください。VVはこの後ソールドアウトがたくさんでているヨーロッパと北米ツアーが予定されていて、夏場はフェス出演がすでにたくさん発表になっています。
文&ライブ写真:Hiromi Usenius
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