【インタビュー】BLUE ENCOUNT、2拠点での活動を前に発表した『Journey through the new door』に宿る“確信”

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■「DOOR」を作れたことで安心しました

──去年の8月に配信された「終火」も、みなさんの演奏の豊かな表現力が発揮されていると思います。花火大会を舞台にした恋の終わりを描写した歌詞も綺麗ですね。

田邊:僕が小学校の頃から聴いてきたJ-POPのど真ん中の感じを敢えて作ってみたくて。バラードはたくさん作ってきましたけど、現段階で一番「ほぼ満点だな」って思えています。幸せなバラードよりも別れのバラードが好きな自分がいるんですよね。でも、この曲の配信が始まった当日、親から電話が来たんです。「大丈夫? あんた、どういう恋愛をしてるの?」って(笑)。全部フィクションで作ったんですけど、1本の映画を作れたような感覚があります。

──別れを予感している女性の目線で描かれていますね。

田邊:はい。「花火が終わったら、いよいよそういう話になるんだろうな」って予感している緊張感があるんです。作ったのは去年の春先なんですけど、ずっとこれに没頭していました。作るのが楽しかったです。いつか映像を作ってみたいですね。女優さん、誰が良いかな? キャスティングは1枚噛みたい(笑)。こういうのは江口の方が見る目あるのかな?

辻村:歌詞の中で彼氏がマルボロを吸う描写が出てくるけど、田邊だったら嫌だなあ……。

江口:本人が出てくるの?

田邊:それやばい(笑)。

高村:ちょっと観てみたいけど(笑)。

──(笑)。こういう和テイストの作風も、BLUE ENCOUNTは大切にしていますよね?

田邊:そうですね。日本で活動しているからこそJ-POPから逃げたくないですし、これからもそこにアプローチしていきたいです。今って「洋楽っぽいJ-POP」っていう文化になってきていますけど、僕が好きなのは90年代のJ-POPなので、それをやり続けたくて。あの頃のJ-POPはメロディの良さがあるので、そこから逃げずにやっていきたいです。

辻村:日本を代表するミュージシャンの坂本龍一さん、久石譲さんとかが、僕は大好きなんです。そういう和の要素もBLUE ENCOUNTには含まれていると思っているので、これからも向き合っていきたいですね。









撮影:ヤマダマサヒロ

──なるほど。あと、「青」は昨年の6月に配信されましたが、新曲の「DOOR」と並んだことで、改めて深い色合いになった印象です。どちらも今のBLUE ENCOUNTのテーマソングだなと思いました。

田邊:おっしゃる通りですね。辻村がアメリカに行く件を発表して、すぐに配信したのが「青」でしたけど、「BLUE ENCOUNTの主題歌を書かないと駄目だな」と思った時に頭に浮かんだんです。最初の仮歌で《そうだ 青に染まれ 青を宿せ 青に挑め》があったので、「俺はこういうことを描きたいんだな」というのが明確なところからスタートしました。

──「青」って「まだ青いな」とか否定的な表現で使われることも多い色ですけど、この曲ではピュアな想いを持ち続けることの尊さの象徴になっていると思います。

田邊:僕は「35歳にして描く青春ってなんやろな?」とか思っていました。「青」の一番ポジティブなワードの1つは「青春」ですけど、何歳になっても「挑戦する!」って決めた瞬間にまた青春になるんですよね。これからもBLUE ENCOUNTは青春と隣り合わせで生き続けていきたいです。そういう想いを枯らしてしまったら、現状維持のバンドになってしまいますから。辻村のことがなかったら、もしかしたら現状維持のバンドになっていたかもしれないです。辻村のおかげでこういうことに向き合えて生まれた「青」は、早くも代表曲の1つになったなと感じています。

──「DOOR」は、いつ頃作ったんですか?

田邊:これは去年の11月の段階でも形にならなくて、今回の制作の最後の最後で仕上がった感じでした。「青」が先に出来上がっていたので、「もう浮かばんやろ」って思いつつも、粘りに粘った先でやっと生まれた曲です。「青」は、2022年になってからの自分たちと向き合った曲。「DOOR」は、「そういう2022年を経た自分は、どんななんだろう?」っていう向き合い方で生まれた気がします。

──「DOOR」のサウンドもかっこいいですね。ギターソロに痺れたんですけど。

江口:ありがとうございます。デモの段階で田邊が入れていたフレーズの良い部分と、僕が考えたものを融合させたソロです。今までにあんまりない作り方だったので、自分にとっても新鮮ですね。

田邊:この曲のギターの音は、すごくこだわっています。最後の《扉は開けておくから》は、たった2つのコードのためだけにダンエレクトロの12弦ギターを用意してもらって弾きました。あと、この曲は全体的にアメリカンロックのいなたい感じの音のイメージがありましたね。全然アメリカなんて行ったことないくせに「故郷のアメリカの町に帰ってきたぞ」みたいな感じというか。

辻村:その感じ、よくわかる(笑)。

田邊:音でもメッセージを伝えつつ、歌詞も今までの自分では書けなかった感じになりました。「DOOR」は書き方が詩的なんですよね。ド直球で歌ってきたBLUE ENCOUNTで、こういう曲を作ることができたのも、未来への一歩になった感じがします。「DOOR」が出来上がったことによって、今回の作品のピースが出揃った感覚もあったんですよ。この曲が作れたことで安心しました。

──『Journey through the new door』は、未来が見える1枚になっていると思います。

田邊:そう感じていただけることを続けたいですね。これから作っていく1曲1曲でそれをずっと更新していくというか。柔軟でありつつ楽曲のクオリティが上がっていく年齢の重ね方をしていきたいです。

──ライブで奏でるサウンドも進化し続けていますよね。

田邊:そうですね。若手の頃は「4人で1個のグルーヴを作ろうぜ」って躍起になってスタジオに入りまくっていたんです。でも、今は培ってきたキャリアがあるからこそ、「1人1人の楽しい瞬間を見つけて、それを集めた時にBLUE ENCOUNTのグルーヴになる」っていう感じです。去年のホールツアーでも良いものが生まれていたので、今後もそれをやり続けていきたいです。

取材・文:田中 大

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リリース情報

ミニアルバム『Journey through the new door』
CD発売日:2023年2月8日(水)
販売サイト:https://smej.lnk.to/WjBPyx

完全生産限定盤:CD+グッズ+スペシャルボックス仕様 ¥6,800+税 / KSCL-3412~13
初回仕様限定盤:CD only \1,600+税 / KSCL-3414

<収録内容>
-CD-
1. Z.E.R.O. (『コードギアス 反逆のルルーシュR2』エンディングテーマ)
2. vendetta
3. 終火
4. 青
5. DOOR

<豪華盤同梱グッズ>
・特殊 BOX (旅行鞄風パッケージ)仕様  
・オリジナルエアーネックピロー
・オリジナルラゲッジタグ
・オリジナルアイマスク
・パスポート風ノート
・BLUE ENCOUNT メンバー直筆サイン入り色紙
・フレークステッカー(全6種)

<直筆サイン入りCDご予約に関して>
※完全生産限定盤・通常盤(初回プレス)につきましては、1月15日(日)23:59までにご予約いただいたお客様には発売日にメンバー直筆サイン入り商品をお渡し可能です。
※完全生産限定盤・通常盤(初回プレス)はお客様のご予約をもとに商品を制作させていただきます。
※完全生産限定盤・通常盤(初回プレス)は、店舗(CDショップおよびインターネットショッピングサイト)でのご予約数が上限に達し次第終了とさせていただきます。
それ以降は在庫状況によりご予約をお受けできない場合や、発売日以降のお渡しとなる場合があります。詳しくは各店舗までお問合せください。

<CDショップ先着購入者特典>
TOWER RECORDS:ステッカー(type-A)
TSUTAYA RECORDS:ステッカー(type-B)
楽天ブックス:アクリルキーホルダー
セブンネットショッピング:缶バッチ
Amazon.co.jp:メガジャケ
応援店舗特典:ステッカー(type-C)

※特典は数量限定・予約優先での先着順配布となり、なくなり次第終了となります。ご予約ご購入の際は、特典の有無を必ず店頭/ECサイトでご確認下さい。
※上記記載のあるチェーンでも一部取り扱いのない店舗がございます。

公演情報

<BLUE ENCOUNT TOUR2022-2023>
日程:2023/2/11(土)
会場:日本武道館
OPEN 17:00/START 18:00

<TICKET>
前売 ¥7,900(税込)

【お問合せ先】
クリエイティブマンプロダクション
03-3499-6669(月・水・金 12:00~16:00)

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