【インタビュー】舞乃空、歌うことを心から楽しみ軽やかな行動力で可能性を広げる17歳
2月8日にリリースされるシングル「うたかた」でデビューを果たす、舞乃空。幼少期から『関ジャニの仕分け∞』や『THE カラオケ★バトル』『NHKのど自慢』などに出演し、天性の才能と見事な表現力が光る歌声で注目を集めてきた彼女も17歳となり、高校卒業を目前に本格的な活動をスタートさせた。ジャンルにとらわれず、歌うことを心から楽しみ、軽やかな行動力で自身の可能性を広げている彼女に、現在の心境を聞いた。
■自分にとっての“初めて”を今いろいろ更新しながら
■“初めての気持ち”も体験しているところです
──“舞乃空(まのあ)”さんって素敵なお名前ですね。
舞乃空:ありがとうございます。両親が結婚式を挙げた、ハワイのマノアっていう場所が名前の由来なんです。ハワイ語では、広いとか広大なっていう意味があるらしいです。
──現在高校3年生。卒業を控えた今の気持ちはいかがですか?
舞乃空:3年間、本当に短かったです。この前入学したんだけどっていうくらい、一瞬でした。コロナ禍での入学だったから最初は登校もできなかったし、行事もほとんどできなかったけど、卒業式はできるみたいだから今から楽しみなんです。
──学校での思い出は何かできましたか?
舞乃空:3年生の文化祭で、ダンスをしました。TWICEさんの「LIKEY」をクラスの友達9人で踊りました。練習のスケジュールを合わせるのが大変で、全員揃って踊ったのは本番だけ(笑)。みんなはダンスの経験があったけど、私は初めてだったから3ヶ月くらい毎日練習して本番に臨みました。
──それは良い思い出になりましたね。
舞乃空:はい。みんなで本番目指して頑張るっていうのが、なんだか青春だなって思いました。
──高校卒業も一つの節目だと思いますが、今回のデビューというのもまた大きな節目ですね。
舞乃空:はい。もともとは高校1年でのデビューを目指していろいろ準備をしていたんですが、コロナ禍で延期になったんです。正式にデビューの話が決まった時は高校生の間でよかったなと思ったけど、正直「あぁ、やっとだ」という気持ちもありました。デビューに向けての準備期間なんだと思っていろんな努力をしてきたけど、やっぱり不安もあったから、嬉しい気持ちと共にようやくだなって気持ちもあったんですよね。
──小さい頃からテレビ番組に出たり、いろんなコンテストで賞も取られていますが、もともと歌手を目指していたんですか?
舞乃空:歌が大好きな家族だったし、私も小さい頃から歌うことは好きだったけど、上手いとかは思ったことなかったんですね。でも小学校低学年の頃に初めてカラオケボックスに行って、そこで採点機能を使ってみたら92点くらい出たんです。そしたらお母さんが「あれ?この子、上手いんじゃない?」って思ったらしく、私が知らないうちに『関ジャニの仕訳∞』って番組に応募していて(笑)。それで出演が決まり小学3年生で初めてテレビに出たんですが、そこで歌を歌うって楽しいなと思うようになったんです。その後もいろいろな番組に出させてもらうようになり、その頃にはもう歌手を目指していました。
──カラオケではどんな曲を歌っていたんですか?
舞乃空:当時は、絢香さんの「にじいろ」と一青窈さんの「ハナミズキ」をリピートして歌っていました。両親の影響もあって、昭和のヒット曲や演歌も好きだし、J-POPもK-POPも好きで歌います。とにかく小さい頃からジャンル問わず、という感じなんです。だからこれからもずっと、ジャンルを問わず、ジャンルとして考えず、いろいろな方に刺さるいろんな歌を歌いたいなというのはすごくあります。
──確かに、SNSでもいろんなアーティストの楽曲を歌っていますよね。ちなみに尊敬するアーティストの方はいらっしゃいますか?
舞乃空:私が尊敬しているのは、玉置浩二さんです。玉置さんは、歌を歌うんじゃなくて歌詞を歌っているというか。音じゃないんですよね。玉置さんって、言葉なんです。もちろん音としての音楽も大好きですが、やっぱり私は言葉を伝えたいと思って歌っているので、昔からずっと言葉を大事に届けていらっしゃる玉置さんを尊敬しているんです。
──玉置さんの曲の中で、特に好きなのは?
舞乃空:「JUNK LAND」です。これは玉置さん以外歌えないんじゃないかなって思う歌なんですよね。あとは、玉置さんが他の方の曲をカバーされてるのも好きです。例えば中森明菜さんの「サザン・ウインド」とか。原曲の良さもありつつ、玉置さんの色に変わっているのがわかるから。玉置さんと他の歌手の方のデュエットなんかも好きなんです。
──自分でも曲を作ったり、歌詞を書いたりしますか?
舞乃空:作詞をしてみたいと思って、先生に教えていただいたことはあります。でも、書けなかったんですよね。どうしても、歌詞じゃなくて手紙になってしまって。まだまだ勉強だなと思うんですが、パッと思いつくというかワードが降りてくる時があるから書き留めてストックはしています。
──今後を楽しみにしてますね。楽器は何か演奏しますか?
舞乃空:もともとピアノをちょっとやっていて、アコースティックギターも少し習っていて、最近はエレキギターを始めました。最近バンドのライブを見て、エレキってかっこいいなと思ったんですよ。アコギとはまた違った世界を表現できるから、弾けるように今頑張っているところです。
──文化祭でのダンスもそうだけど、行動力がすごいですね。
舞乃空:やらないより、やって後悔した方がいいなと思うタイプなんですよね。だからすぐ行動するんです。
──出来ることが増えると、叶えたい夢も広がりません?
舞乃空:夢、たくさんあるんですよ。スカパラさん(東京スカパラダイスオーケストラ)がめちゃくちゃ好きなんですけど、いつかコラボできたらいいなと思っています。
──ではここから、記念すべきデビュー曲「うたかた」、そしてカップリングの「春凪」について聞かせてください。完成した今のお気持ちは?
舞乃空:最初に曲をいただいた時は、実感がわかなかったんですよ。これが自分の曲になるのかって、なんだか信じられなくて。でも、自分の声で歌った「うたかた」と「春凪」を聴いた時は、嬉しさで母と一緒に泣きました。レコーディングやMVの撮影、こういう取材もそうですが、自分にとっての“初めて”を今いろいろ更新しながら、“初めての気持ち”も体験しているところです。
──「うたかた」は、初恋がテーマですね。
舞乃空:はい。初恋をテーマにしている曲なんですが、もっというと学生時代や青春を思い浮かべながら聴いていただける曲になっていると思います。恋だけじゃなく、いろいろな世代の方が思う青春っていうものが重ねられる感じというか。
──特に気に入っているポイントなどはありますか?
舞乃空:この曲は、歌詞が男の子目線になっているところがポイントです。私は女だけど、男の子目線で初恋を歌うっていうのがすごく新鮮だなって感じました。何度か同じ感じのフレーズが出てくるんですが、それぞれ違うニュアンスで歌っているところもポイントかなと思います。
──カラオケで歌ってみたいなと思われる方も多いと思いますが、どういうところに気をつけたらいいと思いますか?
舞乃空:リズムですね。すごく歌いやすそうに感じると思うんですが、歌ってみるとかなり難しい曲なんです。特に「遠ざかる指先」から「出会った日から」でちょっと雰囲気が変わるところとか。リズムを感じて、リズムに乗って歌ってほしいというのももちろんありますけど、逆に難しく考えすぎないことも大切かなって思っています。最初から「歌えそうにないな」って思っちゃったらもったいない。上手いとか下手とかじゃなく、歌ってみたいなとか、歌って楽しいなって気持ちを一番大切にしていただけたらなと思います。
──それはきっと、「春凪」にも通じることですね。この曲は特に、卒業シーズンに歌いたくなる1曲かなと思います。
舞乃空:そうですね。「春凪」もめちゃくちゃ難しいですけど(笑)。この曲は、卒業と母への思いを歌っている曲。私は高校1年生の時に実家から東京に来たんですが、そういう自分の等身大の思いとも重なる曲なんですよね。母に初めて聴かせた時は、大号泣していました。
──学生の皆さんには等身大であり、その一方で、子供を持つ親の気持ちもわかるような曲だなと思いました。
舞乃空:そうなんですよね。子供世代にも親の世代にも刺さる歌詞だと思うので、幅広い世代の方から愛される曲になっていくんじゃないかなって思います。これからの卒業シーズンはもちろん、母の日や、結婚ソングとしても歌ってほしいんです。結婚式で歌ったらお母さんもお父さんも泣いちゃうと思うけど(笑)、そういういろんな場面で、普段言えなかった気持ちとかを伝えられる歌でもあるのかなと思います。
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