島村楽器、加湿・除湿の両機能でオールシーズン使用可能なアップライトピアノ用湿度調整剤を発売

島村楽器が、加湿・除湿の両機能を兼ね備え、オールシーズンで使用可能なアップライトピアノ用湿度調整剤『EML-TKJN01』を発売した。

『EML-TKJN01』は島村楽器とシャープの研究開発チームが共同で開発したアップライトピアノ用の湿度調整剤。乾燥時には放湿、多湿時には吸湿することで、密閉空間を目標湿度に調節・維持することを目的にシャープが開発した素材「TEKIjuN（適潤）」（※1）を使用している。

アップライトピアノ内部に設置することで、木製楽器に最適とされる湿度50％RH前後に調節・維持。従来、過度な乾燥や多湿による劣化を抑制するため、乾燥時には湿らせた吸水性高分子などの加湿剤、多湿時にはシリカゲルなどの乾燥剤をピアノ内部に設置、あるいは同じ空間に加湿器や除湿機を置くなどの湿度管理が推奨されてきた。その際、例えば、乾燥剤は冬季に過乾燥を招く恐れがあるため季節に合わせた湿度調整剤を選んだり、機材用の電源を確保したりする必要があった。

今回発売されたEMULでは、ビーズ型TEKIjuNが入った不織布袋を付属のトレイの上に置き、アップライトピアノ内に設置するだけで、TEKIjuNが湿気を吸収または放出し、ピアノ内部の湿度を調節するため、季節を問わず利用可能であり、電源を用意する必要もなく、アップライトピアノ内部を簡単に最適な湿度の状態に保てる。

島村楽器とシャープは、1年以上の時間をかけ、島村楽器の店頭や一般家庭に置かれたアップライトピアノ内部の湿度推移データを共同で抽出・検証して開発を進め、今回の発売に至った。両社は、今後も楽器の品質維持に役立つ製品の開発・普及に取り組んでいくということだ。


※1.TEKIjuN（適潤）はシャープの登録商標