【ライブレポート】Furui Riho、「今まででいちばん自信を持ってできたライブでした」
代官山UNITで<Furui Riho Oneman Live 2023 “Beginnings”>を見てきた。
◆ライブ写真
Furui Rihoは北海道在住のシンガーソングライター。ゴスペルとR&Bに影響を受けて育ち、作詞・作曲はもちろん編曲にも関わっている。2019年5月の配信シングル「Rebirth」から急速に頭角を現し、2022年3月に初のフィジカル作品となるアルバム『Green Light』を発売。以後もシングルリリースを重ね、Apple Musicの「Up Next Japan」、Spotifyの「RADAR: Early Noise 2023」といった有望アーティスト紹介のラインアップにも選出されている。
東京でも過去に何度かワンマンライブを開催しているが、僕は初めて。注目と期待の表れか、チケットは1か月前にソールドアウトしたそうだ。久しぶりに訪れたUNITには多くの若者が詰めかけ、ものすごい熱気だった。
開演予定時刻の17時を少し回ったころ、「I'm free」の印象的なコーラスが流れるステージに、キーボードのハナブサユウキ、ギターの坂本遥とともにFurui Rihoが登場。ピンクの髪を上のほうから三つ編みにして二つ結び、フロントにシャーリングの入ったピンクのシャツの上に大きなブロックチェックの黄緑色系のカーディガンを羽織って、キーカラーをあしらったストリート感のある装いだ。彼女が小柄な上にフロアが人海状態だったため、僕がいた後ろのほうからは胸から上がチラチラ見える程度で、ボトムスはまったく不明。その見えなさ加減もなんだかワクワクしてよかった(薄緑のショートパンツは追って確認)。
曲名通り自由な譜割、声のよさと歌の安定感はさすがというか想像どおり。序盤はBPMの速い曲を続けながら「今日は声出していいらしいよ。そして踊っちゃってもいいらしいよ」と観客を乗せていく。4曲めの「Candle Light」ではフロアも“Put your hands up”状態。場慣れ感と新進気鋭らしい初々しさが同居した人なつっこいステージさばきは、最後まで一貫していた。
「すいません、わたしちっちゃいんですけど後ろの方見えてますか?」と呼びかけると「見えてるよー!」との返事。MCは終始、観客に語りかけるフレンドリーな調子で、「We are」の前に「神さまに素敵な仲間を与えてくださいって願ってたんですけど、(メンバー、スタッフ、観客で)叶っちゃったよ! そんなみんなのことを考えて作りました」と語ったり、“わたしを抱きしめてくれないか”という歌詞の「ABCでガッチャン」を歌い終えてエアハグし「ひとりずつ抱きしめたいところですが、ステージからとさせていただきます」と話すなど、ちょっとクサい言動も素直でキュートな印象で厭味がない。人徳だろう。「We are」ではダンサー二人とともに踊って盛り上げてくれた。
「Till the end」「嫌い」「でこぼこ」と、とりわけパーソナルな色合いの濃い3曲はセミアコースティックセットでしっとりと届ける。音の薄いセッティングでは節回しのアレンジのうまさ、表現力が際立ち、歌詞がよく聞こえた。
恒例だというセッションのコーナーでは、「STUTSならぬリホッツになってビートを刻んでみようかと思います」とステージに置かれたMPCの後ろへ。3人で披露したのは80年代ファンクを思わせるセッション曲で、初めてとは思えない堂々たる「リホッツ」ぶりだった。
「あと2曲になっちゃった!」と観客を残念がらせて、いよいよライブも終盤。ドラマ主題歌の「ウソモホント」、現在に至る快進撃の開始を告げた記念碑的な曲「Rebirth」を続けて、本編は幕を閉じた。
アンコールでは来月リリースするグルーヴィーな新曲「ピンクの髪」を初披露して髪色の伏線を回収し、5月に初めて恵比寿リキッドルームでのワンマンライブ開催を発表して、“明日また会いましょう”から始まる「Purpose」でフィニッシュ。全14曲、サイズ感から流れまで好感の持てるショーだった。
終演後の挨拶で感想を求めたところ、開口一番「今まででいちばん自信を持ってできたライブでした」との回答が返ってきた。「正直、今まででいちばん大きい規模だったのでドキドキしてたんですけど、自分を信じてできる限りのことをやろうと思って、ちゃんとできたライブかなって。本当に支えてくれるみんなのおかげだって心から思ってます」
誠実なコメントだ。背の低さや童顔などのコンプレックス(「嫌い」)は見せ方ひとつで強みにもなり得る。札幌のスタジオで、ドアが開きっぱなしなのを忘れて「東京~! 盛り上がってるか~!」とシャウトを練習していて恥ずかしかった、とMCで明かしていたが、それだけの集中力とひたむきさで精進すれば、大きく飛躍できそうだ。
取材・文◎高岡洋詞
写真◎Tatsuki Nakata
■『Furui Riho Oneman Live 2023“Beginnings”@代官山UNIT』セトリプレイリスト
https://lnk.to/beginnings_20230109
new single「ピンクの髪」
PRE ADD/PRE SAVE LINK : https://lnk.to/pink_hair
ライブ情報
日程:2023年5月7日(日)
会場:恵比寿LIQUIDROOM
開場開演:OPEN 16:00 START 17:00
チケット:オールスタンディング 4000円(税込・1Drink別)
最速先行(e+スマチケ)1/9(月)19:00〜1/29(日)23:59
◆Furui Riho オフィシャルサイト
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