KinKi Kids、25周年を飾る冬のドームライブ「僕たちが君たちのサンタさんだよ」

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KinKi Kidsが12月24日と25日の2日間、<KinKi Kids Concert 2022-2023 24451 ~The Story of Us~>の東京ドーム公演を開催した。以下、その2日目の公演のオフィシャルレポートをお届けする。

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KinKi Kidsが毎年恒例の冬のドームライブの東京公演を開催した。今年は12月24、25日に東京ドーム、そして1月1、2日に京セラドームにて実施される。今回は12月25日に開催された<KinKi Kids Concert 2022-2023 24451 ~The Story of Us~>東京公演2日目をレポートする。

今年7月21日にCDデビュー25周年を迎えたKinKi Kids。7月と8月には25周年記念イベント<24451 ~君と僕の声~>を開催し、8月7日に行われたファイナル公演では、ラストに「皆さんまた冬にここで会いましょう!」と堂本光一が予告したことは記憶に新しい。その約束が今、満を持して果たされたのだ。開演を待ち侘びるファンが手にしているのは今回のツアーグッズのペンライト。赤と青の2色に切り替えられるが、赤は光一、青は堂本剛のメンバーカラーを意味している。そしてステージの両端を華やかに彩るのは、デビューからこれまでのライブなどで着用された衣装の数々。一部ではあるが展示された衣装の総数は200着。膨大な量と衣装のコンセプトに、改めてふたりが歩んできた25年間の重みを感じざるを得なかった。ちなみに、夏のイベントでもこのように衣装が飾られていたことから、今回のライブはあくまで夏のイベントと地続きであることも実感した。

会場が暗転し、まず場内に響き渡ったのは剛の歌声。1月18日にリリースされる46枚目のシングル「The Story of Us」の一節だった。この曲は<#キンキ25円でCM出演>のCMソングであることから、リリース前とはいえ馴染み深く感じている人も多いのではないだろうか。

《It’s your Story 闘おう/It’s my Story 共に/手を繋いだら笑おう ほら/咲かせよう The Earth》

この曲はKinKi Kidsとして光一と剛が作詩作曲を手がけており、「今の時代を共に闘いながらも新しいStoryを描いていこう」という力強いメッセージが込められている。その後もデビュー曲「硝子の少年」など、KinKi Kidsを語る上で欠かすことのできない不朽の名曲たちによって、会場は熱く、そして感動的な空気に包まれていく。

クリスマスということで、「僕たちが君たちのサンタさんだよ」と剛が観客に語りかけると、すかさず「真面目に言ってますか?」とツッコむ光一。それに対して「ご想像にお任せします」と返す剛。爆笑必死のMCタイムの幕開けだ。そのままクリスマスならではの話題を展開するかと思いきや、開演時に発生したプチ事件をカミングアウト。24日の初日公演後、ダメ出しを行った際に光一が「開演時の照明が明るいのでは?」と指摘したことから、より観客へのサプライズ感を強いものにするため、昨日よりもかなり照明が落とされていたという。しかし、思いのほか真っ暗な状態で、足元に貼られていた「The Story of Us」の歌詩がまったく読めなかったという。そのため、どうにか目を凝らして歌詩を見ながら歌ったそうで、その時の様子をふたりが再現したのだが、暗闇の中で四つん這いになり、床に貼られた紙に顔を近づけて読む様はなんともシュールだった。さらにふたりは「(The Story of Usの)歌詩に《迷子になった》ってあるけど、俺らが迷子やん」と自虐的なツッコミを入れたりもした。

続いて披露されたのは、「欲望のレイン」といった懐かしい楽曲の数々。特に「欲望のレイン」はジャニーズの後輩たちがカバーすることも多く、根強い人気を誇っているが、ライブで披露されるのは実に10年以上ぶりだという。あの頃とは違う深みや哀愁が感じられたりと、今のふたりが歌うことで、過去の曲が時を経てまた育っていくことを目の当たりにした時間だった。

再びMCに入ると、またもやプチ事件を回想。ふたり揃ってこの事件に気持ちを引きずられているようで、MCをコンパクトに収めなければいけないタームであるにもかかわらず、なかなか次の楽曲に行こうとしない。この日、ふたりは「KinKi KidsのMCは生産性がない」と語っていたが、老若男女魅了することのできるゆるやかなテンポが魅力的であり、阿吽の呼吸で魅せる軽妙な掛け合いは流石としか言いようがない。これも25年、いやそれ以上の時間をかけて、ふたりが観客を楽しませるために試行錯誤してきた努力の賜物だろう。

その後、ふたりはステージの両端に用意されていたフロートへと乗り込み、合作曲「銀色 暗号」といった冬を象徴する曲たちを美しいハーモニーで奏でていく。ふたりは外周をゆったりとした速度で回りながら歌唱しつつ、観客に手を振ることも欠かさない。物理的にも心理的にも、ふたりとファンの距離が近づいていくような温かな光景が眼前には広がっていた。外周を回り終え再びステージに到着すると、否応なしに聴く者の体を動かすようなファンクサウンドが鳴り響く。故・ジャニー喜多川氏に想いを馳せて剛が制作した楽曲「KANZAI BOYA」だ。この曲では光一がジャニー喜多川氏を意識したコスプレを披露するのが定番だったが、今回のライブでは剛も同様に変身。ステージ上にジャニー喜多川氏が2人もいるというカオスな光景に、思わず度肝を抜かれた。曲を終えるや否や、「You、誰?」「Youこそ誰?」「僕は僕だよ!」とジャニー喜多川氏の口調を再現。その寸劇からは、KinKi Kidsの生みの親であるジャニー喜多川氏への深い愛情と感謝の思いがひしひしと伝わってきた。

ふたりが深く感謝しているのは、ファンに対しても同じだ。この日はコロナ禍におけるライブの観方についても話題を展開。「隣の人と会話をする程度であったり、不意に歓声が漏れる分には問題ない」という新たなルールが設けられていたものの、「声の大きさは人それぞれだから判断が難しいよね」と切り出す光一。それに対して「(ルールに対しては)ナチュラルでいいですよ」と剛も言葉を続ける。

そして「薔薇と太陽」を披露しようとするも、剛が「薔薇と太陽」というタイトルになぞらえて、曲名を「パンとバター」「マントヒヒ」「とてもじゃないけどそれは無理よと同僚が言った」「なんと19,800円」など、間に「と」を挟むという小ボケで畳み掛けていく。冒頭のプチ事件のおかげか、この日はいつも以上に笑いに走るふたりがいたように思う。しかし完璧に気持ちを切り替えたふたりによるパフォーマンスは圧巻で、瞬く間に妖艶な空気で会場を包み込んでいく。その後は間髪入れずに、「Anniversary」といった数々の名曲を惜し気もなく披露していく。「Anniversary」では、ふたりの手書きによる歌詩がモニターに映し出されていた。

《何気ない今日と云う日が/ボクらの記念日》

この会場にいる全ての人が、この一節を今日という一日に重ねていたに違いない。MCで笑い合った何気ない瞬間、曲を通じて心を通わせた瞬間、そのどれもが宝物だ。そして、そういったかけがえのない宝物を増やしながら、KinKi Kidsの未来が紡がれていくのだろう。そんなふうに期待で胸がいっぱいになるような、ドラマティックで愛おしい時間だった。

ラストを飾ったのは、山下達郎が作曲を手がけ、光一と剛がKinKi Kidsとして作詩を手がけた「Amazing Love」。

《君と僕の声が/僕と君の声が/ここから始まるよ/Our Love!》

祝祭感に満ち溢れたメロディに乗せて力強く歌うふたりの声に、先ほど「Anniversary」で感じた想いが確信に変わる。KinKi Kidsと我々の物語はまだまだこれから。25年は、あくまで通過点にすぎないのだろう。

なお、今回12月25日の公演開催でKinKi Kidsは自身の持つ東京ドームでの公演記録を64公演に伸ばし、記録を更新。また1994年より開催しているライブの総動員数が1000万人を超えた。
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