【ライブレポート】宮野真守「僕はエンターテイメントを諦めません」

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声優、俳優、そして歌手として活躍中の宮野真守が、12月4日、さいたまスーパーアリーナで<MAMORU MIYANO ARENA LIVE 2022〜ENTERTAINING!〜supported by JOYSOUND>の埼玉公演2日目を開催した。約5年ぶりのリリースとなった最新アルバム『THE ENTERTAINMENT』からの楽曲を中心に、アンコールを含む全17曲。それぞれの楽曲の世界観を全力でショーアップすると同時に、会場を埋めたファンひとりひとりとの心の距離感を大切にしながら最高の“エンタメ”を作り上げた。

◆ライブ写真

ライブのコンセプトを映像として楽しめるオープニングムービーが始まると、そこには波音を立てながら大海原を進んでいく豪華客船。今宵の舞台は、船内で繰り広げられる極上のエンターテイメントショーという設定だ。大きな花火が開幕を告げると、ステージに現れた宮野はド派手ながらも上品なセットアップで、4人のダンサーズも蝶ネクタイという装い。“乗船”したオーディエンスもドレスアップした気分でペンライトを揺らし、1曲目「THE ENTERTAINMENT」からライブはスタートした。メインステージと、アリーナのほぼ真ん中に位置するサブステージを使い、最新アルバム『THE ENTERTAINMENT』から5曲を続けて披露。音源では、もがきながらもここから飛び立つんだ、暗闇を切り裂くんだという孤独な決意を思わせるアレンジだった「光射す方へ」が、共に行こう!ひとりなんかじゃない!そんなニュアンスを伝える明度の高いコード感で仕上げられていたのが特に印象的だった。




ダンサーズとバンドメンバーを紹介するコーナーでは、ステージにいる宮野自身がスマホカメラを持ち、メンバーを至近距離で撮影。その模様がTikTokなどのSNSに終演後アップされるという演出も取り入れられていた。会場にいるとバンドメンバーが演奏している音しか聴こえないが、“マモカメラ”はステージ上でしか聴こえないメンバーとのやりとりなどもキャッチしていて、特別なライブ感を味わうことができるという仕組みだ。会場へ足を運んでくれたオーディエンスはもちろん、来場できなかったファンにもこのステージの空気がダイレクトに届く。どんな状況であっても、全員で<チームマモ>。そんな気持ちが伝わってくるような演出だった。



最後の1音まで丁寧に歌を届けたバラード3曲を歌った後は、恒例となっているスペシャル映像のコーナー。豪華声優陣も巻き込みながらの本格的なコントやひとりで何役もこなした海外ドラマ風シットコム、無声映画、ミュージカルなどに挑戦してきたこれまでの作品を振り返り、たどり着いた今回は「ある意味、集大成。ある意味、究極のエンターテイメント」(宮野、以下同)である漫才に挑戦。これまで何度も破壊力抜群の“笑”撃作で共演してきた俳優・髙木俊を相方に迎え、「豪華客船といえば、連想するのが殺人事件ね」という話の入り口から、一度は言ってみたいセリフというテーマでボケ倒していく。アドリブではなくオーソドックスな展開できっちりと笑いを取るという正攻法の漫才を披露し、オチがついたところで10曲目「行こう!」のイントロが華やかに鳴り響くという流れも素晴らしく、ライブはその高揚感のまま後半へと突入していった。



歌謡曲のムード全開の「行こう!」は、間奏のサックスソロをシンセの音色にすることで時代感を新たにし、色気も一体感も堪能したメドレーでは4曲が披露された。バンドサウンドを炸裂させたロックチューン「オルフェ」は、アウトロのギターソロが「EXCITING!」の印象的なギターリフへ。文字通りエキサイティングな熱を帯びたパフォーマンスと、宮野の地元でもあるここ埼玉の銘菓「十万石まんじゅう」のネタまで飛び出した個性的すぎるコール&レスポンスを全力で楽しんだ。


「全力で宮野真守のエンターテイメントを届けようと思ったら、みんなのポテンシャルを感じた(笑)。みんな本当にすごいと思う!みんなで一緒にこの楽しい空間を作っているんだなってことを再確認させてもらいました。心から感謝です!」

そんな風に切り出されたMCでは、「コロナ禍になり、何かを打ち出したいという自分の思いだけでなく、マモに会いたい、ライブが見たいというみんなの声が届いていたからこそ、どうしたらコネクトできるのかをとことん考えた。これまでも芸術やエンターテイメントは逆境の中で進化してきたように、今もサブスクやネット配信という新たな手法を取り入れながら進んでいる。足を止めなければ、諦めなければ、その時最大の楽しさは更新していける」と思いを伝える。そして「<ENTERTAINING!>ってド派手なタイトルだけど、手の込んだ仕掛けというより、宮野真守が身ひとつでどんなことを見せられるのかにチャレンジしようと思った。今日この場に立って、自分の目指したものは間違いじゃなかったんだということをみんなの笑顔が証明してくれた」と感謝の気持ちを伝えると、会場からは包み込むようなあたたかい拍手が沸き起こった。


「僕はエンターテイメントを諦めません。これからもたくさん考えて、その時その時のスペシャルを考えていくのでこれからもついて来てください!」

力強い言葉に続いて披露された本編ラストの曲は「TEAM」。今回のライブツアーもお客さんは声が出せないということが決まってから作られた曲で、一緒に歌えなくてもみんなの声はすでにここにあるんだよ、みんなの思いをここに乗せてほしいという思いを合唱曲という形に落とし込んだ1曲だ。レコーディング同様、この日もバンドメンバー、ダンサーズ、そして舞台袖にいるたくさんのスタッフもコーラスとして参加。ファンも含めた全員、チームマモの思いをひとつにして披露された。


アンコールの1曲目「Kiss×Kiss」では久しぶりにトロッコの演出も組み込まれ、シャボン玉とたくさんのキスが降り注ぐアリーナをゆっくりと一周。MCでは、映像で披露した漫才についてや次回作の告知に加え、ダンサーFUMI&HIDEによる埼玉トークや客席を往復するビッグウエーブなどを楽しんだ。


「宮野のエンタメが、みなさんの道標になれるようにこれからも進んでいきたいと思います」

そう紹介されたラストの曲は、「MILESTONE」。去年の10月にぴあアリーナMMで開催された「MAMORU MIYANO COMEBACK LIVE 2021〜RELIVING!〜」では1曲目に披露されていたが、約2年ぶりのライブ、そして曲に込められたメッセージを思うとお互いに込み上げるものがあったあの曲を、今回は安心感と充実感に包まれながら受け取ることが出来たような気がした。「目の前にある景色は 夢じゃないよね」──問いかけではなく、事実であることを確かめ合うかのように響く歌詞の一節が胸に残るエンディングだった。


取材・文:山田邦子
撮影:山内洋枝(PROGRESS-M)、青木早霞(PROGRESS-M)

セットリスト<MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2022 〜ENTERTAINING!〜>

2022年12月4日 さいたまスーパーアリーナ公演

1. THE ENTERTAINMENT
2. 光射す方へ
3. Butterfly
4. ZERO to INFINITY
5. LAST DANCE
6. EVERLASTING
7. 透明
8. Never Friends
9. そっと溶けてゆくように
10. 行こう!
11. メドレー(Dream on〜Beautiful Night〜Question〜HELLO!)
12. ジャーニー
13. オルフェ
14. EXCITING!
15. TEAM
EN1. Kiss×Kiss
EN2. MILESTONE

■ライブ特設サイト
https://tix.to/MM_ENTERTAINING
https://miyanomamoru.com/live/entertaining/

宮野真守7th Album 『THE ENTERTAINMENT』

2022年11月2日(水)発売

■楽曲配信リンク
https://lnk.to/MM_7thALBUM

■初回限定盤(CD+Blu-ray)
価格¥4,620(税抜価格¥4,200)(KICS-94084)
フォトブック封入&スペシャルケース仕様

■初回限定盤(CD+DVD)
価格¥4,620(税抜価格¥4,200)(KICS-94085)
フォトブック封入&スペシャルケース仕様

■通常盤(CD)
価格¥3,300(税抜価格¥3,000)(KICS-4084)

【収録内容】
CD
01 THE ENTERTAINMENT
作詞・作曲・編曲:sty
★新曲/アルバムリード曲

02 ZERO to INFINITY
作詞:宮野真守
作曲:Erde, Daniel Durn, Katrine“Neya”Klith
編曲:Erde
★YouTube配信作品『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』主題歌

03 Dream on
作詞・作曲・編曲:sty
★TVアニメ「うらみちお兄さん」エンディングテーマ

04 Butterfly
作詞・作曲・編曲:SHOW
★新曲

05 ジャーニー
作詞:宮野真守
作曲:上松範康(Elements Garden)
編曲:藤田淳平(Elements Garden)
★スペシャルTVアニメ 「うたの☆プリンスさまっ♪
マジLOVEスターリッシュツアーズ 〜旅の始まり〜」メインテーマ

06 LAST DANCE
作詞:由潮
作曲・編曲:Jin Nakamura
★TVアニメ「虚構推理」エンディングテーマ

07. 行こう!
作詞:森雪之丞
作曲:岡崎司
編曲:佐々木博史
★新曲

08. 光射す方へ (Album ver.)
作詞:宮野真守
作曲・編曲:Jin Nakamura
★TVアニメ「あひるの空」第3弾エンディングテーマ

09. EVERLASTING
作詞:ucio/RyoRca
作曲:SiZK/Stephen McNair
編曲:SiZK
★スマートフォンゲーム『鋼の錬金術師 MOBILE』主題歌

10. 透明 with overture
作詞:坂本真綾
作曲・編曲:Jin Nakamura
★「劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 後編 Paladin; Agateram」主題歌

11. アンコール
作詞:宮野真守/上松範康(Elements Garden)
作曲:上松範康(Elements Garden)
編曲:藤間 仁(Elements Garden)
★「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」主題歌

12. TEAM
作詞:宮野真守
作曲・編曲:TSUGE
★新曲

■Blu-ray/DVD
アンコール (Music Video)
LAST DANCE (Music Video)
光射す方へ (Music Video)
ZERO to INFINITY (Music Video)
透明 (Music Video)
Dream on (Music Video)
EVERLASTING (Music Video)
THE ENTERTAINMENT (Music Video)
MAKING

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