【ライブレポート】BREAKERZ、ツアー<LIKE A CRYSTAL>最終日「“W W W”=ワイワイワーイでいきましょう!」
7ヵ所を廻ったBREAKERZの久しぶりの全国ツアー<BREAKERZ LIVE TOUR 2022 -LIKE A CRYSTAL->が9月30日に東京・渋谷WWW Xでファイナルを迎えた。スタンディングのライブハウスに集まったファンと至近距離で一体になり、熱い想いを交わし合ったこの日の模様をお伝えしよう。
◆BREAKERZ 画像
7月にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で15周年のアニバーサリーライブ<BREAKERZ XⅤ -Crystal->を開催したのは記憶に新しいところだが、この日の彼らは渋公とはまた違う新しい衣装でステージに登場した。ペンライトの光が揺れる中、幕開けはドラマの主題歌としてもオンエア中の15周年記念ソング「LIKE A CRYSTAL」。歩んできた過去を振り返り、現在地点から放たれるメッセージが会場を包みこむ。そこから一転、イントロでDAIGOが「跳べ!」と煽って、エナジー爆発の「BIG BANG!」を投下するとフロアもはじけたようにジャンプ。たちまち熱気が会場に溢れていく。
「BREAKERZ、15周年を迎えて、この月日の中でいろいろな曲を発表してきました。今日はそのいろいろな曲をみんなに楽しんでもらおうと思います。声は出せないけど、“W W W”でいきましょう! “ワイワイワーイ!!”」──DAIGO
DAI語で沸かせ、拳が上がる中、開放感たっぷりの「SUMMER PARTY」へ。DAIGOが「心の声で歌って!」と叫び、間奏ではお立ち台で熱いソロを弾くAKIHIDEの肩に手をかけ、きわどい接近戦にAKIHIDEは照れくさそうな表情。混ぜてほしいと言わんばかりにそばに寄ってギターを弾くSHINPEIに気づいたDAIGOがマイクを向ける3人の空気感も、生ならでは。女性目線の初期の恋愛ソング2連発も刺激的だった。SHINPEIのエッジーなギターリフが小気味いい「FAKE LOVE」ではDAIGOがステージにしゃがみこんでファンと目線を合わせて歌い、激しさと甘さが交錯する世界観で魅了。ムーディな歌謡メロディのシャッフルナンバー「SECRET GIRL」ではAKIHIDEも上手で腰を落としてギターを弾き、ライブハウスだからこそ映えるパフォーマンスを披露した。そこから振りつけも楽しい悩殺ダンスナンバーに突入する流れで、AKIHIDEのエキゾティックなギターソロなど視覚的にも聴覚的にも心躍るセクシーゾーンだ。
「みんなのおかげでめちゃくちゃ楽しい時間を過ごせてます。こういうご時世ですけど、来てくれてどうもありがとう!」──DAIGO
メンバー紹介ではBREAKERZを支え続けてきたサポートのリズムセクションであるMAKOTO(Dr)とMatsu(B)が最初に紹介され、「15年の感謝を全部、ここからぶつけたいと思います」とMAKOTOが挨拶するとDAIGOが「かわいい」と笑顔。Matsuは新型コロナウイルス感染のためLINE CUBE SHIBUYAに出演できなかったことを謝罪。「誠にMAKOTOも含めて申し訳ありませんでした!」と頭を下げた。そんなMatsuに「ご時世的にしかたない」「謝るのやめようよ(笑)」とフォローしながら「大事なライブだった」「確かにあの時は大変だった(笑)」と笑わせるDAIGOとのやりとりからも長年の信頼関係が伝わってきた。
そしてSHINPEIは「今日は最終日。泣いても笑っても最後だよ。暴れる準備できてますか? 何も考えないでその目でその耳で筋肉で楽しんでいってくれ!」と煽り、全国で土地土地のベスト1を調べて発表していたAKIHIDEは東京は人口自体が多いため、あえてのワースト3を発表。人口が多いのに日帰り温泉の数が日本一少ないことが納得できないらしく、「みなさんも心が冷えきっていると思う。だから、BREAKERZでとことん、温まってもらって熱くなって帰ってもらえるライブにしたいと思います!」とジョークを混じえて宣言。DAIGOは久しぶりのツアーが実現できたことについて「最高に幸せな9月でした」と感謝し、「この15年でいろいろな曲を発表してきました。大事な曲ばかりですが。メモリアルなタイミングの曲もいくつかあって、10周年の時に作った曲です」と次の曲に繋げた。
生きている限り、夢は終わらないというテーマのハートウォーミングなナンバー「夢物語」を届け、「LAST EMOTION」を熱唱。アニバーサリーライブとはまったく違うセットリスト。初期の曲も多く盛り込まれているのが嬉しい。ここでDAIGOは一旦ステージからはけ、セッションタイムのインストではAKIHIDEとSHINPEIによるギタープレイの個性がより浮き彫りに。全員のソロがフィーチャリングされる構成でもあった。そしてレオパード柄のジャケットにサングラスをかけたDAIGOが再び登場し、投下されたのはソロ活動を挟んで再始動から間もなく発表されたアルバム『0-ZERO』からのアグレッシブなナンバー「Ø-ZERO-」だ。赤く染まる照明の中、マイクスタンドを高く掲げ、ボーカルスタイルもガラリと変えて、場内をグイグイ引っ張っていき、さらにスピードを加速させるように「WE GO」を放つ。硬派なBREAKERZを叩きつけた後はDAIGOがサングラスをはずして笑顔になり、ポップチューン「LOVE STAGE」を披露。このギャップ、温度感の違いをも味方につけてしまうのが15周年のBREAKERZだ。“君がくれた笑顔があった”という歌詞でAKIHIDEに近寄って笑い、“君がくれた思い出がある”という歌詞でSHINPEIと絡む。DAIGOは指にグッズのジュエルリングをつけ、客席にもジュエルリングライトがキラキラと揺れている。
ライブは後半戦へ。アニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマとして2021年にリリースされた「SWEET MOONLIGHT」、DAIGOがステージを走りまわり、AKIHIDEとSHINPEIが向かい合ってツインリードを響かせた「絶対! I LOVE YOU」。特に凄まじかったのはDAIGOが髪が乱れるのも気にせずに全ての力を注いで歌った本編最後の2曲「NO SEX NO LIFE」と「DESTROY CRASHER」だった。目には攻撃的な光が宿り、メンバーも客席もヘドバンで一体に。気迫溢れるボーカルと演奏は理性が吹き飛ぶ激しさで、文字通り完全燃焼で本編を締めくくった。
鳴り止まない拍手がやがてアンコールのハンドクラップに変わり、ツアーTシャツに着替えたメンバーが登場した。「みんな、アンコールの手拍子どうもありがとう! みんなのおかげで無茶苦茶熱いライブになってます。配信を見てくれてるみんなもどうもありがとうございます」とDAIGOが手を振り、本ツアー恒例のレア曲コーナーに突入。これまでライブでほとんど演奏されなかった曲を抽選BOXの中に手を入れて、選んだ紙に書かれた曲を演奏する企画なのだが、ファイナルでプレイされた曲はSHINPEIが「すごいのきましたね」と漏らし、DAIGOが「ウソでしょ? 完全なレア曲です」と定義づけた「devil or angel?」。シングル「夢物語」のカップリングに収録されていた曲だが、実は1stアルバム『BREAKERZ』に収録する予定だったというまさにレアなナンバーだ(10周年ライブで初披露)。
そして、ファイナルということで今回のツアー総括についてDAIGOに振られたSHINPEIは、全国で待ってくれるみんなに会えたことが最高だったと感謝。台風の中、尽力してくれたスタッフにも感謝しつつ、メンバーに対して驚いたというエピソードについて触れた。
「メンバーが毎回毎回、同じ曲でもやってくることが違うんですよ。“こんな音、出す?”とか“そんな眼差しで俺のこと見てくれる?”って(笑)。15周年を迎えて落ち着いてもいい感じかなと思ったら、ギンギンにくるわけ。そんなことされたら俺も負けてられないってなるよね。見ているみんなもマスクしてても“そんな喜び方してくれるの?”ってわかる。BREAKERZの血潮たるやギンギンでこれからがスタートみたいなバンドですから、みんな、安心してこれからも一緒に歩いていきましょう」──SHINPEI
全国ツアーを無事に終えられること、足を運んでくれた人に感謝の想いを伝えたAKIHIDEは、コロナ禍の中で感じたことについて話した。
「ライブも少しずつ前の感じに戻ってきているのかもしれないですけど、そういうことを経たからこそ僕はもう、マスクがあってもディスタンスを考えないといけない現状があったとしても、前の形ではない最高のライブが出来てるんじゃないかと今回思ったし、配信で遠かったり、事情がある方とも繋がれる。こうやって乗り越えてきたから、この先も乗り越えていけるんじゃないかなと思います」──AKIHIDE
DAIGOもAKIHIDEと同じくツアーを完走できる感謝を伝えた。
「ここに来てくれたみんなと、この時間をハッピーに過ごすことによって、元気を交換しあって。次の瞬間、前に進んで行けるような、そんな時間を過ごしていきたいのは15年、変わらない想いです。みんなが盛り上がって幸せそうな顔をしてくれることによって俺たちもホントに勇気もらって、明日からも頑張ろうと心から思えます」──DAIGO
これからもみんなと憧れや夢を一緒に追い続けていきたいという言葉の後に演奏されたのはGLAYへのリスペクト、少年時代の大切な思い出を込めた「GREAT AMBITIOUS」だ。心が晴れ渡るような旋律、空気が会場を満たして行き、DAIGOがマイクから離して地声で歌う場面もあった。想いがどんどん溢れ出していく。そんなふうに映った。
「人生にはいろんなことがあると思います。楽しいこともあるけど、どうしようもないうまくいかないことがあったり、良からぬことを考えてしまったり。でも、そういう中で、ちょっとしたキッカケで前向きになったり、頑張っていこうと思ったり。俺たちのライブがそうあるよう心を込めて演奏して歌っていきたいと思います。最後に聴いてもらいたいのは、そんな想いが込められている曲です。俺たちBREAKERZがデビューして初めて世の中に発表した曲です」──DAIGO
ラストソングは「THE TRAIN’S GONE...」。エモーショナルな演奏に身を委ねるようにして、時おり目を閉じて歌うDAIGOの胸にはさまざまな想いが巡っているように見えた。“僕らは 死ぬ勇気があれば生きていける”と歌い、全ての力を放出するように熱唱したDAIGOはこの曲を歌い終わっても、しばらくその場から動かなかった。
AKIHIDEはコロナ禍で音楽をすることによって得たものを語ったが、この困難な時代がなかったら、今回のツアーのBREAKERZはなかっただろうと感じた。これからもきっとBREAKERZは初心と衝動と愛を刻みながら音楽を奏で続けていく。その信念が言葉を超えて伝わる最高の15周年ツアーファイナルだった。
取材・文◎山本弘子
撮影◎MASA
■<BREAKERZ LIVE TOUR 2022 -LIKE A CRYSTAL->9月30日(金)@東京・渋谷WWW X セットリスト
02. BIG BANG!
03. Everlasting Luv
04. SUMMER PARTY
05. FAKE LOVE
06. SECRET GIRL
07. LOVE FIGHTER〜恋のバトル〜
08. 夢物語
09. LAST EMOTION
〜インスト〜
10. Ø-ZERO-
11. WE GO
12. LOVE STAGE
13. SWEET MOONLIGHT
14. 絶対! I LOVE YOU
15. NO SEX NO LIFE
16. DESTROY CRASHER
encore
en1. devil or angel?
en2. GREAT AMBITIOUS
en3. THE TRAIN’S GONE…
■アーカイブ配信<BREAKERZ LIVE TOUR 2022 -LIKE A CRYSTAL->
アーカイブ配信:10月7日(金)23:59まで
▼視聴チケット
¥4,000(税込)
配信サービス:PIA LIVE STREAM
販売期間:10月7日(金)20:59まで
https://w.pia.jp/t/breakerz-pls/
■<ROCK BONDZ -WANDS × BREAKERZ->
12月06日(火) 東京・Zepp Haneda (TOKYO)
open17:30 / start18:30
(問)H.I.P. 03-3475-9999
12月13日(火) 大阪・Zepp Osaka Bayside
open17:30 / start18:30
(問)サウンドクリエーター 06-6357-4400
▼チケット
1Fスタンディング/2F指定席 9,000円(税込)
※未就学児入場不可/小学生以上はチケットが必要となります。
※入場時ドリンク代別途必要。
※1Fスタンディングは整理番号順の入場になります。
一般発売:2022年11月5日(土)10:00〜
【ローソンチケットプレリクエスト先行(抽選)】
受付期間:2022年10月3日(月)10:00 ~ 2022年10月12日(水)23:59
https://l-tike.com/wands-breakerz/
■<BREAKERZ X’mas Show 2022>
・1st:open17:00 / start18:00
・2nd:open19:45 / start20:30
▼Support Member
砂山淳一(B)
KAZU(Dr, Per)
滝本成吾(Key)
▼チケット
全席指定 ¥15,000(税込)
※X’masスペシャルプレゼント付き(写真付きオリジナルフォトフレーム)
※未就学児童(小学生未満)の入場不可。
※小学生以上18歳未満のお客様は保護者同伴の上ご入場可。
※料金にご飲食代は含まれておりません。
※席種によっては別途シートチャージがかかります。
一般販売:2022年10月23日(日)12:00~
【ファンクラブ先行受付】
受付期間:2022年9月30日(金)21:00~2022年10月10日(月祝)23:59
※2022年9月30日(金)までにファンクラブに新規入会・継続・遅れ継続のお手続き(お支払い)が完了している方が対象となります。9月30日(金)までにお手続きをされた方は10月5日(水)より受付が可能になります。
https://breakerz-web.net/t-brz/
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