【速レポ】<中津川ソーラー>DAY3、chilldspot、ロック・ジャズ・R&B…多彩な要素と高いポテンシャルを発揮

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「こんな素敵な天気、素敵な気温、素敵な会場、素敵な皆さん、素敵な……私たちで(笑)ライヴができてとっても嬉しいです」と比喩根(Vo、G)が話すほど、いいムードでいよいよ最終日となった<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2022>のRESPECT STAGEを包み込んでくれたのがchilldspot。メンバー全員が2002年生まれ、高校在学中から注目を集め、今夏は<SUMMER SONIC>をはじめとした各地のフェスにも出演を果たし、ネクストブレイクというより、バンドとして大いなる存在感を示している。

◆chilldspot 画像

注目度も高い中、まずは台湾のシンガーLINIONとのコラボ曲でも「music」を中津川の空気を目一杯吸い込みながら自由にプレイ。低音も響くR&B調なサウンドに鋭いメロディーがマッチし、玲山(G)が奏でるフレーズが加える彩りも麗しく、より豊かな音色として響き渡っていく。



会場からクラップが起こり、詰め込まないアレンジの為、そのクラップが楽器のひとつのようにもなった「line」から歌が際立つミドルナンバー「yours」へ。ファルセットからこぶしを回すような歌いまわしまで自在に表現する比喩根。緊張した様子も探るような素振りもない。

「ネオンを消して」をゆっくり小説を1ページずつめくるようなニュアンスで艷やかにしっとりと届けた後、ダンサブルな「未定」へナチュラルに移行していったのだが、ここに彼女たちのポテンシャルの高さが表れていたであろう。スイッチを切り替えるというより、自然体で違和感なく流れ込む。1曲の中にロック、ジャズ、R&Bといった多彩な要素が組み込まれているからに他ならない。






そして、玲山がジャスティン(Dr)のすぐ横へ移動し、比喩根は背伸びをして、よしいくぞという気合いが感じ取れたのが「Groovynight」。玲山のリフに比喩根が楽しそうにノッたり、メンバー同士が音で会話をしつつ、後半にスリリングなアンサンブルを披露。小﨑(B)も重心を落としてベースを奏で、比喩根の歌声も強度を増す。少しトーンを落とし、深く潜るようなプレイが印象的だった「Kiss me before I rise」でも感じたが、ステージの立ち位置はいわゆる4ピースバンドのスタンダードなスタイルでありつつも比喩根が少し上手側に位置している為、4人のプレイがしっかり観れるのもオーディエンスからもより興奮を誘うポイントだった。



ラストは盛り上がっていきましょうと、まずはラップ調に歌いつつ、サビでは言葉の詰め方が独特な「your trip」。キラキラしたキャッチーなギターリフもあり、爽やかだけど、サラリと聴き逃せず、クセになる1曲だ。そこから比喩根が両手を広げて“私今大声で歌ってるの”と歌詞と今のシチュエーションを重ねて歌ったのも可愛らしかった「BYE BYE」で爽快に終わらせるのかと思いきや、90年代UKロックの匂いもする導入からグランジ的ザラつきがクロスオーバーした「Like?」を締めくくりとしてセレクト。「皆さんにより近づけるように」と比喩根がハンドマイクを持ち、しゃがみこんだり、足を蹴り上げたり、飛び跳ねたりしながら熱く歌っていく。連動するように玲山、小﨑、ジャスティンものめり込んで音を鳴らし、楽しさだけじゃない、バンドとしての凄みと深さを見せつけてくれた。


取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎古川喜隆

【RESPECT STAGE】セットリスト

1. music
2. line
3. yours
4. ネオンを消して
5. 未定
6. Groovynight
7. Kiss me before I rise
8. your trip
9. BYE BYE
10. Like?

■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>

日程:2022年9月23日(金・祝) 、24日(土)、25日(日)
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ

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