【インタビュー】G-FREAK FACTORY、茂木洋晃が語る「Dandy Lion」の儚さと逞しさ「立ち会っていく音楽でありたい」

ポスト

■いかに俺がライブに救われていたかって
■コロナで気付いちゃったんですよ

──あと今回のシングルには、豪華な映像作品付きの初回限定盤もあります。お高いんでしょ?と思ったら、税抜で¥1,600!

茂木:ジャパネットばりの言い方で(笑)。まだツアー中にも関わらず、<“VINTAGE” TOUR 2021-Final->のライブ映像がもう入っているという。


──さらに<京都大作戦2022〜今年こそ全フェス開祭!〜>から4曲も入っています。今回の<京都大作戦>はいかがでした?

茂木:ステージの大小、<京都大作戦>で言えば“源氏ノ舞台”と“牛若ノ舞台”がありますよね。いままで、ステージに対するわがままを言ったことがなかったんですけど、数年前だったかな、10-FEETのメンバーと所属事務所にメールを送ったんです。それは、「源氏ノ舞台に一回立たせてほしい。そのあとで牛若ノ舞台に戻りたい」っていう内容で。

──それはどうしてでしょう。

茂木:2008年(<京都大作戦 2008 -去年は台風でごめんな祭->)に源氏ノ舞台に立たせてもらって、<京都大作戦>の初陣ですよね。その翌年2009年の<京都大作戦>も源氏ノ舞台に誘っていただいたんですけど、俺たち、それを断っているんですよ。「去年と同じことしかできないから。それだったら、若いバンドやまだ出演してない人たちを誘ったほうがいいんじゃないか」と本音で話をして。それ以降も源氏ノ舞台に誘ってもらえるような規模のバンドじゃなかったし、ステージではなくて客席で遊ばせてもらってた。だけど、牛若ノ舞台から始めませんかって、再び出させてもらって。

──2013年でしたね。

茂木:それから牛若ノ舞台でトリも何度かつとめさせてもらって、ようやく源氏ノ舞台に戻るぞと。ところがコロナ禍の影響で中止や延期になってしまった。<京都大作戦>は、とにかく最初から最後まで上手くいったという年はないかもしれないですよね(笑)。豪雨や雷などの天災や疫病、突然電源が落ちたり、なにかが邪魔してくる。でも、それが<京都大作戦>のドラマになる。バンド力だったりフェス力だったりが、ネガティヴな要素をおいしくしていけちゃう。それは<京都大作戦>を愛する人たちの民度の高さだと思うんです。お客さんも出演者もトラブルに柔軟に対応して、楽しさに変換できる。僕らは源氏ノ舞台じゃなきゃ誘われないバンドにはなりたくないんですよ。だから、さっき話したようなメールを送ったし、どのステージでもいいから誘ってくれよって。

──そういう経緯があったんですね。「牛若から始まった第二章、10年掛かってます」という言葉もあったのが、2022年の源氏ノ舞台のステージでした。

茂木:前日に、“あの源氏ノ舞台に立ったときの景色ってどうなんだろうな”って、過去のことをすごく思い返していたんですよ。そして当日ステージに立ったんですけど、ライブが始まって3曲ぐらいは、歌いなれている曲のはずなのに気持ちはフワフワで(笑)。<京都大作戦>の源氏ノ舞台に自分をアジャストしていこうとすればするほど、心ここにあらずみたいな。どんどん離れて、浮ついたまま掴めないっていう。久々にそういうのを感じましたね。やっぱり仲間がやっているフェスだからなおさら、10-FEETの顔に泥を塗らないようにっていう想い、俺らに源氏ノ舞台をくれた10-FEETの心意気に対して、あいつらの気持ちを証明しないとっていう責任感と、あと楽しもうっていう。その全部が入り混じって。でもすごく良かったですね。……そんな<京都大作戦 2022>の模様が入っていると。それでお値段が(笑)?

──税抜価格¥1,600です。採算が合わない価格設定なんですが、G-FREAK FACTORYを聴いて、観て、触れてほしいですね。染みるし、包まれるし、勝手に涙が流れてしまうし。

茂木:ありがとうございます。


──さて、この後は<“VINTAGE” TOUR 2022-REVENGE->の続きがあって、そのまま今度は10月1日から<“Dandy Lion” TOUR 2022>が始まって、あいだに結成25周年記念ワンマン公演となる日比谷野外大音楽堂ワンマンを挟みつつ、12月3日には高崎芸術劇場でG-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭>を開催、その翌日に<“Dandy Lion” TOUR 2022>ファイナル公演を迎えると。怒涛のライブ展開ですね。

茂木:そうです(笑)。今年はガムシャラなのか分からないんですけど、25年の中で一番やってると思います。個人でやっていることも含めて、一番音楽をやっている、このコロナ禍のなかで。3月とか4月とか、10日間でライブ7本とかありましたからね。

──移動もあるから、時間的にも体力的にもきついでしょ。

茂木:もう毎朝後悔するんですよ、なんでこんなことやっちゃってるんだろって(笑)。でも、“なんでもっと早くこういうことやっていなかったかな”って思うんです。音楽に向かっているときは、精神状態が健康ですから。ふと時間ができちゃうと、途端に不安が襲って来たりするんです。それを握りつぶすかのように今、音楽の現場があるので。音楽に向かっていると落ち着きますよ、やっぱり。あっという間に時間が過ぎていくし、夢中になれる。ある意味バカになれている。ライブがなくなったことによって、いかに俺がライブに救われていたかっていうことを、コロナで気付いちゃったんですよ。だからライブが楽しい。ぼんやりとだけどコロナ禍から明けていくであろう今に、立ち会っていたいなって思うんです。明日明後日で答えがでることじゃないけど、明けてから始まる音楽じゃなくて、立ち会っていく音楽でありたいから。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎佐藤哲郎


■シングル「Dandy Lion」

2022年9月14日(水)発売
配信リンク:https://lnk.to/G-FREAK_FACTORY
【初回限定盤 (CD+DVD)】BDSS-0055 ¥1,760 (税抜価格¥1,600)
▼CD収録曲
1. Dandy Lion
2. STAY ON YOU
3. 唄種
▼初回限定盤DVD収録映像
※2021年6月26日Zepp DiverCity(TOKYO)にて開催された<G-FREAK FACTORY “VINTAGE” TOUR 2021-Final->より
1. BE ALL AROUND
2. SO LONG
3. 乞え-KOE-
4. 呉々も日の暮れと
※2022年7月3日<京都大作戦2022 〜今年こそ全フェス開祭!〜>より
1. アンテナラスト feat.TAKUMA(from 10-FEET)
2. Fire
3. Too oLD To KNoW
4. ダディ・ダーリン
【通常盤 (CD)】BDSS-0056 ¥1,100 (税抜価格¥1,000)
▼CD収録曲
1. Dandy Lion
2. STAY ON YOU
3. 唄種



<G-FREAK FACTORY “Dandy Lion” TOUR 2022>

10月01日(土) 岩手・KLUB COUNTER ACTION宮古
10月02日(日) 岩手・KESEN ROCK FREAKS
10月08日(土) 愛知・DIAMOND HALL
10月09日(日) 福井・福井CHOP
10月14日(金) 長野・NAGANO CLUB JUNK BOX
10月30日(日) 北海道・苫小牧ELLCUBE
11月04日(金) 福岡・FUKUOKA BEAT STATION
11月05日(土) 広島・SIX ONE Live STAR
11月19日(土) 京都・KYOTO MUSE
11月20日(日) 大阪・umeda TRAD
11月23日(水・祝) 石川・金沢AZ
11月26日(土) 新潟・新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
11月27日(日) 宮城・Rensa
12月04日(日) 群馬・高崎芸術劇場 大劇場 ※ツアーファイナル
▼チケット
前売り¥3,800 (税込 / ドリンク別) ※全会場
発売:2022年8月27日(土)10:00〜
※ツアーファイナル:前売り¥4,300 (税込) ※指定席

■<G-FREAK FACTORY 25th ANNIVERSARY ONE MAN LIVE>

2022年10月23日(日) 東京・日比谷野外大音楽堂
open17:15 / start18:00
▼チケット
前売り¥4,300 (税込) ※指定席
一般発売:2022年7月10日(日)10:00〜
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00~15:00)

■<山人音楽祭2022>

2022年12月3日(土) 群馬・高崎芸術劇場 大劇場 / スタジオシアター
open15:00 / start16:00
出演者:G-FREAK FACTORY / どんぐりず / BRAHMAN / and more
MC:NAIKA MC
▼チケット
大劇場:指定席 ¥7,000(税込)
スタジオシアター:全自由 ※大劇場のチケットをお持ちの方のみ入場可能
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
https://info.diskgarage.com



◆インタビュー【2】へ戻る
◆インタビュー【1】へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報