【速レポ】<JOIN ALIVE 2022>the dadadadys、NEO WALTZ席巻のスペシャル・セッション「今年最後の夏を最高の夏にしよう!」
「JOIN ALIVE――――! 酔っ払って抱いた女の体温は36.4度!!!」。ボーカルの小池貞利(Vo,G)がこう叫ぶと、<JOIN ALIVE>初日のNEO WALTZステージを締めくくるthe dadadadysのライブが始まった。
◆the dadadadys ライブ写真
……いや、まだ始まっていない。これはフェス特有の、次のバンドのサウンドをPAが調整するサウンド・チェックでの出来事だ。しかしバンドは既に本気モード。the dadadadysの前身である、teto時代の「36.4」をワンコーラス演奏すると、立て続けに同じく「拝啓」を歌い始め、小池はマイクスタンドを倒すほどの勢いでところ狭しとステージを動き回る。そして、「今年最後の夏を最高の夏にしよう」と叫ぶと、圧倒的なパフォーマンスと轟音のバンド・サウンドに「えっ、もう始まったの!?」と言わんばかりにみるみるステージの前に観客が集まってきた。
そしてそのまま、山岡錬(G)がギターのフィードバック・サウンドを爆音で鳴らすと、そのパワーを増強させるかのようにyucco(Dr)がラウドなビートを刻み始め、そこに佐藤健一郎(B)のベース、さらにはサポート・ギタリストが加わり「超々超絶絶頂絶好最高潮」へとなだれ込んでいく。ここからが、正真正銘のthe dadadadysステージのスタートだ。そのセットリストは、「ROSSOMAN」「しぇけなべいべー」「青二才」「PUXXY WOMAN」「恋」と、今年春にリリースした1stミニ・アルバムを中心としたものであり、まさに“今”のthe dadadadysを体感させてくれる内容であり、のっけから小池の傍若無人ともいえるステージングが炸裂する。
しかし、勘違いしてはいけない。ただ好き勝手に暴れているのとは訳が違う。心の叫びと衝動が聴き手に痛いほどに伝わってくるからこそ、観客を置いてけぼりにせず、むしろ聴き手の感情をも荒ぶらせてくれるのだ。それは、曲が進むにつれて少しずつ増えていった観客(例えば、たまたま通りがかった観客が何人も足を止め、そのままステージ前に集まってきた光景)が何よりも説得力のある証拠だと言えよう。
そしてもうひとつ大事なことが、バンド・メンバーの演奏力の高さだ。個々のプレイやサウンドメイクにきらりと光るものがあるだけでなく、ロック・バンドに不可欠なオーラが40分ほどの短いステージでも十分に見て取れた(その様は、中盤に小池が「今日からthe dadadadys名物にします!」と言って始まった“スペシャル即興セッション”で存分に味わえた)。このバンド・サウンドだからこそ、小池は自身の感情を爆発させられ、そして小池の歌があるからこそ、バンドはエモーショナルなプレイを存分にかき鳴らすことができる。
そんな両者の激しいぶつかり合いは、曲が進むにつれて次第と美しさへと変わっていく。その変貌をまるで印象深く演出するかのように、強い夕陽が照り付ける中で「9月になること」、そして再び「今年最後の夏を最高の夏にしよう!」と小池が叫んで「Pain Pain Pain」が歌われると、そのエンディングで「ありがとう。これで夏のライブも今日で最後、北海道で終われてよかった、また遊ぼう!」と語り、完全にNEO WALTZを自分たちのものとしたthe dadadadysの熱いライブが締めくくられた。
取材・文◎布施雄一郎
撮影◎石井亜希
<JOIN ALIVE 2022>
時間:開場 9:00 / 開演 11:00 / 終演 20:30予定 ※雨天決行
会場:北海道・いわみざわ公園〈野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地〉(北海道岩見沢市志文町794番地)
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