【インタビュー】MADKID、2ndアルバム『BOUNDARY』は「“境界線”を越えて挑戦する僕らが表現されている」

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■ここ最近アニソンで急激にラップが受け入られている

── ちょっと話が逸れますが、自分の声質より高いキーを歌う場合、どんな準備をするんですか?

LIN:筋肉の使い方とかもあるんですけど、準備というよりは気合いっすね(笑)。

── どういうことですか?

YOU-TA:とにかくライブで歌うしかない。僕らはライブでダンスもするから、声帯をニュートラルに保つのが難しいんです。そういう厳しい環境で何度も何度も歌っていると徐々に難しいキーも歌えるようになります。練習は練習でしかなくて、本番は緊張するし。そういう状況に慣れて、冷静になることも大事ですね。

KAƵUKI:だから僕らも出せるキーが毎年半音ずつ上がってるんです。

SHIN:ライブ活動の賜物だよね。

── なるほど。では「Bring Back」の歌詞についての質問ですが、アニメのOP曲の作詞は作品に寄り添いながら、グループの個性も出さなくてはいけないのでかなり難しいと聞きました。今回はいかがでしたか?

LIN:これは「FAITH」(『盾 Season 1』第2クール OP曲)にも言えるんですが、『盾』シリーズのストーリーはMADKIDの活動に重なる部分がすごくあって。僕らはずっと逆風の中で成り上がるために戦ってるし。もちろん事前にプロットをいただいてしっかり読みこんだ上で書きましたが、作品とMADKIDがリンクした歌詞を割と自然に書けたと思います。

── 本格的なラップパートも印象的でした。

YUKI:ちょっと前まではアニソンというと、カラオケで歌える感じのほうが一般的だったんですよ。でもここ最近急激にラップが受け入られている感覚があって。だから今回は自分ができることを詰め込みました。アルバムのリード曲「Fight It Out」の“俺くらいヤレるなら 掛かってきな”ってラインは、「Bring Back」をがっつりやりきれたことがデカかったですね。

── 今話題に挙がった「Fight It Out」は、2022年版にアップデートしたニューメタルのような楽曲ですね。

LIN:みんなから「Never going back」(1stシングル収録曲)みたいな曲が欲しいと言われたんです。今の自分だったらどういうふうになるかなって思って作りました。リリックに関しては、「RISE」や「Bring Back」の流れを汲んで「戦い」をテーマにしてます。


── 今回のアルバムにはいろんな表情の曲がありますよね。でも散らかった感じはしなかった。それはつまりMADKIDがグループとしての芯が確立されているからだと感じます。アルバム収録曲に関しては、どうやって制作していったんですか?

LIN:毎回テーマを決めて1曲ずつ作ってます。サウンド感に関しては、2019年に『REBOOT』で再スタートする時、MADKIDの軸を「ダンスミュージックとバンドサウンドの融合」にしようとみんなで決めたんです。「Fight It Out」に2022年のニューメタルを感じていただいたのは、そのへんが関係してると思いますね。

── 「グッバイ・ティーンエイジャー」は90年代のV系を感じました。

LIN:この曲はレーベルメイトであるLACCO TOWERの真一ジェットさんに書いていただきました。僕は勝手に先輩だと思ってる方だったんですが、コロムビアの方がつながりを作ってくれて。そこからお願いした感じですね。制作は基本Zoom(オンライン)でした。

YUKI:コロナ禍真っ只中に制作したので。LACCO TOWERのみなさんとお会いしたのは出来上がった後でした。

── LACCO TOWERさんにはどんなことをリクエストしたんですか?

LIN:せっかく一緒にやらせていただくなら、LACCO TOWERさんの色が出た曲で僕らが歌わせてもらうほうが良いと思ったんです。なので基本的にはおまかせです。LACCO TOWERさんの特徴が和音なので、「使っていい?」って聞かれたくらい。あとラップの小節数とか。

YUKI:ほとんど進捗確認だけくらいだったよね(笑)。

SHIN:結果的に、ダンスヴォーカルが絶対にやらない曲が出来上がりました。

── ちなみにこの曲はどんな振り付けになるんですか?

LIN:がっつり踊ります(笑)。

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