【インタビュー】FUNLETTERS、聴けば聴くほど伝わる音や声に込められた体温や肌触り

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■実際に行っていない場所のことを思い出したりすることがある
■「Okinawa」はそういう倒錯や混乱を表現したくて描写しました


──ではここから、最近発表された楽曲についてのお話を聞かせてください。まず6月にリリースされた「hikari」ですが、希望を感じ、全てを肯定してくれるような思いが伝わってきました。先程のルーさんの声の成分の話にも繋がると思いますが、どこか涙腺が緩みそうになる感覚もありますね。

ルー・イサミヤ:ありがとうございます。

New K:FUNLETTERSは一貫して、メッセージと言うほどじゃないんですが、人それぞれのいろんな生き方を全て丸ごと肯定したいっていう気持ちがあって。そのメッセージを久々にマルッと素直に込めた曲かなと思っています。例えばラップのような表現方法だと、普通に喋るのに近いというか、本当にメッセージとして伝える人も多いと思うんですが、歌で表現する以上、間接的な表現をしなきゃいけないわけじゃないけど、そうするのが僕としては、そこに情緒みたいなものが生まれていいなと思うんです。


▲「hikari」

──情緒、その表現がぴったりだなと思います。

New K:メッセージというより、祈りとかそういったものに近いと思うんですけどね。この曲は明日への希望を持って生きようみたいなテーマなんですが、そういうテーマ性も含めて、生きることを肯定する表現をしたいなっていう思いを、最近の曲の中では一番素直に言えた曲かなと思います。

──個人的には「新しい君が始まる 新しい僕が追いかける」という表現がとても好きでした。

ルー・イサミヤ:この曲自体そうだと思うんですけど、その歌詞も含めて、すごくNew Kイズムがありますよね。

New K:自分の中に結構負け犬イズムみたいなのがあって。FUNLETTERSって自己肯定しようよみたいな、人生を賛美しようみたいなことを言いながらも、自分の自己肯定感はめっちゃ低い。もともとのベースがすごくダメなところから始まっている意識はすごくあるので「僕が追いかける」…そういう歌詞になるのかな?上手く説明できていない気がしますけど。周りの人の、人として美しいところとかキラキラした生き方を目の当たりにした時に。



──親のような目線でもあるなと思いました。全力で支えるよ、見守ってるよみたいな、大きくてどっしりした視点というか。

New K:僕が思っていることを僕の目線で書いているというよりは、もうちょっと上の目線──神様って言ったらあれですけど、神視点みたいなところから書いているところはあるので、確かに親というのはそうかもしれないです。

──ルーさんは、歌詞についてそういう話を聞いた上で歌われるんですか?

New K:いや、全然何も伝えないですね。

ルー・イサミヤ:まずやってみて、みたいな。最初はタイトルもなく歌録りしていたんですが、「hikari」というタイトルを聞いて、すごくしっくりくるようなイメージで歌っていたなと思いました。何度も言っているので聴いてくれた人は印象に残っているんじゃないかなと思うんですが「君のいる世界は美しい」って、すごく素敵ですよね。難しいことは言ってない。君がいるだけで。光、そして希望。レコーディングの時も、自然と口角が上がって歌えるような感じだったのは覚えています。

──ルーさんのその感覚は、リリックビデオの映像からも伝わってくる気がしました。すごくプライベート感のある仕上がりでしたが、あれは2人で作られたんですか?

New K:映像はほぼ全て、ルーさんが自撮りした映像をつなぎ合わせて作っています。所々出てくる風景は僕が撮ったんですけど。

ルー・イサミヤ:1人で撮っていたから、端から見たらすごく変なやつ(笑)。何してるんですかって、知らない人に声をかけられたりもしました(笑)。


▲「Okinawa」

──7月リリースの「Okinawa」は、記憶というものがテーマにあるようですね。

New K:個人的な感覚なんですが、記憶って、客観的に見て重要なことほど忘れていたり、客観的に見てどうでもいいことをめちゃくちゃ鮮明に覚えていたりすることがあるなと思っていて。あと実際に行っていない場所のことを、それこそデジャブじゃないですが、急に記憶としてあったかのように思い出したりとかすることがあると思うんです。そういう倒錯や混乱みたいなものを表現したいなと思い、そこを軸に描写をしました。

ルー・イサミヤ:私、どういう意味なのかとかちゃんと考えないようにしていたかも。

New K:そうか(笑)。

ルー・イサミヤ:だって「Okinawa」ってタイトルなのに行ったことないんですよ(笑)?だから今のNew Kさんの話を聞いて、行ったことなくてもあるように思うことなんだって、今わかりましたもん(笑)。いつもこういうイメージの曲だよとか教えてもらってから歌っているわけじゃないんで、今回もあんまり何も考えてなかった(笑)。



──聴き手が曲を聴いて自由にイメージを膨らませるように、歌い手だって自由に発想していいわけですしね。

New K:そうです。その通りです。そういうことです(笑)。

ルー・イサミヤ:(笑)。

New K:ちなみにこのタイトルは、一番最後に決めたんですね。(リリックビデオに使っている映像を)撮ったのが雨の日で、湿度みたいなものも映像に出ていたので、記憶の倒錯みたいなものと繋がるんじゃないかなと思い、八王子で撮っているんだけど沖縄みたいっていう(笑)。デジャブとまではいかないですが、沖縄を感じてもらえたら面白いんじゃないかなと思って、タイトルも含め繋がりを考えていきました。

──今後もNew Kさんが手がけるいろんな楽曲、そしてルーさんの歌声が聴けることを楽しみにしています。

ルー・イサミヤ:ありがとうございます。頑張ります(笑)。

New K:なかなか大変ですけど、月1でリリースしたいねっていう目標を持って制作しているので、近いうちにまたリリースができると思います。期待していただけるとありがたいです。

取材・文:山田邦子

リリース情報

「Okinawa」2022.7.20 release
http://linkco.re/9UMVVBQc

「hikari」
2022.6.15 release
https://linkco.re/Bxp06cHg

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