【インタビュー】TuneCoreがフジロック「ROOKIE A GO-GO」と必然の初タッグ。 音楽の未来をサポートする意義
■僕らは、料理をお客さんにちゃんと届けて売り上げを回収するUber EATSの配達員(笑)
── これだけリリース形態で配信が多くなってきたことや、ラッパーだったりが活躍しているインディーアーティストにアプローチされているから、業績が伸びているのでしょうか。
山本氏:どうなんでしょうね。毎年トレンドが変わってる感があるので、サービスについては利用者であるアーティストやレーベルさんにヒアリングさせていただきながら作っているんです。メジャーなレーベルさんとの契約が切れたから自分で会社を作って音楽を続けたいんです、っていう方も増えてきてます。その一方で、ビリー・アイリッシュだったり、欧米だと十代でビッグドリームを掴むようなアーティストがたくさんいるのに日本はなかなかそうならないんだろう、っていうこともよく考えます。家庭や周りの環境だったり色々あるとは思いますが、多感な世代の中から若いスターが生まれることってすごく素敵だと思うので、そのためのアプローチができるようになってきた、というのはTuneCoreの新しいところだと思いますね。
── 最近、TuneCoreで勢いのある若手アーティストはいますか?
山本氏:Tani Yuukiさんなどですね。Taniさんもそうですが、TuneCoreを使ってるアーティストさんたちって、SNSなどのセルフプロモーション、コミュニケーションもすごく上手です。
── 先日『Mステ』にも出ていましたよね。先ほどおっしゃったように全体的には、ヒップホップのアーティストが多い傾向でしょうか。
山本氏:これはアーティスト還元額、つまり稼いでいる金額ベースになりますが、2021年にリリースされた作品のTOPジャンルとしては、ヒップホップ/ラップがもっとも多く、続いてJ-POP、インストゥルメンタル、アニメ/ゲーム、ロックでした。ヒップホップ/ラップについてサービスローンチからを振り返ると、クラブカルチャーのアーティストは、デジタルディストリビューションと相性がよかった気がします。たとえばタトゥーが入ってたりしてるとテレビなどに出られないからプロモーションがしづらい、ってなっちゃいがちでしたが、そこにSNSやTuneCoreみたいな誰でも使えるディストリビューションサービスが出てきて、アーティスト活動というのは誰しもはじめてのことで戸惑いもあると思いますが、なんでも自分たちでやるっていうマインドがあれば、自ら結果を残せる時代になった。めっちゃインディペンデントスタイルですね。自分の家で曲を作って配信して、ファンやリスナーともSNS上でコミュニケーションをとられていて、新しいことにチャレンジしていく方はどんどん飛躍していっている印象があります。
── そうですよね。TuneCoreは、実力があれば誰でも飛躍できるサービスですもんね。
山本氏:使い倒して欲しいです(笑)。
── ぜひ(笑)。世に出てないだけで、面白い現場ってたくさんあると思っていて。私は神奈川県に住んでるんですが、湘南エリアのほうってラップやってる子が本当に多くてクオリティーも高いんですよね。
山本氏:僕も最近、地方にいい表現をするアーティストっているなってすごく思います。TuneCoreは登録すれば楽曲が一気に30億人以上にリーチする仕組みですし、実生活の周りの方に限らず、地球上のどこかの誰かが気に入って聴いてくれることも、楽曲をアップロードしていないと起こり得ないことではあるので、うまく活用して欲しいです。
── 山本さんは、ご自身でも音楽やってらっしゃるんですか?
山本氏:はい。DAWやシンセを使って作るので、生の楽器を弾いたりはしないんですが、TuneCoreを使って曲のリリースもしています。TuneCoreのスタッフでも、自分で曲作ったり配信している人がいますね。
── アーティスト目線をサービスに活かせますね。
山本氏:そうですね。インディペンデントで活動していくことって、音楽制作以外にもやらなくてはいけない事務的な作業もでてきちゃいますが、その辺りもできるだけ少なくなるようにサービスでサポートしていきたい。たとえば、楽曲を誰かと共作してリリースした場合、半永久的に相手側に取り分を銀行振り込みすることって現実的に大変なことですが、ここを仕組み化して、TuneCoreのスプリット機能を使えば、予め設定したパーセンテージに応じて収益が毎月自動で分配され、聴かれている国や再生回数などのレポートも関係者全員に共有されるようになります。
── そのシステム、いいですね!
山本氏:超便利です(笑)。うっかり忘れちゃって揉めちゃうようなこともなくなるので、安心ですよね。やっぱりアーティストには、制作に集中して欲しいですし、選択肢が増えることで、カバーアートのデザイナー・クリエイターなど含めたチームでの作品製作、楽曲の共作もしやすくなるのではと思います。
── 本当に音楽のためにあるサービスなんですね。
山本氏:最初はとっつきづらいところもあるかもしれないですが、意外と考え方はシンプルで、これはチューンコアメンバーの言葉ですが、料理を作るのがミュージシャンだとしたら、Apple MusicだったりSpotifyはレストラン、僕らは料理をお客さんにちゃんと届けて売り上げを回収するUber EATSの配達員(笑)。
── なるほど(笑)。
山本氏:特に若い世代にTuneCoreを知ってもらいたいですね。学校辞めたらバンド活動も辞めちゃうっていうような話はいまだによく聞きますし、もったいないなって。
── TuneCoreを活用すれば諦めなくていい夢もあるかもしれない。「ROOKIE A GO-GO」との共通項が多いですね。
山本氏:フジロック出演者でTuneCoreを使ってリリースしたことがある方を調べてみたら、2018年から2021年でざっと40組ほどいらっしゃいました。そういうこともあり、今回、初めて「ROOKIE A GO-GO」でご一緒させていただいたところ、過去最高の4,000組の応募がありました。今までの2.5倍以上だったので、審査が大変だったそうなのですが(笑)。
── 若い子にとっては、「TuneCore」が応募のとっかかりになったという可能性もあるかもしれませんね。
山本氏:確かにそうですね。「TuneCore」と「ROOKIE A GO-GO」のコラボは、アプローチとしてオンラインとオフラインのいいバランスだと思います。
── 今年は、7月29日(金)に音速ばばあ、downt、xiexie、7月30日(土)に鋭児、The ティバ、Glimpse Group、7月31日(日)にKanna、鈴木実貴子ズ、Khamai Leonの9組が決定しました。鋭児はキテますよね。
山本氏:今回でさらに駆け上がりそうです。全体的にはオルタナなラインナップになりました。
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