【コラム】Mrs. GREEN APPLE、キレキレのダンスを見せた「ダンスホール」MVの衝撃 「表現者として凝り固まって進むつもりはない」
“フェーズ2”として新体制で活動を再開したMrs. GREEN APPLE。7回目のデビュー記念日となる7月8日、遂にミニアルバム『Unity』をリリースする。それを目前に、収録曲「ダンスホール」ミュージックビデオを公開。その映像に驚いたファンは多いだろう。なんとミュージックビデオの大半を、メンバー3人が楽器を持たず、ダンサー陣と共にキレ味の鋭いダンスパフォーマンスを展開しているのだ。
◆Mrs. GREEN APPLE 動画 / 画像
もちろん、この楽曲やダンスパフォーマンスをもってして、“彼らが新しく目指す方向性はこれだ”なんて安直な結論に至るはずがない。“フェーズ1”でも、そしてフロントマン大森元貴(Vo, G)のソロ活動においても、毎回リスナーを驚かすさまざまな表現手法にチャレンジし、変幻自在にスタイルを変えてきた彼らであるからして、「ダンスホール」ミュージックビデオで見せてくれたダンスパフォーマンスも、あくまでも今のMrs. GREEN APPLEが持つ多彩な要素のひとつにすぎないだろう。
しかし注目すべきは、Mrs. GREEN APPLEというバンドがダンスという表現手法を手に入れたということにある。そして同時に言えることは、バンドという既成概念を壊しながらも、反語的に“だからこそバンドでもあり続ける”という宣言でもあるとも解釈できるミュージックビデオになっているという点だ。
楽曲「ダンスホール」は、『めざまし8』(フジテレビ系)のテーマソングに起用されており、ファンならずとも、この曲で朝を迎えている人は多いだろう。国内外を含めたさまざまな局面において、決して大丈夫とは言えない今の世の中にあって、“♪いつだって大丈夫” “♪また陽が昇る”というフレーズに心が救われる。そのメロディをきらびやかに輝かせているのは、’70年代ソウル&ファンクグルーヴのミセス流再解釈。ジャクソン5を彷彿とさせる陽気なダンスビートは聴く者の心を軽やかに弾ませてくれる。そのミュージックビデオで3人は、本格的なダンスパフォーマンスに挑戦しているのだ。
大森個人は自身のソロ作品ミュージックビデオにおいて、「French」でコンテンポラリーダンス、「Midnight」ではK-POPを思わせるダンスを披露し、リスナーを驚かせた。そして今回、楽曲の世界をそのままに表現したかのような、ミラーボールきらめくエンターテイナーショーを現代風にアレンジしたダンスを見せてくれているが、そこに若井滉斗(G)、藤澤涼架(Key, Fl)も加わり、3人ともが実にレベルの高いダンスを見せてくれている。
既にいくつかのメディアで彼ら自身が語っているように、3人は活動休止期間中、敢えて楽器には一切触れずに厳しいダンスレッスンを受けていた。“レッスン”と言うと聞こえはいいが、実際のところは体育会系の“訓練”に近い相当ハードなものだったようだ。その時のダンス講師は、「ダンスホール」ミュージックビデオのパフォーマンスディレクターを務めたSAKURA INOUE氏(HYBE LABELS JAPAN)をはじめとするダンスプロフェッショナルチームTeam"S"の面々。HYBE LABELS JAPAN、そしてTeam"S"と言えば、日本・韓国・台湾など、アジア圏を中心に振付やライブ演出をグローバルに手掛けている、まさに最先端をいくダンスチーム。Mrs. GREEN APPLEは、レッスンだけでなく今回のミュージックビデオでも彼らと共演を果たしながら、まさしく活動休止期間に3人が手にいれた新しいフィジカルな表現を、この映像作品で如何なく発揮している。以下、先ごろBARKSにて実施したインタビューからダンスに関するコメントを抜粋してお届けしたい。
◆ ◆ ◆
「(ミュージックビデオのアイデアは)タイトルが「ダンスホール」ですから、そりゃやっぱり踊りますよね、というとこから始まって。一緒に踊ってくださったダンサーも、活動休止期間のレッスンで僕らについてくれた先生の方々ばかりでしたから、撮影後には、先生たちも感極まってくれていて。だって、最初は何もできないところから始まったからね」──大森元貴
「うん。ダンス経験はゼロからだったから」──若井滉斗
「そうやって活動休止の間、僕らはダンスだったり、身体的なトレーニングをゼロから始めることに尽力して。そういう時間を経たからこそ、「ダンスホール」のミュージックビデオも撮れたし、レコーディングもできたと思います」──藤澤涼架
「そうだよね。ギターのカッティングも、ダンスレッスンがめちゃくちゃ活きてると思います」──若井滉斗
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ダンスは感情表現の手段であることは、わざわざ説明せずとも理解してもらえるだろう。生まれたばかりの赤ちゃんが、笑顔で手足をバタバタさせるのも、最もプリミティブなダンスと言える。そうした自由な感情表現のダンスから、全員で同じリズムを共有し踊るというチームダンスになると、これは言語を伴わない仲間同士のコミュニケーションであり、すなわち、楽器を演奏するという行為と共通項がとても多い。
まずもって演奏もダンスも、どちらも肉体を駆使するフィジカルな行為である。“楽器の演奏”と言うと、どうしても小手先のテクニックに目がいきがちだが、メンバーでリズムを合わせるためには、息を吸ったり、身体を動かすタイミングという、音を鳴らすまでの動作が極めて重要となる。さらに分かりやすい例を挙げるならば、行進の際に“1,2,3,4”のかけ声と共に、足を踏むダウンの動作を合わせるのか、それとも太ももを上げるアップの動作を合わせるのかという意識の違いで、如実に全体のノリが変わってくる。
音楽において、その意識がバラバラではバンドの一体感は生まれない。つまりバンドのメンバー全員でダンスを習うということは、身体的な感情表現を拡張するだけでなく、バンドのアンサンブルやノリを強化できるものでもあり、音楽面においてもとても理にかなった試みなのだ。そのうえで、プロフェッショナルなダンサーたちも賞賛する3人のダンスは、単に“バンドマンがダンスに挑戦してみました”という領域を遥かに超えたものであり、ステージマン、あるいは表現者としての自信や誇りすら感じられる振る舞いだ。
そして、全員が同じ動きを共有することで、かえって各人の個性があぶり出されてくる点が実に面白い。これはあくまでも筆者の印象に過ぎないが、例えば若井のダンスは、音楽的に言うならばフレーズの節目が非常にキッチリとしており、まさにファンクなギターカッティングのように動きが小気味良い。対して藤澤は、逆にそのあたりの動作がとてもしなやかで、流暢なフレーズを奏でるキーボーディスト/フルート奏者ならではのダンスといった印象だ。そして大森はやはりシンガーらしく、“踊りながら歌う”と言うよりも、まるで“踊りが歌の一部”となっている。歌うという行為に踊りが完全に内包されているかのようだ。
もうひとつ見逃せないのは、フロントマンがリーダー的に中心におり、残りのメンバーはバックダンサーというありがちな構図ではなく、3人それぞれが場面ごとに主役となり、全員がフロントマンであるという見せ方が試みられている点。ここに、“フェーズ2”でトライアングル編成となったMrs. GREEN APPLEとしての意思が見えてくるようだ。そしてミュージックビデオの中で短い時間ではあるが、3人は楽器を奏でることをやめなかった。Mrs. GREEN APPLEは、バンドであり続けているのだ。
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「「ダンスホール」って、誰しもが主役になれる曲だと思っているんです。誰がフロントマンとかいう話じゃなくて。だから、リップしている(歌っている)のは僕だけだけど、“ここは(藤澤)涼ちゃんのパートだ” “ここで若井のパート”っていうミュージックビデオにしたくて。ダンスブレイクのソロも若井から始まってるし、そういうのも自由でいいんじゃないかなって思ったんです。
ミュージックビデオの監督さんからは、「ダンスとバンドシーン、どのぐらいの割合で行きますか? 5対5くらい?」って聞かれたんですけど、「いや、もうダンスが8、バンドが2ぐらいでいいです」と話をして。“ダンスに挑戦したことがすごい”じゃなくて、バンドという形態で活動している人たちがダンスという方法で表現する、そういうミュージックビデオを作るということ自体が、すごく自由が効いていていいなって考えていたんです。少し仰々しいことを言うと、“フェーズ2”のコンセプト自体、髪の色やビジュアル面も含めて“こうでなきゃいけない”っていうものを、もっと自由にしていこうって。それは何となく、どこか常に意識しているところなんです。“別にバンドマンが踊っちゃダメって理由はないよね?”っていう、そこから作っていったミュージックビデオでした。
このミュージックビデオを見て “え~っ!?”って(ネガティヴに)思われたとしても、『Unity』全体を聴いてくれてたら、きっと辻褄が合う気がしているんです。だから、 “ミセス、そっちに行っちゃったのね”って思う人もいるかもしれないけど、そもそも僕ら、どこにも行ってないですから(笑)。あっちに行っちゃったとか、こっちに行った、ここにいるとか、そういう小さい話ではなくて、ステージマンとして、そして表現の一環として、僕らは凝り固まって進んでいくつもりはないんだよっていう、ただそれだけなんです」──大森元貴
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近年の世界的な風潮として、“バンドはダサい、今はヒップホップ、ダンスミュージックでしょ”という声は、決して小さなものではない。だがその一方で、揺り戻し的に、“次はまたバンドの時代が来る”と、ギターを手にスタジオへ出入りする若い世代も既に増えつつある。このように過去10年以上もの間、音楽を取り巻く環境では“バンドか、ダンスか”という二項対立の議論が続いてきた。
そんな中でMrs. GREEN APPLEは、何のためらいもなく、バンドマンとして踊ってみせたのだ。まるで“そんな議論自体、もう古いよ”と言っているかのように。
彼らは“フェーズ2”で、一体どんな既成概念をぶち壊し、どのような新しい世界を見せてくれるのだろうか。間違いなく、そのひとつの道標となるであろうミニアルバム『Unity』が、いよいよ7月8日にリリースされる。BARKSではこの作品についての3人インタビューも近日に公開予定。Mrs. GREEN APPLEの“フェーズ2”は、まだ始まったばかりだ。
取材・文◎布施雄一郎
■デジタルシングル「ダンスホール」
配信:iTunes、レコチョク、Apple Music、LINE MUSIC、Spotifyなどの音楽配信サイトにて
https://lnk.to/mga_dh
▼デジタルシングル「ブルーアンビエンス(feat. asmi)」
https://lnk.to/mga_ba
▼デジタルシングル「ニュー・マイ・ノーマル」
https://lnk.to/mga_nmn
▼ミニアルバム 『Unity』 Pre-order(iTunes)、Pre-stream(Apple Music、amazon music)
https://lnk.to/unity_mga
■ミニアルバム『Unity』
【完全生産限定盤(CD+DVD+GOODS)】UPCH-29432 ¥6,600(税込)
※BOX仕様:縦241mm 横193mm 高さ64mm
【初回限定盤(CD+DVD)】UPCH-29433 ¥2,530(税込)
※2折デジパック仕様:トールサイズ
【通常盤(CD)】UPCH-20620 ¥1,980(税込)
▲『Unity』完全生産限定盤
▲『Unity』初回限定盤
▲『Unity』通常盤
▼CD収録内容
1. ニュー・マイ・ノーマル
2. ダンスホール ※フジテレビ系全国28局ネット『めざまし8』テーマ曲
3. ブルーアンビエンス(feat. asmi) ※ABEMA『今日、好きになりました。』主題歌
4. 君を知らない
5. 延々 ※ゲームアプリ『炎炎ノ消防隊 炎舞ノ章』テーマソング
6. Part of me
▼完全生産限定盤GOODS
(1) ビッグシルエットTシャツ (ワンサイズ)
(2) スマホloopリボンストラップ&ステッカーセット(ステッカー7種)
▼完全生産限定盤 / 初回限定盤特典DVD
「ニュー・マイ・ノーマル」Music Video(Album Edition)、フェーズ2開幕への歩みを追ったドキュメント映像ほか収録予定
▼チェーン別オリジナル特典
・ユニバーサルミュージックストア:告知ポスター(B2)& クリアファイル(B5)
・タワーレコード:ポスター タワーレコードver.(B2)
・HMV:ポスター HMV ver.(B2)
・TSUTAYA:ポスター TSUTAYA ver.(B2)
・セブンネット:モバイルスタンドキーホルダー
・楽天:アクリルキーホルダー
・amazon:メガジャケ
・応援店特典:ポストカード
※応援店特典は、オリジナル特典が付く店舗、オンラインショップは対象外となります。
※特典は先着となり数に限りがございます。
※特典は一部取り扱いのない店舗がございます。ご予約の際ご確認ください。
■ぴあアリーナMM公演
open17:30 / start19:00
▼チケット
全席指定¥9,200 (前売・税込)
※記念すべきデビュー日にフェーズ2初となる一夜限りのアリーナ公演開催
※全国映画館でのLIVE VIEWING、PIA LIVE STREAMでの生配信、WOWOWでの生中継が決定
https://mrsgreenapple.com/contents/530414
■<Mrs. GREEN APPLE プライム会員限定 特別ライブ>
プライム会員限定 特別ライブ:7月19日(火)実施 ※抽選で250組500名をご招待
※詳しくはキャンペーン詳細ページにて
Amazon Music Japanチャンネル:https://www.twitch.tv/amazonmusicjp
キャンペーン詳細ページ:https://www.amazon.co.jp/b/?node=10523766051
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