【インタビュー】カップルインフルエンサー・ゆたせなcp、こだわり抜いたデビューシングル完成
SNSの総フォロワー数180万人以上のカップルインフルエンサー・ゆたせなcp。Z世代を中心に絶大な人気を誇る2人の出会いは、歌って踊れるアーティストを目指すために進学した専門学校だ。
◆撮り下ろし写真
これまでTikTokやYouTubeを中心に活動をしてきたゆたせなcpだが、6月11日にLINE RECORDSからデビューシングル「New World」をリリース。念願のアーティストデビューを果たした。アーティストとしての道を切り拓いた今、彼らはどんな心境なのだろうか。こだわり抜いた楽曲についてはもちろん、音楽における自身のルーツ、ゆたせなcpの世界観について、夢を叶えるための秘訣などをたっぷり語ってもらった。
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■自分たちの始まりでもある恋の始まりをテーマにしました
──アーティストデビュー、おめでとうございます。YouTubeチャンネルにアップされていた動画「今後の活動について。」でも触れられていましたが、楽曲制作は2021年の7月から動いていたのですよね?
Yuta:そうなんです。前々からマネージャーさんに「音楽活動も視野に入れていきたい」と相談していて。2021年7月にLINE RECORDSさんとのお話をいただいて、このプロジェクトが始まりました。
──デビューシングル「New World」のでき上がりを聞いてみていかがでしたか?
Seina:満足の行く、思った通りの楽曲になったと思います。
Yuta:自分たちのこだわりが強すぎて、なかなかOKが出せなかったんです(笑)。何回も「ここはこうしてほしいです」とやり取りをしてでき上がった曲で、セルフプロデュースがかなり多め。だからこそ大満足なものになっています。
──楽曲はお二人の出会い、恋の始まりが描かれていますが、そのテーマにした理由はあるのでしょうか。
Seina:実は2曲リリースする予定があって。2曲目は5年間付き合ってきた今の自分たちや、今までの過程を含めた曲にしようと考えていました。なので、1曲目は自分たちの始まりでもある恋の始まりをテーマにしました。
──楽曲制作にもかなり携わったとお伺いしています。
Yuta:そうですね、楽曲のアレンジにも携わらせてもらいました。一番最初に楽曲を募集させてもらった時に約60曲いただいたんですが、自分達のイメージと近いものに出会えなくて。もう一度どういう楽曲にしたいのかをスタッフさんと相談をし直しました。その後に新しく提供していただいた曲で「あ、いい!」と思ったものが出てきて。ここまでに半年くらいかかりました。
Seina:曲を選ぶのにまず時間がかかったよね。
Yuta:その後作詞やレコーディングをしていったんですが、最後のトラックダウンチェックでどうしても納得できないと思ってしまったんです。大切なデビュー曲なので、「ごめんなさい、曲を全体的に変えてもいいですか」って言わせてもらって。自分たちでアイデアを出しながらアレンジをして、180度違う楽曲に変えたたなんてこともありました。
──それは、勇気ある発言ですね。納得できなかったのは、どういった部分なのでしょうか。
Yuta:細かい部分なんですが、曲のリズムがちょっと単調だったんですよね。あまり変化が感じられなくて、聴いていると飽きちゃって。自分が飽きるんだから、皆さんにもずっと聴いてもらえないな、と。なので、飽きないようにリズムを変えたり、ギターの音色やドラムの音などを使って1番と2番の雰囲気をガラッと変えたりしました。例えば、2番のBメロの終わりからサビにかけて、わかりやすくドラムを入れたんです。それによって、1番との盛り上がりの差が見せられたかなと思います。それと、Dメロ。基本的にDメロって落ち着いた雰囲気になると思うのですが、今回はハッピーな曲だったので落としたくなくて。気分は上げたまま、Dメロってわかるようにしたいとオーダーしました。
Seina:一般的なインフルエンサーだったらやらないような部分まで意見を出させていただいて、本当にこだわりました。歌詞もね、Dメロはほぼ書き換えたよね?
Yuta:Dメロの歌詞は自分たちの気持ちをそのまま表しているので、僕らで「こういう歌詞にしたいです」と出させていただきました。なので、めちゃくちゃ思いがこもっています。
──本当に細部までこだわっていらっしゃって驚きです……! 特に注目してほしいメロディや歌詞はありますか?
Yuta:僕は2番のBメロの最初に入っているギターの音が好きなんですよね。1番に入っているギターとは違った感じになっていて、雰囲気を変えられていると思うのでお気に入りです。キャッチーな部分でいうと、サビの後の“Oh-oh-oh-oh”の部分。振りも自分たちで考えました。
Seina:みんなと一緒に踊りたいなって思って作りました。私のお気に入りは全部ですけど(笑)、サビの部分がキャッチーだと思います。
Yuta:1回聴いて覚えてもらいたかったので、工夫しています。本当は歌詞も英語にしていたんですよ。でも、英語だと頭に入らないよねと話し合って。Seinaが「じゃあ、“始まるよ”がいいんじゃない?」って言ってくれて、決まったものです。
Seina:スタジオで思いつきました(笑)。もともと2人の恋の始まりをイメージしていたので、何かが始まりそうな感じの歌詞がいいなぁ、と。であれば、シンプルに“始まるよ”の方がわかりやすいんじゃないかなと当てはめてみたら、曲的にもハマりました。
──いろんなアイデアを出されていらっしゃいますが、お互いの意見でいいアイデアだなと思った部分はありましたか?
Yuta:それこそ、歌詞の“始まるよ”はファインプレーでしたね。でも、お互いに意見を言った時に「それはちょっと……」って食い違うことがなくて。都度「それいいんじゃない?」と採用していました。
Seina:そうね。私が「ここ、音が足りないんじゃない?」というと、Yutaが具体的なことを言ってくれて今の楽曲ができあがって。それはすごく良かったと思います。
──歌の面での工夫もたくさんありそうです。
Seina:Yutaの“ねぇねぇ Princess 教えて Do you love me?”の後に、私の“Yes I love you”というパートがあるんですが、そこは本物のプリンセスをイメージしていろんな“Yes”を試しました。普段よりもテンションを高めにしてみたり、かわいく言ってみたり。何回か録り直して納得いく“Yes”を見つけ出しました(笑)。
Yuta:曲全体がアップテンポでハッピーなので、暗い歌声にならないように気をつけました。具体的には口角をずっと上げて歌うように意識していましたね。
──楽曲も然ることながら、ミュージックビデオも“ゆたせなcpワールド”が広がっていましたよね。
Yuta:あれ、スタイリストさん付けていないんですよ。スタイリストはSeinaがいるので。
Seina:えへへ。
──え、素晴らしすぎます!
Yuta:ヘアメイクは少しやってもらいましたが、衣装はほぼ私服です。
Seina:どういう風に合わせたらかわいいかを2人分考えました。めっちゃこだわっているので、そこでもゆたせなcpらしさが出せたかなって思います。
Yuta:多分スタイリストさんにお願いしても、自分たちでいろいろ意見を言ってしまうと思うので、それなら自分たちでやったほうがいいよねとやらせてもらいました。
──明確なイメージがご自身たちの中にあるんですね。思い描いていたイメージは具体的にどういったものだったのですか?
Yuta:ハイスクール・ミュージカルやディズニー・チャンネルの海外ドラマが好きなので、そういったイメージは持っていましたね。アーティストでいえば、テイラー・スウィフトやワン・ダイレクションのようなイメージです。
Seina:洋楽感があるっていうのはめっちゃ考えたよね。
──でき上がりからすごく伝わってきます。ミュージックビデオでは演技も必要になりますが、やってみていかがでしたか?
Yuta:僕たち、日常もあんな感じなんですよ。なので、撮影だからこうしようっていう部分が全然なくて。本当に素のゆたせなcpだったので、演技したという感覚はなかったです。
Seina:監督さんも「自由にやって」って言ってくださって。
Yuta:2番のサビにキャンピングカーの中でご飯を食べるシーンがあるんですが、それも監督さんが「普段のままでいいよ」って言ってくださって、いいシーンを切り取っていただきました。
Seina:決まっていたのは位置くらいかな? あとはいつも通り(笑)。
Yuta:もともとアーティストに憧れていて、好きなアーティストさんのミュージックビデオをたくさん見てきたので、頭の中に染み付いていたのかもしれません。なので、自然にできたのかなって。
──もともとは、どうしてアーティストを目指そうと思ったのですか?
Yuta:高校生の時に初めて三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEさんのライブに行ったことがきっかけでした。それまでは「カラオケで歌うのが好き」くらいだったのですが、ライブを見た時に鳥肌が立って……。しかもめちゃくちゃかっこいい。こんなにも人を幸せにすることができるんだと思ったら、自分もああいうステージで歌って踊りたいって気持ちが湧いてきました。その日に夢ができて、専門学校に進学することを決めました。ファッションもめちゃくちゃ真似しましたね(笑)。
Seina:私は小さい頃からディズニー・チャンネルを見ていて、『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』がめちゃくちゃ好きだったんです。一般人とスターという2つの顔を持つ女の子のお話なんですが、あんな風にスターになって歌って踊るのがかっこいいなってずっと思っていました。中学、高校くらいになるとE-girlsさんやTWICEさんのようなガールズグループも好きになって。そういうスターになるなら高校卒業後は東京に行ったほうがいいんじゃないかと思って、専門学校に進学することにしました。なので、アーティストになりたい、舞台に立ちたいという気持ちは小さいころからずっとありましたね。
──特に大きな影響を受けた楽曲はありましたか?
Yuta:僕は今市隆二さんがすごく好きなので、「All LOVE」。あの曲を聴いた時に、自分も歌で人を惹きつけられる人になりたいと強く思いましたね。
Seina:私は、やっぱり『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』でマイリー・サイラスが歌っていた「You'll always find your way back home」ですね。映画版の最後にステージで歌う曲なんですが、その姿が大好きで。自分の音楽人生の軸となっているような楽曲です。
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