【ライブレポート】Organic Callがまっすぐに届ける歌
“強い信念を持ち、明日への微かな希望を唄う”ことを掲げるロックバンド、Organic Call。2017年の始動以降、コロナ禍だろうとメンバーの脱退や活動休止があろうとペースを落とさず、年間100本以上のライブを精力的に行なってきた彼らの全国ツアー<Evergreen Tour 2022>が、5月14日の東京・渋谷CLUB QUATTROから開幕した。
◆ライブ写真
5月4日にリリースした2nd EP『セピアに褪せる』を引っさげたレコ発ツアーの初日であり、自身最大キャパの渋谷CLUB QUATTROでの開催となった本公演には、ペルシカリア、the quiet room、anewhiteがゲストバンドとして出演。それぞれ感謝の想いと熱意に満ちたパフォーマンスで場内をいい塩梅に温め、メインアクトのOrganic Callへとバトンを繋いだ。
平田真也(Vo&G)とカワカミトモキ(G)、そしてサポートメンバーのイシヅカ(B)と高橋リョウ(Dr/YUMEGIWA GIRL FRIEND)という布陣で登場したOrganic Callは、まずドラムセットの前に集まって気合を入れたのち、平田が「5月14日、<Evergreen Tour 2022>初日、渋谷CLUB QUATTRO! 東京都、ロックバンド、Organic Callです。よろしく!」と宣誓。最新作『セピアに褪せる』のオープニングを飾る「ブルーアワー」で、勢いよくライブの口火を切った。イントロから青い照明が点滅する中、“守りたいものがある 迷う暇なんてない”といった強い意志の宿った言葉が愚直なほどまっすぐに伝わってくる王道のギターロックサウンドや厚みのあるシンガロングパートがアンセム感を生むなど、4人のグルーヴは早くも絶好調で、ツアータイトルどおりのエバーグリーンな輝きを放つ。
「茜色、空に灯す」になれば、今度は赤く染まったステージで躍動する4人。「ここはライブハウスだ!」と衝動を抑え切れない様子で叫ぶ平田も、拳が突き上がるフロアを食い入るように見つめながらメロディアスなフレーズを弾くカワカミも、全体をどっしりと支えるリズム隊のイシヅカと高橋も、実にいい表情を浮かべてこの瞬間を楽しんでいる。
さらに、「あなたに友達はいるかい?」と曲前に平田が問いかけ、会いたい人と会えないコロナ禍の想いに寄り添ってノスタルジックに届けた「Hello My Friend」。別れをテーマにしつつも、軽快な4つ打ちビートと清涼感のあるギターサウンドを心地よく掛け合わせ、今を生き抜くメッセージを紡いだ「眠れない夜には」までをノンストップで披露。ライブバンドとしての実力を遺憾なく発揮し、オーディエンスをますます夢中にさせていく。
「未来はいつだって誰かが決めるものじゃない。もちろん、誰かの背中を押したり押されたりということはあるけど、自分自身で決めていくものなんだと思います」
そんな平田のMCを挟み、音源と同じくゲストコーラスにシンガーソングライターのフジタ カコを迎えて演奏されたのは「未来は君の手の中」。“例え君が希望を無くしたとしても 変わらない声で唄を歌うから”──明るい光のあふれたステージで、平田とフジタによる祈りにも似たハーモニーが美しい重なりを見せる。こういった透明感のあるミディアムなレパートリーも、彼らの持ち味のひとつと言えよう。
「夢想家のワルツ」では平田がアコギに持ち替え、続けざまにタメの効いたナンバーを聴かせたOrganic Call。爆音で激しく掻き鳴らすアッパーな攻め方ばかりじゃなく、音の隙間を活かしながらじわじわと壮大に展開していくような、深みを感じさせるアンサンブルも見事だった。
「ロックバンドってすげえ楽しくて。音を鳴らしているときもそうだし、苦しみながらもCDが完成して、こうやってツアー初日を観てくださる方がたくさんいてね。だけど、先々のことを考えるととても不安で、なんか怖くなっちゃうんです。それでも、the quiet roomやanewhite、ペルシカリア、サポートの2人だったり……マジでいろんな人に助けられてここに立ってるなと思います。今日この場所を選んでくれて、本当にありがとうございます!」
お客さんへの感謝とともに、内に持つ不安も包み隠さず、正直に想いの丈を明かす平田。また、本ツアーのファイナルシリーズ(東名阪3公演)の締め括りとして、8月14日に渋谷WWWでキャリア初のワンマンライブを開催することも発表された。「初めてのワンマンはここでやろうぜ」──5年以上も前、バンドを結成した頃にメンバーでそう語り合っていた目標がついに現実のものとなる。
「俺たちはいつだってこのライブハウスという場所で、ただまっすぐ、あんたに歌を届ける。それしかできないですよ! 今は便利になって、(配信などで)届かないものが届くようになった。でも、俺がロックバンドに求めてるのってそうじゃない」と言い放ったあとは、その決意をあらためて誓うかの如く「朝焼けに染まった街へ」を、ポエトリーリーディングを交えながら、胸に抱える感情を曲中で何度も叫びながら、めいっぱいの熱量をもってアグレッシブに演奏。
そして、最後は“未来も悪くはないのだろう”と寂しさの中にも希望を滲ませた「Good-bye」、ド派手なストロボとこの日いちばんの爆発力が際立った渾身のロックンロールナンバー「愛おしき日々たちへ」で完全燃焼したOrganic Call。アンコールなしでスッキリと終わったライブも、「いってきます!」と高らかに告げた平田をはじめとするメンバーの笑顔も清々しい。渋谷CLUB QUATTROのステージを大盛況に収めた彼らがツアーを通してどんな成長を遂げ、その果てに待つ渋谷WWWでのワンマンでどんな姿を見せてくれるのか。まだまだ止まりそうにないバンドの進化に引き続き注目しよう。
取材・文◎田山雄士
セットリスト
2.茜色、空に灯す
3.Hello My Friend
4.眠れない夜には
5.未来は君の手の中
6.夢想家のワルツ
7.朝焼けに染まった街へ
8.Good-bye
9.愛おしき日々たちへ
<Evergreen Tour 2022 FINAL>
op/st 17:15/18:00
adv/door ¥3500/¥4000
出演:
Organic Call
オフィシャル先行(先着)▼
2022年5月14日(土)21:00~5月29日(日)23:59
https://eplus.jp/organiccall-hp/
<Evergreen Tour 2022>
w/ アメノイロ。 / ケプラ / なきごと
2022年6月12日(日) 静岡UMBER
w/ アメノイロ。 / プッシュプルポット / Atomic Skipper / osage
2022年6月19日(日) 志津Sound Stream sakura
w/ アメノイロ。 / ルサンチマン / 35.7
2022年6月25日(土) 広島 ALMIGHTY
w/ アメノイロ。 / Bye-Bye-Handの方程式 / CRAZY VODKA TONIC
2022年6月26日(日) 福岡Queblick
w/ アメノイロ。 / Bye-Bye-Handの方程式 / ニイナ
2022年7月8日(金) 水戸LIGHT HOUSE
w/ Bye-Bye-Handの方程式 / ammo / ofulover
2022年7月9日(土) 仙台FLYINGSON ※SOLDOUT
w/ アメノイロ。 / 鉄風東京 / ペルシカリア
2022年7月13日(水) 札幌mole
w/ MoLse / ofulover / メメタァ / でかくてまるい(O.A)
2022年7月30日(土) 大阪BRONZE
w/ bokula. / Blue Mash
2022年7月31日(日) 名古屋R.A.D
w/ Atomic Skipper / プッシュプルポット
チケット受付URL:https://eplus.jp/sf/word/0000105784
◆Organic Call オフィシャルサイト
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