【インタビュー】中島美嘉『I』は全て作詞作曲セルフプロデュース「自分を救った気がします」

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2001年に『STARS』でセンセーショナルなデビューを飾って以降第一線を走り続け、2021年20周年イヤーを迎えた中島美嘉。時代を越えて独自の世界観を築き上げてきた彼女が、満を持して初のセルフプロデュースアルバム『I』を完成させた。

中島美嘉といえば、情熱的なバラードシンガーだったり、カリスマ的なロックヴォーカリストだったり、耽美でミステリアスな歌姫だったり、そのイメージはリスナーによってさまざまだろう。今作は、それら多彩な表情のすべてが「中島美嘉」だったのだということがわかる一作だ。自ら作詞作曲を手掛けた全13曲には、ロックやバラードはもちろん、EDMやブルース、スカナンバーなど色とりどりの楽曲が並んでいる。そのすべてを歌いこなす唯一無二の声の魅力を改めて堪能するとともに、自身の手で解き放たれた新しい中島美嘉にも出会える『I』。20年の経験と新しい挑戦が詰まった今作がどのようにして出来上がったのか、じっくり語ってもらった。


──リリースから約2週間経ちますが、反響などは届いていますか?

中島美嘉:まわりの人から伝わってくる感想としては、自分が本当にやりたいことをよくここまでやりましたね、という感想をよくいただきます。いい意味で、時代に生きてない感じがすごくいいって(笑)。

──たしかに、セルフプロデュースだからこその自由な作品になっていますよね。そもそもセルフプロデュースでアルバムを作ろうと思ったきっかけは?

中島美嘉:本当は、10周年くらいの時にCOLDFEETと一緒にやるつもりでいたんですけど、それがちょっと叶わなくて。改めて20周年のタイミングでもう一度お願いしに行ったら、「やろう」って言ってくれたことからですね。とはいえ、プロデュースはしてみたいけれど作曲までは考えていなかったんです。でも、20周年になってしまったし、何か新しいことをやりたいと考えた時に、やったことがないのは作曲しかなかったので。まわりのみなさんに背中を押されながらやってみました。

──やるなら全曲作ると決めて臨んだんですか?

中島美嘉:まったく決めてないです。全曲作詞するという時点で私にはチャレンジだったので、それだけで充分だなと思ってたんですけど。曲も書けるんじゃない?って言ってくれたから書いてみた感じですね。COLDFEETが元になるトラックを大量に送ってくれて、その日の気分に合わせて曲を聴きながら作っていきました。

──結果的に曲調もバラバラな13曲が揃いましたけど、あえていろんな曲を選んでいったんでしょうか?

中島美嘉:いや、いろんな曲調にしたいなという思いはのちのち出てきた感じですね。「この曲はもう似たような曲があるからいいや、こっちにしよう」みたいなことを考えながら作業をしていたら、バラバラになってました(笑)。最初はもうちょっとジャンルが固まるんだろうなと思ってたんですけど、20年いろんな曲を歌ってきたので、たぶん物足りなくなったんでしょうね。でも、それが良かったと思ってます。私のイメージみたいなものを持った人が作っていたら、こういう曲は違うという判断があったかもしれないですけど、今回入っている曲は、本当にすべて私なので。

──作業自体は、楽しみながらスムーズに進められたんですか?

中島美嘉:いやいや。よくやったなあと思いますよ。作り始めて制作が終わるまでのことを思うと、この性格でよく全部作り切ったなと。すぐ忘れるタイプではあるので、他人事のようですけど、今は結構燃え尽きてる感じがあります。ライブのあととか、いつも一旦燃え尽きるので、そうなるかもという怖さはあったんですけど、本当になりました。今は次に動き出す何かきっかけを探さないとと思っているところです。

──やっていく中で、これはもう全部出し尽くすしかないな、という?

中島美嘉:たぶん、出し尽くしてやろうと思ったんでしょうね。最初、作曲は書ける分だけでいいっていう話だったんですよ。でも、次はこういう曲も書きたいな、次は…と思っていたらフルになっていた感じです。最初から全曲書いてと言われていたら「絶対無理」ってなってたので、まわりが私の性格をよくわかってるなと思いました(笑)。あと、COLDFEETのふたりがとにかくバンバン背中を押してくれたので。結局、ふたりとも一切私の作ったメロディーに触らなかったんですよ。それを自分たちのルールとしてたみたいで。そのスタンスがすごくありがたかったです。

──作曲、作詞、アレンジ、歌のレコーディングといろんな行程があったと思いますが、一番大変だったポイントはどのあたりでしょうか?

中島美嘉:楽器のレコーディングと、自分の歌のレコーディングとかの制作ですね。家で作っている段階は自分のタイミングでどうにかできたんですけど、アーティストのみなさんに動いてもらうとなると、自分のタイミングでは一切動けないので。どうやってみんなの体力を維持するか、みたいなことを全員で考えてました。

──プロデューサーとして、楽器のレコーディングにも関わっていったんですね。

中島美嘉:全部のレコーディングに行きました。そこまで行ったのは初めてでしたね。で、申し訳ないぐらい細かくいろいろお伝えしました。COLDFEETと好みとか感覚が似ているので、私がうまく説明できないような音をふたりが一生懸命伝えてくれたりして。イメージが結構しっかりあったので、ひとつの音でも気に入らなかったら次の日に録り直しさせてもらったりもしました。

──サウンド面のプロデュースも前からやってみたかった部分だったんですか?

中島美嘉:やる機会があればやってみたいかな、くらいでしたね。だから、わかりやすく自分はこういう音が好きなんだっていう嗜好があると思ってなくて。このセルフプロデュースがなければ気付かなかったと思います。


──ロックサウンドの「HELLO」から始まり、ブルージーな「Puzzle」、英詞の「I'm here」やスカの「めんどくさい」など、本当に音楽性が幅広いですよね。どのようなインスピレーションで出てきたんですか?

中島美嘉:わかりやすく言うと、その日機嫌が悪かったからこの曲になったんだろうな、みたいな。イライラしてる時もあったし、ちょっと悲しい時も、いい思い出をちゃんと書いておこうという時もあったし、その時々の感情そのままなんです。だから、一切嘘をついてないと思います。器用じゃないから「今日は絶対バラード書くぞ」とかはできなくて。いろんなサウンドを聴きながら、その日の気分で「これだ」って決めて書いていきました。

──何かキャラクターを演じているとかでなくて、ご自身のいろんな感情が歌になっていると。じゃあ、「めんどくさい」は、まさに…。

中島美嘉:めんどくさかったんです(笑)。たぶん、いろいろ考えるのがめんどくさくなったんですよね。この曲は一気に書き上げたんですけど、当時は毎日毎日部屋でずっと書いていたので。何を書こうかなって考えながらボーっとしていると、その行為自体がめんどくさくなったりして。

──(笑)タイトルすら「めんどくさい」になったと。

中島美嘉:そう。最初は仮タイトルだったんですけど、考えるのが面倒でそのまま送ったら、COLDFEETが「これタイトルなの?」って。「仮タイトルだから気にしないで」って言ったら「おもしろいからこのままでいいんじゃない?」って言われたので、タイトルになっちゃいました。

──(笑)。次の「CEO」も「ふざけるな 決めつけるんじゃない」ってストレートな言葉が出てきますけど、このあたりも湧き上がるものがあったわけですか。

中島美嘉:イライラしてましたね。はははは(笑)。自分もイライラすることがあるし、きっとこういうことを言いたくても言えない人がいっぱいいるだろうなと思って。そこで遠慮した言葉を使っても仕方ないから、遠慮はしませんでした。むしろもうちょっとインパクトある言葉がないかなって探して、こうなった感じです。

──レコーディングの時も、その感情をどんどんぶつけていくようなスタイルで?

中島美嘉:そうですね。あまり張り切って歌うものじゃないし、一気に歌ったほうがいいと思ったので。もう2~3回だけ歌った感じでしたね。COLDFEETのLori(Fine)ともよく話していたんですけど、デモの歌のほうが良かったりするんですよ。生まれた時の感情100%で歌えているので。だから、デモ声を出すにはどうすればいいんだろうって話しながら、本番も録っていて。それが結構難しかったですね。

──そういう感情的な2曲があったあとに、「信じて」というバラードが入ってきて、「Delusion」はファンタジーな世界観のある楽曲で。EDMな「Life is drive」からハードロックな「茨の海」と…後半も怒涛の展開ですよね。

中島美嘉:そうですね。安心させないというか、ピークを迎えますねって言われました(笑)。もう、その時の曲はその時の気持ちだから、同じ人が歌ってはいないのかもしれないです。


──ご自身で中島美嘉っていうアーティストをプロデュースするみたいな客観性があったのか、それとも自分が歌いたい歌をという感じだったのか、そのあたりはいかがですか?

中島美嘉:どっちもありますね。ちゃんと自分が歌いたい歌じゃないといけないし、私も中島美嘉というアーティストをいろいろ知っている中で、こういう曲を歌ってみてもおもしろいんじゃないかなというのも一応考えてはいました。

──「茨の海」のようなハードなサウンドは結構新鮮でした。

中島美嘉:私自身はもともとこういう重いロックがすごく好きなので、全然意外ではないんですよ。COLDFEETも、絶対このトラック選ぶだろうなと思ってたって言ってました。私も聴いた瞬間に「来たー」と思って選んだんです。演歌とか歌謡曲みたいなものを書きたいと思って、歌詞も時代劇っぽくしてみました。

──そうなんですね。歌ってみた感想は?

中島美嘉:レコーディングとしては、やっぱり一番大変な曲でしたね。普通に歌うとサウンドに負けてしまうので、3回くらい歌い直してやっと納得いく声が録れて。さらにバッキングのコーラスがめちゃくちゃ多いので、もう一日別日を取って、コーラスも全部自分の声でやりました。改めて、すごい曲になったなあと思います(笑)。

──そこから、軽やかなポップスの「Special Day」を挟んで、「愛のしずく」というバラードで終わるエンディングが素敵ですね。ちょっと和テイストですが、ラストはバラードで締めくくろうと?。

中島美嘉:自分の中では、ありそうでなかった曲調なんですけど。やっぱり、こういう歌いあげるようなバラードが、みなさんの中島美嘉に対するイメージとして強い気がするんですよね。だから、最後2曲はほっこりと終わるのがいいなと思います。まあ、リピートした場合、また「HELLO」が始まるんですけど(笑)。

──プロデュースも挑戦だったと思いますが、ヴォーカリストとしても、これだけ幅広いジャンルの曲を歌うのはチャレンジだったんじゃないですか?

中島美嘉:うーん…ジャンルに関しては、正直、私は未だに詳しく分けられないというか、好き嫌いしかないんですよ。20年やってるんだから詳しいだろうと思われがちなんですけど、こういうジャンルが好きとか、このジャンルだからいやとかは全くなくて。とにかく好き嫌いははっきりしているから、いろんな色になるのかもしれないですね。自分でも、いろんな声を出せるようになったなあとは思いました。もしかしたらこれが自分の一番好きなアーティスト像かもしれないって、このアルバムを作って改めて思いました。


──幅の広さという意味で、女優としてお芝居をやってきた経験みたいなものからつながっているところは感じますか?

中島美嘉:つながってるところもあると思います。でも、表に出る経験よりも、出ていない時の経験というか、普通に生活してる時の経験のほうが、もしかしたら大きいかもしれないですね。女優にしても歌にしても、そういうものが反映されていくような気がします。

──プロデュースしてみて、ご自身から見た中島美嘉っていうアーティストに対しての印象を言葉にするといかがですか?

中島美嘉:情緒不安定だなと(笑)。性格的に常にキーキーしてるほうではないと思うんですけど、誰しもどこかで波みたいなものあるじゃないですか。それが、ひとりの時だと特に激しいタイプなんだなと思いました。でも、穏やかな性格じゃなくて良かったとも、初めて思いましたね(笑)。もうちょっと大人にならなきゃとか、落ち着いていかなきゃと思っていたんですけど、作品にするにはこのぐらいでいいんだなってちゃんと思えました。

──喜怒哀楽の情緒があったからこそ、これだけの歌を嘘なく表現できたということですもんね。

中島美嘉:そうです。どれも嘘じゃないです。友達からも、「なんの狙いもなければ、そのままの美嘉っぽいものを全部やってるよね」って言われましたから。

──20周年を越えたタイミングで、嘘のないアルバムが出せるって素晴らしいことですよ。

中島美嘉:すごく贅沢だと思います。20年と言ったら、逆に何かスタイルを決めなきゃいけなかったり、その決めたことをやり抜かなきゃいけない年なのかもしれないなあと思ってたんですけど。新しいチャレンジができるのは、ありがたいことですよね。

──逆に自分をさらけ出すことの怖さみたいなものもあると思うんですけど、嘘をつかないことの難しさはありませんでしたか?

中島美嘉:私、嘘をつくほうが難しいんです。人にいただいた歌詞とかでも、それが自分のどこかの感情に当たって納得できるまでは、どうやって歌うのかが全然わからないくらい。嘘をつかないと言うとかっこよく聞こえるかもしれないですけど、とりあえず器用じゃないんです。

──となると、きっとどこかのタイミングでセルフプロデュースをするべきだったんでしょうね。

中島美嘉:はい。自分の助けにはなったかもしれないですね。自分を救った気がします。

──じゃあ、次もセルフプロデュースで?

中島美嘉:いや、みんな「これからも全部やりますか」って言ってくれるんですけど、するつもりはないです(笑)。やるとしたら、何か自分でちゃんと理由とかきっかけを作れた時ですね。でも、もし自分でやるとなった時は、また100%やるんだと思いますけど。

──7月から<MIKA NAKASHIMA CONCERT TOUR 2022『 I 』>が始まりますが、ライブもいろんな形が考えられそうですね。

中島美嘉:いやあ、もうどうしようかなと。もちろん今までの曲たちも歌いたいから、アルバムの曲とつなぐのは大変だろうなあと思ってます。でも、私は先に考えすぎると全部だめになるので、歌ってみないとわからないんですよ。だから、どこまでどう表現できるのか、今は自分でも楽しみにしてます。

──20周年を終えてこのアルバムができたことで、ここから先の新しいイメージは見えましたか?

中島美嘉:何も見えてないですねえ(笑)。むしろ、見えなくなったと思います。このアルバムを作れて、すごく可能性が広がった気がしていて。もっと予測がつかなくなりました。ということは、さらにいろんなことを期待してくれるスタッフやファンの方たちがいてくれるかもしれないので。そこを私自身も楽しんでいきたいと思います。

取材・文◎後藤寛子


中島美嘉『I』

2022年5月4日(水)発売
初回盤(EPサイズ三方背ケース)AICL-4227-4228 CD+オリジナルニット帽 定価¥4,620
通常盤 CD ONLY AICL-4229 定価¥3,300
1.HELLO
2.Puzzle
3.僕には
4.I'm Here
5.Phantom
6.めんどくさい
7.CEO
8.信じて
9.Delusion
10.LIFE IS A DRIVE
11.茨の海
12.Special Day
13.愛のしずく
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初回盤


通常盤

<MIKA NAKASHIMA CONCERT TOUR 2022『I』>

・グッズ付きチケット (全席指定) ¥11,000 (税込)※オリジナルグッズ付き
・グッズ付きペアチケット (全席指定) ¥22,000 (税込)※オリジナルグッズ付 / オリジナルポストカード付
・ペアチケット (全席指定) ¥17,600 (税込)
・指定席 (全席指定) ¥8,800 (税込)
※3歳以上有料
※3歳未満のお子様は保護者1名につき1名まで膝上鑑賞可(但し座席が必要な場合は有料)
※「グッズ付きチケット」「グッズ付きペアチケット」「ペアチケット」はファンクラブ先行とローチケプレリク1次受付のみとなります。

■7月8日(金) 千葉 市原市市民会館 開場17:45 / 開演18:30
[問]市原市市民会館チケットセンター:0570-043-043(9:00~17:00)
■7月16日(土) 大阪 南海浪切ホール 開場17:45 / 開演18:30
[問]浪切チケットカウンター:072-439-4915
■7月18日(月・祝) 愛知 アイプラザ豊橋 開場16:15 / 開演17:00
[問]ラウンド・アバウト:03-6418-7205 アイプラザ豊橋 0532-46-7181
■7月22日(金) 岩手 北上市文化交流センター (さくらホール) 開場17:45 / 開演18:30
[問]クールマイン:022-796-8700(平日11:00~19:00) さくらホール:0197-61-3500
■7月23日(土) 山形 シェルターなんようホール(南陽市文化会館) 開場16:15 / 開演17:00
[問]クールマイン:022-796-8700(平日11:00~19:00) 
シェルターなんようホール(南陽市文化会館):0238-40-1222
■7月30日(土) 京都 文化パルク城陽 プラムホール 開場16:15 / 開演17:00
[問]文化パルク城陽:0774-55-1010(休館日を除く9:00~)
■7月31日(日) 兵庫 丹波篠山市立田園交響ホール 開場16:15 / 開演17:00
[問]丹波篠山市立田園交響ホール:079-552-3600
■8月5日(金) 茨城 ひたちなか市文化会館大ホール 開場17:45 / 開演18:30
[問]茨城放送イベント事業部:029-243-4111(月~金10:00~17:00)
■8月19日(金) 埼玉 川口総合文化センター・リリア メインホール 開場17:45 / 開演18:30
[問]中島美嘉公演事務局:03-5778-9523(平日12:00~15:00)
■8月21日(日) 静岡 焼津文化会館 開場16:15 / 開演17:00
[問]焼津文化会館:054-627-3111
■8月27日(土) 長野 岡谷市文化会館カノラホール 開場16:15 / 開演17:00
[問]岡谷市カノラホール:0266-24-1300
■8月28日(日) 群馬 伊勢崎市文化会館 開場16:15 / 開演17:00
[問]伊勢崎市文化会館:0270-23-6070
■8月31日(水) 大阪NHK大阪ホール 開場17:45 / 開演18:30
[問]中島美嘉公演事務局:03-5778-9523(平日12:00~15:00)
■9月2日(金) 福島 白河文化交流館コミネス 開場17:45 / 開演18:30
[問]白河文化交流館コミネス:0248-23-5300
■9月4日(日) 秋田 ほくしか鹿鳴ホール(大館市民文化会館) 開場16:15 / 開演17:00
[問]ほくしか鹿鳴ホール(大館市民文化会館):0186-49-7066
■9月13日(火) 東京LINE CUBE SHIBUYA 開場17:45 / 開演18:30
[問]中島美嘉公演事務局:03-5778-9523(平日12:00~15:00)

◆中島美嘉オフィシャルサイト
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