【インタビュー】田畑実和、“応援大好き”なSSWが届けるメジャーデビュー作「ココロミュージカル」

■ラブソング自体、今回初めて歌ったんですよ。
■捉え方によっては応援ソングになることにも気づいた

──その後、楽曲を作っていく中で、自分らしさにも気づいてきたと思うのですが、どんなことを大切に言葉選びをしてきましたか？

田畑：私は自分が書く中で、難しすぎる言葉は使わないようにしています。素直に思ったことを歌うことでみなさんに届けられたらなということはすごく思っていて。私の曲で「はじまりの足音」というウェルカムソングがあるんですが、それには特に表れている気がします。みんながそれぞれの気持ちで聴いたときに、グッとくるような曲を歌えたらいいなということは、ずっと思っています。

──普段は気持ちを素直に言葉で伝えられるタイプですか？

田畑：それがまったく！（笑）　内に秘めるタイプなんです（笑）。

──だからイヤなことをメモしているんですね（笑）。

田畑：そうかも（笑）。自分の中でたくさんの感情を溜めているタイプです。なので、「生きる」という曲は、本当にイヤなことが合った時に書いたんですが、披露したら、みなさんに“ギャップがあるな”って言われて。

──本音なのに。

田畑：そうなんです。でも、それも私の本当の気持ちなんですよ。

──となると、自分の曲に自分の気持ちを教えられることも多いのではないでしょうか。

田畑：ありますね。普段、親にもあまり自分の事を話さないタイプだったんですよ。中学生の時に初めて作った曲には、親への感謝を綴っていて、聴かせたときにすごく喜んでくれたんです。その時から、ちゃんと日ごろから思っていることは伝えた方が良いなって思っていました。でも、なかなか出来ないんですけどね（笑）。

──あはは。さて、曲の話に戻りますね。サウンド面についてもお伺いしたいのですが、「ココロミュージカル」はどのように選曲していったのでしょうか。

田畑：プレデビューシングルは、王道ポップスだったんですが、今回はADMの曲となっているんです。ちょっとテンポ感があるこのような曲はあまり歌ったことがなかったんですよね。でも、スタッフさんに提案していただいたときに、すごく素敵な曲だと思ったんです。

──すごくかわいらしい曲ですよね。実際に歌ってみて、お気に入りの所はありましたか？

田畑：サビ前の部分は自分で聴きながらキュンとしています（笑）。さらにそこから盛り上がっていくテンポとか、一緒に手拍子してもらいたいこの場所は前向きになれるところなので、一緒に楽しんでもらいたいですね。

▲「ココロミュージカル」通常盤
──カップリングの「キライキライキライ」はすごく印象的なタイトルですね。

田畑：もともと頂いた曲は、タイトルも全く違っていたんです。でも、サビにキライという言葉があるからこそ、つけることにしました。恋をしている時の、好きだけど素直になれない気持ちなどはたくさんの人に共感してもらえるんじゃないかなって思うんですよね。一見重たそうなタイトルですが、すごくポップでビート感のある楽曲なので、題名にとらわれず聴いていただけたら嬉しいです。

──でもかわいいタイトルだと思いますよ。

田畑：嬉しいです！　

──2曲とも、かわいらしくて、あまのじゃくな主人公が、田畑さんとリンクするのかなと思ったのですが、いかがですか？

田畑：自分の体験も投影されている気がします。サビの歌詞は“あるある”だと思うので、みなさん、きっと共感してもらえると思います。

──レコーディングは順調でしたか？

田畑：今回、歌ったことがないジャンルで、どう歌っていこうかすごく難しくて悩みました。普段はバラードや聴きやすいポップスが多いんです。ここまでアップテンポの曲を歌ったことがなかったので、どうやって歌ったら聴きやすいのか、キュンとしてもらえるのかなというのを考えるのが苦労しました。

──新たな自分に出会えましたね。

田畑：はい。この楽曲に歌うような歌い方や、声質など考えながら歌っているので、すごく幅が広がったのかなと思います。

──新しいジャンルを歌ったことで、今後やってみたいことも増えたのではないでしょうか。

田畑：そうですね。ラブソング自体、今回初めて歌ったんですよ。

──恥ずかしかった？

田畑：そうですね。どうしても、応援ソングばかりになってしまっていて。でも、今回歌詞を書いてみて、ラブソングは捉え方によっては応援ソングになることにも気づいたので、これからはもっと書いてみたいなと思いました。

──基本的にすごく応援したいんですね。

田畑：応援したいです！（笑）　

──ちなみに、歌詞を作るうえでは妄想力や想像力が必要になってくると思うのですが……。

田畑：昔はよく自分で物語を作っていました。セリフも言いながら、ひとりでミュージカルをしていましたね（笑）。

──掛け合いをしていたんですか？

田畑：していました（笑）。頭の中に浮かんだものを主人公にして物語を作っていくんです。でも、それを誰にも聞かれないように小さな声でやっていて（笑）。

──その流れで作詞はしなかったんですか？

田畑：作詞はしていなかったですね。でも、物語を作ることにはハマっていました。お風呂の時間が異様にながかったので、親には“何してるんだろう”って思われていたかもしれません（笑）。

──あはは。でも、今回新しいことを乗り越えたことによって新たな自信も出てきたのではないでしょうか。

田畑：そうですね。これからもいろんなジャンルに挑戦したいですし、いろんな想いを届けたいと思います。もちろん、これからも大好きな応援ソングもたくさん作っていきたいと思っています！

取材・文◎吉田可奈

▲「ココロミュージカル」初回限定盤