【インタビュー】酒村ゆっけ、「期待と楽しみと可能性で、どんどん創作欲が膨らんでいる」
■音楽を始めたばっかりで何言ってるんだって話かもしれませんが
■これまでにないような音楽のシーンを作りたいなって思っています
──ではここから、1st EP『ほろよいミッドナイト』について具体的にうかがっていきたいと思います。一部共作もあるようですが、歌詞はゆっけ、さんご自身が手掛けていらっしゃいますね。
酒村ゆっけ、:はい。作詞は自分でやりたいと挙手しました。
──今回の4曲は、このデビューが決まってから作ったものなんですか?
酒村ゆっけ、:「アルコールは魔法だね」は1年前くらいに作ったもので、他はその後、同じくらいの時期に完成した気がします。
──その「アルコールは魔法だね」の歌詞には、ゆっけ、さんのYouTubeチャンネルではお馴染みのワードが溢れています。
酒村ゆっけ、:この曲を作ったのは、アーティストとかそういう話がまだ何もない時で。単純に酒村ゆっけ、っぽい曲、視聴者さんが喜んでくれそうな曲にするみたいな感じで、自分の語録とか、日々みんなが聞き慣れているような言葉をめちゃくちゃ盛り込んでみました。──ここでいう「魔法」ってどういうことなんでしょう。
酒村ゆっけ、:このタイトルはパッと閃いて決めたので、熟考したわけではないんです。「魔法だね」っていうのは、パルプンテみたいな感じ。いいことも引き起こしてくれれば最悪なことも引き起こすし、人と仲良くなるきっかけになってくれたり、自分を見つめ直す瞬間になってくれたりする。ある種本当に何が起こるかわからない魔法だね、みたいな意味です。ゲームとかで、その呪文を唱えると何が起こるかわかんない、最悪なことが起こるかもしれないし良いことが起こるかもしれないっていう、そういう効果を持っている呪文みたいな感じなのかなって思います。
──「カンパイネーション」の歌詞も日常感がベースになっていると思うのですが、かなり言葉数が多くて捲し立てるようなボーカルが印象的でした。
酒村ゆっけ、:毎回、歌詞は曲が出来上がってから考えるんですね。この曲は04 Limited SazabysのKOUHEIさんがアレンジしてくださったんですが、すごく元気、だけどたまに気が抜けたようなシーンも入っていたので、そういう曲調に合わせた歌詞を付けさせていただきました。今まで歌ったことのない早口みたいなタイプの歌だったので、(レコーディングが)一番難しい曲でした。早口言葉を頑張ろうの回、みたいな(笑)。
──ライブだともっと大変そうじゃないですか(笑)?
酒村ゆっけ、:体力消耗する系の曲だから、運動が得意な人ならいけるのかも。私は運動ができないから、ライブとかで私が息切れしたらみんながステージに出て来て歌ってくれるっていう感じになったらいいなと思います(笑)。私の視聴者さんは距離感が近いというか飲み友くらいの感覚でいる方が多いと思うので、みんなで楽しく歌って欲しいなって(笑)。
──協力体制で(笑)。
酒村ゆっけ、:はい。この歌詞には野球に関するワードも出てくるんですが、野球もチームワークだし、1人じゃなくみんなで歌った方が楽しい曲なんじゃないかなって思っています。
──「夢見るゲレンデ」はNACK5ウィンターアロハ2022のキャンペーンソングとして書き下ろされたそうですね。
酒村ゆっけ、:はい。まずこの曲が上がって来た時は、いつもと違う、良い意味で王道なJ-POP寄りのロックだなと。爽やかさもあって、誰もが聴きやすい曲だなって思いました。歌詞はちょっと特殊で、(先方からの)お題みたいなものがあったんです。ウィンタースポーツのラジオで流れる曲だから、冬っぽい且つ明るく、とか。私にとっては挑戦的な作詞でした。
──でも作家として、面白いチャレンジだったのでは?
酒村ゆっけ、:そうですね。いつもお酒ばっかり歌っているから似たり寄ったりみたいな感じになりかねないんですが、これはお酒を取っ払った上での、今までにない自分のジャンルでの作詞だったので、新しい扉というか、結構自分のキャラから逸脱した感じの作詞になりました。恋愛の曲だし、言葉とかもかわいい系だなって出来上がったものを聴いて思いました。あとこれに関しては、物語みたいなものも描けたかなと思って気に入っています。
──今回の表題曲でもある「ほろよいミッドナイト」についてはどうですか?
酒村ゆっけ、:この歌詞に関してはサイトウリョウタさんと一緒に作ったので、2人の世界観が生かされた、新しい試みの曲になっています。
──MVでは一人二役を演じられていましたね。
酒村ゆっけ、:最初は、普通にバーテンダー役の人を入れようという話だったんです。でも、人とフレンドリーに出来ないというか、人見知りなので緊張しちゃうし、話しかけられると壮大なポイントを使ってしまうということもあって私が普段からバーに行けないことを視聴者さんは知っているから、一人二役でやっちゃうことにしました。
──撮影の現場は楽しかったですか?
酒村ゆっけ、:初めてちゃんと監督さんを入れて作ってくださったので、映像の監督にも興味がある側としては、撮り方なども見ることが出来てすごく面白かったです。学習の場として勉強にもなりましたし、MVがそもそも好きなので今後もどんどん作っていきたいなと思いました。
──4月29日からは、このEPのリリースツアー<酔わ★NIGHT~今宵ほろ酔いミッドナイト~>も開催されますが、こちらも楽しみですね。
酒村ゆっけ、:画面越しでしか乾杯したことがなかった全国の乾杯仲間たちが集まってくれると思うので、まずはその人たちに楽しんでもらえるようなライブにしたいなって思っています。そのためにどうするかっていうことを今模索しているところです。
──今回は対バンゲストでもあるMOSHIMOと一緒ですから、ある意味心強いのでは!?
酒村ゆっけ、:はい。大先輩に頼らせてもらいます(笑)。
──では今後についてですが、音楽面ではどういう活動をしていきたいとお考えですか?
酒村ゆっけ、:いろいろあるんですが、まず人の心を動かす、映画みたいなライブをしてみたいというのと、ミュージカルや舞台に近いような、物語が目で見て分かるようなライブを作ってみたいし、演出をやってみたいというのもあります。私が音楽を知るきっかけはインターネットのMVとかが多いので、MV作りにも力を入れたいし、好きな監督さんと一緒にタッグを組んで作ってみたいなとも思っています。得意な映像と文章、作詞ですが、それで世界観を作るというのと、そこに音楽を組み合わせて、今の自分の居場所であり主戦場であるインターネットを駆使しながら、現実的にというか、実際の場でも上手く回るようにしていきたいです。音楽を始めたばっかりで何言ってるんだって話かもしれませんが、これまでにないような音楽のシーンを作りたいなって思っています。
取材・文:山田邦子
リリース情報
NOIS-001 ¥1,980(税込)
1.ほろよいミッドナイト
2.カンパイネーション
3.アルコールは魔法だね
4.夢見るゲレンデ
ライブ・イベント情報
2022/4/29(金・祝) Shibuya WWW X (東京都)
2022/5/6(金) 名古屋ell.FITSALL (愛知県)
2022/5/7(土) 梅田Shangri-La (大阪府)
2022/5/9(月) 福岡graf (福岡県)
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