【インタビュー前編】Psycho le Cému、新章スタート前夜に語る「常に新しいものを」
■クオリティーは絶対
■今のほうがすごいですよ
──「アカツキ」をテーマソングとして掲げ、10月からのツアーに漕ぎ出たわけですね。YURAサマはこの曲に対してどう思われましたか?
YURAサマ:seekが最初にアイデアを持ってきた時に、偉いなと。自分が書いた曲じゃない曲で、めちゃくちゃ曲のストック数がある中、“頭の片隅にでもよく置いてたな”って(笑)。たしかにそういう新曲を出したほうがいいし、今出すべきだし、ファンの人も喜んでくれるだろうというところで、“何も止めるものはない”っていうか。“じゃあ、やりますか”と決まったら、そこからは早かったですね。どういうメッセージが込められているのか?は理解していたので、演奏的にはそういうエネルギーに溢れているフレーズにしたいな、とは思いながら叩きました。
──AYAさんはいかがですか?
AYA:やっぱり新曲を出せたのは良かったですね、単純にうれしかったです。新曲ということだけで言うと2年ぶりぐらいに出したんですけど、その2年前に思っていた“次の作品をこういう音にしたいな”というイメージと繋がった感じはしました。“あ、変わってなかったな”と。
──プレイヤー的にはどうでしたか?
AYA:コロナ禍の自粛期間に家で作業することも多くなって、自宅でレコーディングができる技術が、たぶんメンバー全員上がっていて。すごくスムーズにできたので、それはそれでいい経験になったかな?と思います。
▲seek (B)
──DAISHIさんは歌っていてどうでしたか?
DAISHI:歌いやすいですね。あとは、YURAサマとちょっと違う感じ方かもしれないけど、“seekはプリプロの曲、家で聴いてるんやろうな~”って感じ(笑)。
seek:聴くやろ! 自分のバンドの曲なんやから。
DAISHI:バンド愛の違いがいつもここに出るんです、僕はそんなに聴かないんで(笑)。完成したCDは聴きますよ。 でも途中のプリプロ音源なんて聴かないです。やっぱり出来上がったものを聴きたいので。メロディーを覚えるために勉強としては聴きますけど、seekはたぶんそういう感覚じゃなくても聴いてるんだと思うんですよね。
──立派だなと?
DAISHI:そう、立派だなと。YURAサマも絶対聴いてないですから(笑)。
YURAサマ:D(DAISHI)より聴いてない(笑)。完成しても聴かないですもんね。だから叩いてる時がピークかな。
DAISHI:僕はだいたい洗い物の時にPsycho le Cémuの曲聴きますよ。料理つくる時とか。
seek:どういう気持ちなん? 歌うん?
DAISHI:鼻歌を歌う。料理つくるとか洗い物した時とか一番音楽聴くかも。
──トレーニング中は聴かないんですか?
DAISHI:トレーニング中も聴きますよ。でも、料理している時が一番聴きます。「アカツキ」は、新曲なのに結成当初からあるぐらいの、昔からある曲のような感じがしますね。
seek:DAISHIさんには、その現象がたまに来るんですよ。Lidaさんの曲において特にそうなんですけど、“初めて歌った感じじゃなく、いつか歌ってる”みたいな捉え方をする曲が。
DAISHI:うん、あるなぁ。
seek:周期的にあるんですけど、この曲もそのパターンですね。
DAISHI:「妄想グラフィティー」とかは、“初めて歌った~!”って感じしたけどね(笑)。
AYA:あはは!
Lida:それって何かの節目なんやろうな。スポットみたいなものがあるんやと思うんやけど。
seek:俺は逆に、Lidaさんが作曲する時に、Dの気持ちになってつくってるんちゃうんかな?と思ってるんですよね。
AYA:写真を置いてつくってる?
YURAサマ:Dの写真を?!
DAISHI:あかんで! メディアで訳分からんこと言わんほうがええ(笑)。どう誘導したいん?!
seek:たまにシンクロして、ガッチャンコして“二人で一つ”の作品になってることがある。
YURAサマ:俺ら三人はそう思ってたからな。“絶対、写真見ながら書いてる”。
DAISHI:お前らも俺の写真見ながら書けよ(一同笑)!
Lida:活動を始めた1997年とかには、当時は今と違って、家電(家の電話)で歌を伝えてデモをつくってたんですよ。DAISHIが歌う思い付きの歌を電話で聴いて、僕がなんとなくメロディーを覚えて歌詞を書いて、コードを当てて。今度は僕が、受話器を置いてこないして(※受話器に向かってギターを弾くジェスチャー)。
▲YURAサマ (Dr)
──いい話じゃないですか!
Lida:まぁでも、DAISHIを思って書かないですけどね。
──急に声のトーンが下がりましたが(笑)。お二人は以心伝心なんですね?
Lida:そう思うってことは、何かあるんでしょうね、染み着いてるものが。
DAISHI:2014年に復活してから、僕のブレスやキーに対して“わ、しんどい!”と思った新曲はあまりないですね。それはメンバー全員そうです。“この曲、歌めちゃくちゃ歌いにくいな”というのが若い時はいっぱいありましたけどね。字数が多い、ブレスが無い、キーが高過ぎとか。
Lida:それは最近分かったことやろ? 当時はたぶん、そんなこと考えてない。
DAISHI:うん、そうだ。当時は考えてない考えてない。
──DAISHIさんがヴォーカリストとして熟練し、難しいとは感じなくなった、ということではないのですか?
DAISHI:いや、それは全然。昔の曲は今歌っててもやっぱり難しいですもん。
seek:でもどっちもじゃないですか? やっぱりDAISHIさんは技術が上がってるし、俺らもたぶん作曲技術は上がってやろうるし。
DAISHI:まぁ、そうやな。
──DAISHIさんの声の良さを活かすキーやブレスを熟知して。
seek:そうですね、それをだんだん俺らも分かってきてるんだと思います。
DAISHI:ファンの人たちは、インディーズの頃の曲がいいとか、デビュー直後ぐらいの曲に対する思い入れが強いかもしれないですけど……まぁ僕らも思い入れはありますけど、クオリティーは絶対今のほうがすごいですよ? いい曲書いてますよ。
──こうしてお話を伺っていて、バンドの今のモードとして、お互いにリスペクトし合い、刺激し合っているように感じます。
DAISHI:人間的にも不安要素がないですからね。
seek:俺ら自身はたしかにお互い不安要素は無いし、めっちゃ仲いいんですけど。この後で出てくる話にも繋がっていくかもしれないんですけど、“バンド感”という意味で言うと、ちょっと僕は思うところがあって。活動自体としては、Psycho le Cémuというバンド感はもう少し出したいな、と今思っているんです。
取材・文◎大前多恵
■<23rd.ANNIVERSARY Psycho le Cému New Concept Live RESISTANCE〜覚醒の狼煙〜>
open17:15 / start18:00
▼チケット一般発売
販売開始:4月10日(日) 10:00〜
ローソンチケット https://l-tike.com/plc/
※web受付のみ
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