【ライブレポート】22/7、新体制での東名阪ツアー完遂。9thシングル発売&追加公演開催を発表
新メンバー8名が加わった14人の新体制で22/7が実施した東名阪ツアーのファイナル公演が、3月27日にZepp DiverCity(TOKYO)で開催された。9thシングルの発売ならびにツアー追加公演も発表となった夜公演の模様をレポートする。
◆ライブ画像
ステージ狭しと一列に立ち並んだ14の黒い影が光を浴び、新生22/7としてその姿を現すと、幕開けとなった「ムズイ」から「理解者」へ、かつてない厚みのハーモニーを響かせ一糸乱れぬパフォーマンスで楽曲を生まれ変わらせていく。これまでの22/7の歴史もフォーメーションの変化とともにあったが、迷いや恐れを感じさせない強さを持って見る者の意識を釘付けにした。そんな緊張を解いたのは、爽やかな青春曲「ポニーテールは振り向かせない」。「何もしてあげられない」のドラマ性あふれる群舞も圧巻だった。
「ツアー最終公演、有終の美を……」と言うつもりが「“最終”の美を飾る」と言い間違えてしまった宮瀬玲奈。舞台出演で経験を踏み続けている成果だろうか、堂々とした口ぶりで「それくらい、気合が入っているということです!」と乗り切り、場を和ませた。
天城サリーを支柱とし、全員がパッと両腕を広げて作り出す大きな帆で、よりメッセージ性強く漕ぎ出した「風は吹いてるか?」。望月りのが、伸びやかな歌声でその進みを押す。河瀬詩と椎名桜月をはじめメンバー同士ペアとなって手と手を取り、見つめ合いながら夢の宇宙を描く「君はMoon」。
一転して、刹那に身を焦がすかのキレキレのダンスが目を奪う「Just here and now」。「理由がなきゃダメ?」と甘えたセリフを披露する白沢かなえが次の「韋駄天娘」で先頭に立って力強く走り出す様にも翻弄された。ソロフレーズの歌い継ぎからも、新メンバーそれぞれの声の魅力が引き立つ。そんな公演変わりの3曲を経て、22/7の仲の良さが浮かぶ、癒やしのアンセム「循環バス」へ。
ほぼ毎日、一緒に練習してきたという14人。あるとき、いつもとは違うメニューを試してみようと「先輩メンバー6人」と「後輩メンバー8人」がそれぞれグループとなって踊り、お互いに感想をコメントしあうこととなったという。天城は「こんな恐ろしい練習、誰が考えたんだろうね」とメンバーにこぼしていたのだが、実は白沢と宮瀬発案だったから驚き……という裏話も。そこで涼花萌が「萌先輩かわいい」というコメントをもらったことをにこやかに話すが、すぐに「本当は?」と詰め寄られ「先輩方かわいい」だったと白状させられる場面も笑いを誘った。また、この日、楽屋での天城と涼花のちょっとしたいたずらに宮瀬が引っかかってしまった話でも、河瀬の「いいかげんにしてください」というツッコミが小気味良くきまった。
ここで、新メンバーの自己紹介が行われる。昼公演で話された内容も含みつつ、あらためて8人のユニークなキャラクターをお届けしよう。
チアダンス仕込みの元気さで客席や配信視聴者に声掛けをし「国民的アイドルといえばナナニジと言われるくらい、大きなグループにする! 私自身も元気をいっぱい与えられるアイドルになりたい」と頼もしい夢を語ってくれた“りのち”こと望月りの。「ナナニジのプリンスの座を狙っています!」と宣言するのは、メンバー全員を彼女にする勢いの“えまっちゃ”こと月城咲舞。
インドネシア出身の“るーちゃん”こと四条月の特技はインドネシア舞踊と、アナウンサースクールにも通っていたという下地のあるニュース原稿を読むことで、その天然すぎる挨拶が笑いを呼ぶ。「大好きな歌を歌うことで思いを届けていきたい」と、穏やかながらも芯のある声で伝えた“しぃちゃん”こと椎名桜月。今日が誕生日ということで、昼公演では2日後に誕生日を控えた望月とともにサプライズで祝福を受けた。
“みなるん”こと清井美那は、フラッシュ暗算を特技とする頭脳と、山岳部で養った体力と精神力を持ってグループへの貢献を誓う。メンバー1の小柄さだが、このライブを通してもそれを感じさせないダイナミックなパフォーマンスで魅せてくれた。水泳とバレエを得意とし、演じることに憧れがあるという“おとぼう”こと雨夜音は、一番の緊張しいのよう。「スンってしていたら、手を降ってください」とお願いする様があどけなく、ほほえましかった。
日本代表にも選抜されたフェンシングと、長く続けてきた茶道の腕前を誇る一方、変な擬音語を日常会話に盛り込むことも特技な「まおすけ」こと麻丘真央。“なおてゃん”こと相川奈央は「普通で何でもない私を特別にしてくれるナナニジと、ファンのみなさんに恩返しをしていきたい」と控えめな言葉と、自称「あざとい」笑顔のギャップで惹きつけた。
そんな初々しい新メンバーのパワーが爆発し、さらなる進化を見せつけていく後半戦。一人ひとりが情感豊かにセリフを放つ「ヒヤシンス」は、清々しくも力強く、たしかな過去を秘めながら今の22/7を象徴する曲へと色を変えていた。白沢と麻丘、先輩と後輩が手を合わせ生まれるつぼみが清らか。秘密の恋心を歌った「シャンプーの匂いがした」とともに、たしかな春の訪れを告げるのだった。あこがれに満ちた後輩メンバーのまなざし、それを受け止める先輩メンバーの包容力で、これまで以上にリアルな物語が紡がれる。
もどかしさとせつなさに一層輝くかけらを抱いて、楽曲の世界へ引き込んでいく「僕が持ってるものなら」。やがて披露された本編ラストナンバーは、最新シングルへ。ここまで見せてきた、そして、この曲のつんのめるほど前向きなパフォーマンス以上に、その「覚醒」というタイトルを証明するものもなかった。
人との交わりを好まず注目されることが苦手な22/7の“陰”を象徴した西條と、はつらつとした笑顔で大きな野暮を抱く22/7の“陽”となり昇った望月。2人が背中合わせに寄り添って始まる衝撃。前へ、前へと走る彼女たちの先には、同じ熱量を持って向き合うファンがいる。その熱と熱がぶつかりあうところに、未来が生まれていくのだろう。興奮は、最高潮だ。
特報として、新メンバーも初参加する9thシングルが7月27日に発売されることが発表された。歌唱やダンス未経験者も含む後輩メンバーがどれほどの試練を乗り越え、この日を迎えたか察するにあまりあるものがあったが、まだ覗く固さや震えも、今にも殻を破ろうとする前触れだと確信した。
そんな可能性のかたまりである彼女たちとともに14人、いよいよ踏み出す、22/7第2章の1歩目──。これまでシングルをリリースするたびに着実な進化を遂げてきたグループだけに、どんなパワーアップした姿を見せてくれるのか期待せずにはいられない。
歓喜の中で歌われたアンコール1曲目は、デビュー曲「僕は存在していなかった」。メンバーカラーの「推しTシャツ」を着た先輩メンバーたちのように、今はまだ純白の後輩メンバーたちが、それぞれの“色”を咲かせる日も遠からず訪れるだろう。
「新メンバーが入ると聞いたとき『えー、こわいなー』と思いましたし、実際にステージに立っても『ナナニジ、変わるんだな』と実感しました。でも、こんな怖がりの私でも、今、良いふうに変わるのではないかと思えているし、それは新メンバーの力で、メンバーみんなの力でもあります。これからも、みなさんに見ていたいと思えるグループにしていきたいです」(西條)
新メンバーが楽しめるライブにすること。これまで応援してくれていたファンを安心させること。そして、ツアーをやるのもCDを出すのも当たり前のことではないのだから、感謝を忘れないこと。これまで以上にやわらかな表情とともにポテンシャルの高さを見せた先輩メンバーたちが語った並々ならぬ思いも胸を打った。
さらに、4月20日にツアーの追加公演を行うことが発表され、勢いに乗って歌われた「未来があるから」。歌、ダンス、ビジュアル、ユーモア……それぞれの魅力はあれど、共通して「素直」なところが彼女たちの強さでもある。一人ひとりの曇りのない表情が、変わりゆくグループの今を何よりも伝えていた。
文◎キツカワトモ
(c)22/7 PROJECT
公演情報
日程:2022年3月27日(日)
会場:東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
第一部:開場 12:15/開演 13:00
第二部:開場 17:15/開演 18:00
・配信情報
販売期間:3月10日(木)21:00~4月3日(日)21:00 ※見逃し配信有り
https://nanabunnonijyuuni-mobile.com/s/n110/page/live_tour_14
・第一部セットリスト
1.ムズイ
2.理解者
3.ポニーテールは振り向かせない
4.何もしてあげられない
5.風は吹いてるか?
6.ロマンスの積み木
7.Rain of lies
8.願いの眼差し
9.循環バス
10.ヒヤシンス
11.シャンプーの匂いがした
12.僕が持ってるものなら
13.覚醒
EN1.僕は存在していなかった
EN2.未来があるから
・第二部セットリスト
1.ムズイ
2.理解者
3.ポニーテールは振り向かせない
4.何もしてあげられない
5.風は吹いてるか?
6.君はMoon
7.Just here and now
8.韋駄天娘
9.循環バス
10.ヒヤシンス
11.シャンプーの匂いがした
12.僕が持ってるものなら
13.覚醒
EN1.僕は存在していなかった
EN2.未来があるから
追加公演情報
会場:東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
料金:指定席/女性エリア/車椅子席:いずれも7,700円(税込) ※ドリンク代別
ファンクラブ先行販売:3⽉27⽇(⽇)21:00〜4⽉3⽇(⽔)23:59
⼀般発売:4⽉14⽇(⽊)18:00〜
特設ページ:https://nanabunnonijyuuni-mobile.com/live_tour_14_detail/
9thシングル概要
タイトル:未定
形態数(全4形態)
(1)完全生産限定盤A SRCL-12150~2 / 7,000円(税込)
完全生産限定盤Aのご購入はコチラ https://227.lnk.to/vqAq1S2z
・CD
・Blu-ray:『22/7 LIVE TOUR 2022 「14」』昼公演@Zepp DiverCity(TOKYO)(2022.03.27)
・ライブフォトブック
・三方背BOX
・トレカ:完全生産限定盤Aアーティストトレカ14種のうちランダムで1枚を封入
(2)完全生産限定盤B SRCL-12153~5 / 7,000円(税込)
完全生産限定盤Bのご購入はコチラ https://227.lnk.to/mpdnLD7A
・CD
・Blu-ray:『22/7 LIVE TOUR 2022 「14」』夜公演@Zepp DiverCity(TOKYO)(2022.03.27)
・ライブフォトブック
・三方背BOX
・トレカ:完全生産限定盤Aアーティストトレカ14種のうちランダムで1枚を封入
(3)初回生産限定盤/SRCL-12156~7/1,850円(税込)
初回生産限定盤のご購入はコチラ https://227.lnk.to/ClpyrvvT
・CD
・Blu-ray:Making of Tour "22/7 LIVE TOUR 2022 「14」"
(4) 通常盤/SRCL-12158/1,250円(税込)
通常盤のご購入はコチラ https://227.lnk.to/K3362rvy
・CD only
※各形態のCD収録内容は後日発表します
◆22/7 オフィシャルサイト