【試奏レポ】あなたのアコギにリバーブがかかる、びっくりアイテムnatu-reverb
非常に面白いアイテムが登場した。その名もnatu-reverb(ナチュリバーブ)。電源やピックアップ搭載などといった面倒な改造は一切必要とせず、簡単にアコギやウクレレなどアコースティック楽器にリバーブ効果を付与してしまうびっくり商品だ。
ご覧の通り、リバーブ成分を生み出すのは6本のオーソドックスなスプリングで、アコギの振動がバネを揺らし、その振動をトップ板に伝えることで、ごく自然にスプリングリバーブが発生するという単純明快な構造となっている。スプリングがセットされたアルミ製の本体をサウンドホールの中にセットし、トップ表面からマグネットで固定するだけでセット完了だ。こうやって実物を見ると、なぜこれまで存在しなかったのかが不思議に思えてくるという、自然で無理のないアイディア・イクイップメントだ。
商品化においては、スプリングの質や大きさ・テンション・本数など、多くの試行錯誤を重ねたであろうことは想像に難くないが、基本的にオーソドックスなアコギで最大効果が得られるように設計されているに違いないと踏み、私はあえてミニギターでの使用感を確かめてみた。
セットしたギターはYAMAHA FG JUNIOR。いかに自然なリバーブが楽しめるかが最大ポイントだが、実際のところ、想像を超えたリバーブが飛び出してきた。サウンドホールの中に小宇宙ができたような、なんとも不思議な残響感が楽しめる。ミニギターという小さなボディサイズでもDepthはとても大きく、Decayもずいぶん長く4~5secほどの効果が発生する。あらゆる周波数帯に対しできるだけ響かせようと設計されたアコギだけに、どうやらリバーブ生成もお手のものだったようだ。とは言え、リバーブ自体の音量は自然なものなので、決してドライ音を邪魔するものではないのが優れているポイントだ。
マグネット装着のため取り外しも簡単で、トップが大きいアコギであれば、セットする場所によってリバーブのかかり具合も変わってくるようだ。ストラトの裏バネにスポンジなどを入れてミュートするとサウンドが変わるのはよく知られたところだけれど、スプリングをティッシュでミュートしたらリバーブ量を制御できるのか、あるいはスプリング自体を交換すればリバーブの質が変わるのか、スプリングの数を減らしたら、あるいはnatu-reverbを複数設置したら…と、たったひとつのnatu-reverbだけで、いろんな妄想と確かめてみたい衝動が湧き上がってくる。
もちろん勝手な改造などは保証を失う行為であり、とても薦められることではないけれど、理屈と機構がシンプルなだけに、可能性は大きく広がっている。いわゆる共鳴弦を追加するアイテムと考えれば、新たなサウンドやアイディアにもつながるシステムかも知れない。ボディを叩き、擦るようなスラム奏法などでは、このスプリングが大暴れしてくれるので、インスピレーションを大きく刺激するのではないか。フルアコやセミアコに転用したら…考えるだけでワクワクしてくる。
natu-reverbを開発した背景には「家で気軽にギターを弾く際にちょっと心地良い音」がコンセプトにあったという。YAMAHAからはトランスアコースティックギターというぶっ飛んだギターが発売されているけれど、愛用のアコギに一切の改造や手を加えることなく、こんなに楽しめるのは、何よりの朗報だ。
文◎烏丸哲也(JMN統括編集長)
natu-reverb
natu-reverb CG-1(クラシックギター用)
natu-reverb UK-1(ウクレレ用)
各¥16,500(税込)
※リリース記念40%OFF実施中(期間限定)
・natu-reverb本体×1
・マグネットパーツセット×1
・説明書×1
・保管用ポーチ×1
※30日間返品保証付き
◆natu-reverbオフィシャルサイト