【インタビュー】アルステイク、メッセージソングを軸に様々な曲を気合一発で聴かせる潔いバンドサウンド

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TETORAとammoを輩出した大阪Orange Owl Recordsが、第三弾として自信を持って送り出す三人組。岡山発、スリーピースロックバンド・アルステイク。ひだかよしあき(Vo&G)の書く赤裸々すぎる恋愛詞、言葉にならない叫びを閉じ込めたメッセージソングを軸に、メロコア、エモ、パンクな曲調から、ギターポップやバラードまでを、気合一発で聴かせる潔いバンドサウンド。ミュージックビデオの再生数も急上昇中の注目バンドだ。

■ライブをしてるうちにかっこいいと思うものが共通してることがわかって
■ちょっとずつ目指すところが同じ方向になってきたんだと思います


――大阪Orange Owl Recordsからの、第三の刺客。岡山のバンドのアルステイクが、Orange Owl Recordsとは、どんな縁があったんですか。

ひだかよしあき(Vo&G):初めて(Orange Owl Records代表の)渡辺さんと出会ったのが、TETORAの岡山のツアーで、2019年かな。そこからたまに見てもらう機会が増えて…。

あむ(Dr):TETORAと対バンさせてもらう機会が増えて、1年半ぐらいイベントにも出せてもらっている中で、「レコーディングしてみる?」と言われた。合ってる?

ひだか:うん。

あむ:そこが大きなきっかけというか。レーベルに入る?というよりは、レコーディングしてみる?という感じから始まりました。

――それまでは自主制作ですか。

ひだか:そうです。

――じゃあ、めっちゃうれしかった。

ひだか:めっちゃうれしかったし、なんじゃこの(スタジオの)設備は!みたいな。すごかったです。


▲ひだかよしあき(Vo.Gt)

――そもそも、アルステイクの結成のきっかけというと?

ひだか:アルステイクというバンドの結成自体が、もともと二人はいなくて、僕が高校の同級生と組んでいたんです。二人は別々のバンドをやっていて、ライブしていく中で出会って、高校卒業ちょっと前ぐらいに、同級生はみんなやめちゃって、よかったら入ってよと言って、二人が別々のタイミングで加入しました。3人揃ってからは、2年ちょい?

のん(Ba):そんなもんか。

――ということは、がっつりコロナ期。

ひだか:そうなんです。

あむ:ほぼ、お客さんの顔を見てないよな。

のん:ずっとマスクだから。

――その頃から、やってる音は変わらない?

ひだか:根本は変わってないと思っていますけど、今ほど激しくなかったような気はします。

あむ:確かに、今ほど、ウワー!みたいな感じじゃなかった。(ひだかは)歌がめっちゃ上手で、声がすごくいい人というイメージでした。

ひだか:激しくなっていったのは、ライブをやりながら、いろいろバンドを見て、ああなりたいとか、このままじゃ駄目だとか、そうやって変わっていった気はします。


▲あむ(Dr.Cho)

――そこ、知りたいですね。どんなバンドが好きで、どんなふうに影響を受けてきたのか。

ひだか:もともとは、My Hair is Badというバンドがめちゃくちゃ好きで。そのバンドのライブ映像を見た時に、「俺に似てる奴は俺が救う」という言葉を言っていて、その時めちゃめちゃ失恋してた自分が救われて、「そっち側になりたい」と思って、それで自分の中のバンドという軸が出来上がったのかな。そこから、ライブハウスで出会うバンドをいっぱい見て、あれほしい、これほしいと吸収していって、今になっている気はします。

のん:バンドを始めたきっかけは、ベースが好きで、個人的にレッスンに通っていて、そこからバンドに入ったんです。最初はRADWIMPSとかをコピーしていました。

――よく歌うベースだなあと思いました。

のん:うれしいです。ひだかが作ってきた曲をいっぱい聴いて、こんな感じで(ベースラインを)付けたいなと思って付けています。

あむ:僕は親の影響で音楽を始めて、ずっとピアノを習っていて、aikoさんが一番好きでした。でもピアノは楽譜を見ながら弾かなければならないけど、ドラムは叩けば音が出るし、やれるんじゃね?と思って、中学校、高校ぐらいからなんとなくドラムを始めて。高校の時からライブハウスに通うようになって、地元のバンドを見て、俺もバンドやりたいと思いました。地元の先輩にすごく影響されています。

――良いメンバーをスカウトできた。

ひだか:めっちゃ良いメンバーです。


▲のん(Ba.Cho)

――バンドは音楽性も大事だけど、人間性や性格も大事ですよね。

ひだか:入りたては、今の感じではなかったかもしれない。

あむ:性格や、目指すところはバラバラだった気がする。

ひだか:ぶつかったりもしていたんです。でもライブをしてるうちに、かっこいいと思うものが共通してることがわかって、ちょっとずつ目指すところが同じ方向になってきたんだと思います。

――それから3年、いよいよ完成したファーストフルアルバム『A』。自分たちにとって、どんな作品ですか。

ひだか:今まで大事にしてきたことも、挑戦してみたいことも、全部この1枚に入った気がします。


――ちなみに、一番古い曲は?

あむ:「走れ」じゃないですかね。高校の時からやっているので。

――あの、40秒で終わる曲。あれすごいです。

あむ:このアルバム、1曲がすごく短いんです。自分は1曲目の「一閃を越え」という曲が好きで、今MV(ミュージックビデオ)で上がっている曲は恋愛の歌が多いんですけど、この曲は、ずっとライブハウスに通い続けたひだかだからできる歌詞というイメージがあって。ライブハウスで育ったひだかの今の歌という感じが好きですね。

ひだか:この「一閃を越え」は、レコーディング中にもう1曲作ることなって、その日にパっと作った曲です。次の日に3人で合わせて、バーッと録りました。本当に、その時そのまんまの歌詞になっていると思います。

のん:新しい曲で言うと、自分は3曲目「裸足と裸足」が、恋愛の曲なんですけど、歌詞が好きですね。アルバム全体で言うと…何て言えばいいんだろう。

――ちゃんとバンドの自己紹介はできていると思いますか。

のん:それは、できていると思います。いろいろな曲が、それこそ恋愛の曲も、1曲目みたいなライブハウスの曲もあるし、ちょっと面白い歌詞があったり。「ダメ彼氏」とか(笑)。この曲は、作り方がほかと違って、曲から作ったんですよ。そんな作り方、初めてした気がする。

あむ:メロディと歌詞以外が先に出来ていて。

のん:それでレコーディング当日、ひだかが歌詞を送ってきて、こんな歌詞が付くんやっていうワクワクがありました。そういう新しいことも、いろいろできたと思います。

――ということは、いつもは歌詞とメロディが先にあって、それをアレンジしていくパターン?

ひだか:そうですね。しっかり歌いたいことを一人でギターで作って、グループLINEに弾き語りの音源を乗せて、「フレーズ考えてきて」と言って、スタジオで合わせる感じですね。

――もっと言うと、詩が先なのかな?と思ったんですね。言葉の力がすごく強いし、メロディが伸び縮みするところも多いから、言葉重視の人なんだろうなと。

ひだか:日頃からメモしていて、そのメモを見ながら今までの自分のことを重ねて、パズルみたいに作っていくというか、気持ち良い言葉を思いつけば新しく生まれるし、そういう作り方です。

のん:韻の踏み方がすごい気持ち良くて、無理をしていない。読んでいてもすごいなと思うし、メロディと相まっての気持ちよさもあるし、素直に聴こえるところが好きです。

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