【独占レポート】タイ発、ドラマで話題沸騰中の俳優/シンガー“ビウキン&ピーピー・クリット”が届けてくれた夢と現実が交差するオンラインライブ

ポスト

タイのみならず全世界で話題沸騰中の俳優/シンガー、ビウキン&ピーピー・クリット。

◆シンガー“ビウキン&ピーピー・クリット 関連画像

2人がダブル主演を務めた人気ドラマ『I Told Sunset About You 〜僕の愛を君の心で訳して〜』と『I Promised You The Moon 〜僕の愛を君の心で訳して〜』で人気を博した楽曲を、初めて世界に向けて披露するコンサートがオンラインで行われた(2月15日20時まで視聴チケット購入可)。

ドラマの世界を再解釈したという本作は、ミュージカル映画のごとく細部まで作り込まれており、オンラインライブの体験価値をまったく新しいものにしている。

本ライブ配信は、米国発のチケット制ソーシャルライブメディア提供サービス「Moment House」と電子チケット販売プラットフォーム「ZAIKO」により、新たに立ち上げられた「Moment House Japan」のローンチイベントとして行われたもの。

「Moment House」が掲げる"Cinematic experience"(映画のような体験)という言葉通り、ただのライブ映像ではなく、ひとつの短編作品として完成された映像美にソーシャルメディアでファンたちが盛り上がり、中国やタイではトレンドTOPにランクイン。日本語でも賞賛の声が上がっていたほど。そんなライブ配信の常識を超えたビウキン&ピーピー・クリットのオンラインライブ『Lost and Found』の模様をお届けする。

◆ ◆ ◆


夢と現実が交差する、とは正にこのこと。ドラマの世界が現実じゃないのは分かっているけれど、その中に生きる2人が、まるで夢のようなミュージック&ビジュアルの異次元で羽を伸ばしている。どちらが夢でどちらが現実なのか……、夢の中の夢がリアルになったかのように、次々と舞台やシチュエーションを変えていく。オンラインイベントという特性をフルに活かしたシネマティックでエモーショナルな体験は、一編の映画のように繰り出されていった。

ドラマ『I Told Sunset About You 〜僕の愛を君の心で訳して〜』といえば、いまや母国タイのみならず、日本や世界でも大人気を博しているシリーズだが、その主役の2人の人気も凄まじい。歌手としてライブイベントなどを催せば、多数のファンが詰めかけ、大熱狂が巻き起こる。そんな2人、ビウキンとPPクリットが初めて世界に向けて発信するのが、このオンラインライブ『Lost and Found』というわけだ。リハーサルには1か月も掛けたというから、本人たちの意気込みも尋常でないのが伺える。


オープニングは、夜のバス停でベンチに座る2人のシーンから。ドラマの劇中歌「Safe Zone」でスタートすると、離れて座っていた2人がくっ付きあったり、シンクロしたダンスで踊りながら、スウィートな歌声を披露。息もピッタリなところを伺わせる。スーツ姿の2人は、どちらも最高にカッコ良くキマっているが、やはり目を引くのがPPクリットのピンクのスーツと、アームを覆ったフサフサの黒くて大きなファーカフスだ。“早くもディーバ満開!”と思っていたら、2曲目のソロ「Hold Me Tight」で、いっそう驚かせる。日中の野原にロケーションを変えて、背丈よりも長いオレンジ色の袖を風になびかせながら歌う姿は、まるで天女のよう。自身を抱きしめるかのように歌う仕草や流し目からは、艶かしさが溢れ出す。更に、発表されたばかりの最新シングル「I’ll Do It How You Like It」になると、今度はカラフルなフリンジの付きのトップスを着込んで、屋上の夜景を背にキラキラと輝かせながら、メロウな歌声をうっとり聴かせてくれる。ビウキンがチラッと登場して手を握った演出も効いていた。


一方のビウキンはといえば、ミニバンの運転席から登場すると、ダンサーたちを引き連れて歌って踊ったソロナンバー「IXO」でエンターテイナーぶりを存分に発揮。ファルセットによる高音をソウルフルに響かせて、最も華やかな前半のハイライトを生み出していた。途中からはバックバンドや、PPもチラッと登場。相手のソロでそれとなく顔を覗かせる演出が、ますます夢と現実との境界線を曖昧にしてくれるのだった。

今回のライブでは、ドラマの挿入歌と2人のソロ曲を中心に構成されたが、唯一のカバーがJAYLERR x Ice Parisの「FEEL LIKE A YEAR」というナンバーだ。2人は歌のみならず、ラップにも挑戦。多芸なところを伺わせてくれた。湖のほとりにキャンピングカーを停めて、仲睦まじく肩を寄せ合う2人は、とにかく愛らしい。PPの肩にビウキンが頬寄せるシーンには、ドキドキしないって方が無理だろう。


だが、幸せな時間は長くは続かず、PPがソロで歌った「Fake News」には、誰もが胸を掻きむしられる。閉店間際のカラオケバーで、みんなが帰り支度をしている中、ひとりテーブルの上に寝そべって、涙を流しながら歌うPP。彼の周辺だけ、時間が止まっているかのようだ。美しも儚く、脳裏に焼き付く最も印象的なシーンとなって、彼の表現者としての存在感にも目を見張らされた。

バラードといえばビウキンも「You Are My Everything」を、心を込めてしっとりと歌い上げた。モノクロ映像の中で、たっぷり哀愁を滴らせて。シンガーとしての力量を見せつけてくれる瞬間だった。その後に2人はドラマの主題歌「Skyline」をデュエット。様々な言語やアレンジで歌われてきたこの曲には、ひと際思い入れのあるファンも少なくないはずだ。別々に色分けされたセットの中、2人は離れ離れで熱唱。歌詞の世界観が可視化されたかのようで、思わずドラマのストーリーと重ね合わせたのは筆者だけではないだろう。


終盤には、PPによるポップなソロチューン「It’s Okay Not To Be Alright」や、ビウキンによる「Untold Answer」で、次第に和解ムードへと。最初は車の中で顔を背けあっていた2人だが、次第に顔を寄せ合って…、キスまであと少しというところでジラしくれるのも、ドラマと同様の展開だ。2人でドライブしながらビウキンの歌ったアッパーな「Once & Forever」で完全復活し、ラストはデュエット「Coming Of Age」で締め括られた。2人の優しい歌声と心がひとつになって、一本の木のように一体化。このラストシーンには、観るたびに涙ぐまずにいられない。一旦は途方に暮れて見失ったものの、再び大切なものを発見した2人。タイトル『Lost and Found』の意味するところも、胸にストンと落ちてきた。

「このライブはドラマの曲を再解釈したもので、ドラマとは別の作品として楽しんでほしい」と、事前に彼らが語っていたように、ストーリーはカフカやオスカー・ワイルド、ヘミングウェイら文豪の言葉を引用しつつ展開。とはいえ、ドラマの世界が続いているかのような既視感を覚えてしまったのも正直なところ。まるでドラマの続編が、ミュージッククリップ集として継続しているかのようで、そもそもあのドラマは現実だったのかもと思えるほどだ。他人のルールに生きるのではなく、自分の直感に従って生きるべき、というドラマの中のメッセージも伝わってきた。ビウキン&PPクリットの2人が音楽とビジュアルで見事に体現してくれた。

文:村上ひさし




<Billkin & PP Krit : Lost and Found First Worldwide Digital Performance>

日 時:2022年2月12日(土)日本時間 開演20時
通常配信チケット3,500円
*2月15日(火)20:00まで視聴チケット購入可。23:59まで視聴可。https://momenthouse.jp/bkpp

米国発のチケット制のソーシャルイベント提供サービス「Moment House」と電子チケット販売プラットフォーム「ZAIKO」の提携により、2021年に新たに立ち上げられた「Moment House Japan」。海外で大旋風を巻き起こしているライブエンターテインメント界の革命児が、ついに日本上陸。

ジャスティン・ビーバーがビバリーヒルズのホテルで開催した大晦日の年越しコンサート。グラミー受賞シンガーソングライターのセイント・ヴィンセントが無観客の会場で行ったライブと、終了後のネットを介したファンとの気さくなチャット。人気DJ/プロデューサーのカイゴは、アルプスの山頂へとヘリコプターで降り立ち、特設ステージから演奏を披露するなど、「Moment House」は世界のトップアーティストが趣向を凝らした画期的な“プレミアムデジタルイベント”を次々と開催。世界中でここでしか体験することのできない映像体験を提供しています。

◆「Moment House」 オフィシャルサイト
◆ビウキン Instagram
◆ピーピー・クリット Instagram
この記事をポスト

この記事の関連情報