【ライブレポート】<DIAMOND FES>、サスケ、藤田恵美、中西保志が名曲熱演「クリスマス、楽しんでください」
J-POP、K-POP、アニソン、HIP HOPなど多岐にわたるライブイベントを展開している<DIAMOND FES>が12月11日(土)、ZEPP DiverCity Tokyoでクリスマス公演となる<DIAMOND FES TOKYO Xmas Live>を開催した。当初、有観客および生配信にて実施予定だった同イベントだが、新型コロナウイルスの新たな変異株“オミクロン株”の感染が世界的に広がっていることを受けて、無観客生配信での開催に変更となった。
◆<DIAMOND FES> 画像
ラインナップはサスケ、中西保志、藤田恵美、そしてオープニングアクトとしてアマアシ、KIGOといった全5組が出演。街をイルミネーションが彩る中、クリスマスシーズンにピッタリの音楽と映像を届けたライブの模様をお伝えする。
▲KIGO (オープニングアクト)
最初にステージへ登場したのは帆保健太郎(G, Vo)と瑞季あおい(Pf, Vo)によるユニットKIGO。先ごろ実施された<DIAMOND FES 2021 EXTRA EDITION>でもオープニングアクトを務めた2人組だ。
メロウで切ないラブソングで幕を開け、クリスマストークからいろいろなことが制限されていた1年を振り返り、「今の環境をいつか出て行って、自分の足で自分が行きたいところに行けるような日が早く来てくれたらいいなと思います。そんな願いを込めて歌います」と帆保がメッセージ。“♪いつかはここを出よう”と歌う曲「ビニールハウスの花」を届けた。
▲アマアシ (オープニングアクト)
続いてのアクトは2013年に結成された夏目 龍一(Vo, G)、石黒 浩太郎(B, Cho)、横井 亨(Dr, Cho)から成るトリオバンド、アマアシ。透明感のあるボーカルとエッジーで繊細なサウンドを響かせた。
「最新デジタルシングルがこの冬にピッタリな曲になった」と伝え、木々に雪が降るLEDスクリーンの映像をバックにメロディックなウィンターソング「染まる日」で締めくくった。
▲サスケ
オープニングアクトの2組が演奏を終え、奥山裕次(Vo, G, Pianica)と北清水雄太(Vo, G, Piano, Harmonica)によるユニット、サスケが登場した。1曲目は北清水がアコギを弾きながら歌い、途中から奥山がコーラスで加わった「ねぇ」。2人のハーモニーが溶け合っていく。雪国の風景の映像が映し出される中、披露されたのは遠距離恋愛ソング「もしも時を飛べるなら」。パーカッショニストとキーボーディストをサポートに迎え、広がりのあるサウンドとメロディが響きわたった。
「画面の向こうで見てくださる全国のみなさん、ありがとうございます」と北清水が手を振り、リアクションなしの無観客ライブに「これホントに配信されてるのかな」と相方に振ると「されてると思うよ。そこは疑わなくて大丈夫」と奥山。
セットリストには季節感が盛り込まれ、カップルの情景が浮かび上がってくる冬ソング「12月のリング」はスイートな世界観。ストリートライブをやっていた時代から歌い続けている代表曲のひとつ「キセキ」では北清水がハープを吹き、奥山がピアニカの音色を響かせるなど、2020年に結成20年を迎えたサスケのコンビネーションがたっぷり楽しめるライブを繰り広げた。
そしてMCではライブ前日のエピソードも。「この後に出られる藤田恵美さんと中西保志さんは青春時代にカラオケでね。昨日も歌いましたもん」と北清水が話すと「ライブ前なのに昨日、カラオケ行ったの?」と驚く奥山。「喉を仕上げようと思って、計5時間歌いまして。真夜中の4時に長渕剛を熱唱して、すごく今、声がいい調子ですね」と言う北清水に、「5時間は長すぎるわ!」とツッコミを入れつつ奥山は「今日はコロナ禍で有観客から無観客配信になりましたけど、画面の向こう側のみなさんに早く僕らのライブを見てもらえるように、来年は有観客でライブをやりたいなと思っています」と伝えた。
ラストナンバーは「大好きな人のことを思ってこの曲を」という言葉の後に届けられたデビュー曲にしてサスケの名前を一躍有名にしたヒット曲「青いベンチ」。“♪夕方の雲が お台場の空を抜ける”とアドリブで歌詞を変えるなど、開放感のあるステージングで締めた。
▲藤田恵美
ふわりとしたシルエットのベージュの服に身を包んだ藤田恵美のライブはキャンドルの炎が揺れる映像の中、スタンダードなクリスマスソング「The Christmas Song」で幕を開けた。ピアノとアコースティックギターをバックに癒しの歌声が空間に溶けていく。
「みなさん、いかがお過ごしでしょうか? 藤田恵美です。クリスマスになるとロマンティックになって、好きな人に告白しようかなぁって、そんなシーンもあちらこちらで見かけられそうな気がします。次の曲はもどかしい気持ちにさせてくれるような、そんな歌です」──藤田恵美
届けられたのは井上陽水と忌野清志郎の共作により1973年に発表された名曲で、数々のアーティストにカバーされている「帰れない二人」。藤田の澄んだ歌声で聴くと格別の味わいがある。
コロナ禍で開催された東京オリンピック/パラリンピックのことに触れ、「東京っていう言葉の響きがなんとなく寂しく感じたのは私だけでしょうか? 本来の東京の華やかさ、イキの良さを少しでも歌の中で感じられたら」と最新アルバム『Headphone Concert 2021』の中から東京のスポットを旅している気分になれる「Tokyo」を歌い、椅子に座ってアコースティックギターをつまびきながら歌ったのはベット・ミドラーの地球への平和と願いが込められたグラミー受賞曲のカバー「From a Distance」だった。
雪が降るファンタジックな映像とともにクリスマスソング「Silent Night」がそっと届けられ、続いてユニットLe Couple時代にTVドラマ『ひとつ屋根の下2』の挿入歌として大ヒットを記録した「ひだまりの詩」(1997年発表)へ。色褪せない世界に引き寄せられた。藤田恵美の浄化作用のある美しい声がライブの主役。後半ではシュガーベイブ時代から存在していた山下達郎のシティポップの名曲「パレード」が軽やかに歌われ、観覧車や花火の映像がステージをより華やかに演出。
「みなさんはもうプレゼントを用意されましたでしょうか? “あげる人もくれる人もいないわ”という人もたくさんいると思うんですけど、よーく考えると私たちはこの日々、一瞬一瞬、いろんな愛のプレゼントをもらっているんじゃないかと思います。そんな想いを歌詞に表している素敵な曲を歌いたいと思います」──藤田恵美
ラストナンバーはTVドラマ『あいのうた』の主題歌に起用され、2005年にヒットを記録した玉置浩二の「プレゼント」のカバー。「ありがとうございました。素敵なクリスマスを」とステージを去った。
▲中西保志
<DIAMOND FES TOKYO Xmas Live>のトリを飾ったのは2022年にデビュー30周年を迎える中西保志だ。オープニングナンバーはアルバム『スタンダーズ2』(2007年発表)に収録されているSMAPの大ヒット曲「夜空ノムコウ」。伸びやかでソウルフルなボーカルが素晴らしい。
配信ライブについて「みなさんとの直接のやりとりの中で30年近く歌わせていただいてきたので、何度やっても慣れません。僕の耳に聴こえるはずのない声が聴こえるはずのない拍手が聴こえるように、強く投げかけたいと思います」と伝えた。そして過去を振り返り「いくつもの曲に出会い、いくつもの曲を作り、みなさまと何らかの形で繋がれることが僕自身の生きる喜びであり、エネルギーであります。来年こそはそういう日々がより強い形で戻ってくるよう、今日も力いっぱい歌をお届けしたいと思います」と1993年にリリースされたバラード「LAST CALL」を歌い上げた。中西の作詞作曲による喪失感を歌った失恋ソングが染み渡るように響いてくる。
クリスマスやイベントが中止/延期になることが多い日々。自身の若い頃はクリスマスに興味がなかったものの、失ってみて初めて、人々の営みにおいてお祭りなどの行事の大切さがわかったと話し、歌われたのはナット・キング・コールの大ヒットで後にクリスマスに欠かせない曲「The Christmas Song」だ。藤田恵美も同曲をカバーしたが、スティーヴィー・ワンダーらに影響を受けた中西はブラックミュージックのエッセンスを感じさせるスタイル。豊かで渋い味わいのあるボーカルだ。そして続くMCでは32年前に上京したこと、デビューから今に至る心境に触れた。
「関西の田舎から出てきた時は何もわからない状況で、少しずつ聴いてくださる方の顔が見えてきて──。自分はただ、がむしゃらに歌っているだけだったんですが、聴いてくださった方に別のストーリーが生まれて、お一人お一人のストーリーに僕が歌いかけ、問いかけ、話しかける立場なんだと思いました。堅苦しい言い方ですが、そういう使命感のようなものを自分の中に奮い立たせて、この曲と共に歌ってきました」──中西保志
実質的なデビュー曲だと位置づけた最後の曲は1992年にリリースされ、90万枚以上のロングセラーヒットとなった「最後の雨」。雨が降りしきる映像の中、今も聴き継がれている泣けるバラードを届けるドラマティックなエンディングだ。「クリスマス、楽しんでください。今日はどうもありがとうございました」と挨拶し、本イベントを締めくくった。
取材・文◎山本弘子
撮影◎緒車寿一
■<DIAMOND FES TOKYO Xmas Live>2021年12月11日(土)@ZEPP DiverCity Tokyo セットリスト
01. Say something
02. Toriko
03. ビニールハウスの花
【アマアシ (オープニングアクト)】
01. 連鎖
02. オドレナイト
03. 染まる白
【サスケ】
01. ねぇ
02. もしも時を飛べるなら
03. 12月のリング
04. キセキ
05. 青いベンチ
【藤田恵美】
01. The Christmas Song
02. 帰れない二人
03. Tokyo
04. From a Distance
05. Silent Night
06. ひだまりの詩
07. パレード
08. プレゼント
【中西保志】
01. 夜ノムコウ
02. LAST CALL
03. The Christmas Song
04. 最後の雨
■<DIAMOND FES 2021 HIP HOP ARTIST Vol.2 〜伝説の一夜 ROOTS〜>
open18:15 / start18:45
出演:“K Dub Shine、Zeebra & DJ OASIS”、雷 “カミナリ”、SOUL SCREAM、DABO、ラッパ我リヤ
▼チケット
全席自由 ¥5,000(税込) ※入場時ドリンク代別
※当日 ¥1,000UP
発売日:12月16日(木)10:00〜
https://diamond-ticket.com/
▼配信
チケット ¥4,000(税込)
※当日 ¥1,000UP
https://diamond-ticket.zaiko.io
主催:ダイヤモンドブログ 企画:ダイヤモンドミュージック
運営:インテリジェンスアジア 制作:チームセカンドジャパン
(問)DIAMOND FES運営事務局:event@diamondblog.jp
■<DIAMOND FES 2022 HAPPY NEW YEAR HIPHOP ARTIST>
open18:15 / start18:45
出演:サイプレス上野とロベルト吉野、般若、NORIKIYO、ラッパ我リヤ、呂布カルマ 他
▼チケット
前売り¥5,000(税込)、当日¥6,000(税込)
配信チケット¥4,000(税込)
発売日:11月27日(土)10:00〜
主催:ダイヤモンドブログ 企画:ダイヤモンドミュージック
(問)イベント事務局 event@diamondblog.jp
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