【インタビュー】she9、TikTokで話題のガールズバンドが放つ「ちょっと暗くなっちゃった世の中に届けたい明るい曲“ハイファイハハイファイ”」
■コロナ禍でライブもできなかったけど
■私たちの音楽が広がってることを感じた
──ストレートな「トライミライ」とは逆に、「最強★ピース」は結構変化球な楽曲ですよね。
全員:そう思います(笑)。
──がっちり練り込まれたバンドサウンドだし、ミュージックビデオではメンバー全員が踊ってみたり。she9の音楽の幅広さが伝わってきたんですけど?
じゅり:とにかく“覚えやすくて頭に残る歌詞を何箇所も詰め込む曲にしたい”っていうイメージが最初からあったので。“♪SA SA SA 最強★ピース”とか、“♪Dance Dance going”とか、いろいろ詰め込みました。
──振りはみなさんで考えたんですか?
じゅり:その時期、TikTokでたくさんの方に見ていただいていたし、ダンス動画も公開したりしていたので、振付師さんにつけていただきました。曲にダンスをつけたのは「最強★ピース」が初めてですね。
──ダンスの一方で、バチバチのバンドサウンドなのがいいですよね。
苑:特に間奏部分に各自の個性が詰め込まれてる感じです。“もう、やっちゃえ!”っていう感じで。
──「最強★ピース」「BPM」「トライミライ」はドラマのテーマ曲としての多くの人に届けられたわけですが、その影響を感じることはありましたか?
AMI:ドラマ『家、ついて行ってイイですか?』は全国放送だったので、私の地元・愛知県からも「見てるよ」っていう声をたくさんいただいたり。私たちの音楽がちゃんと届いていることを実感できたのがすごく嬉しかったですね。コロナの影響でライブも全然できない時期があって、なかなか全国へ会いに行くこともできなかったので、そんな状況でも自分たちの音楽が本当に広がっていることを感じました。
じゅり:静岡県の市町対抗駅伝のテーマソングにも「トライミライ」を選んでいただいたんですけど、そのきっかけが、たまたま現地の方が「トライミライ」をすごく好きだったということだったんですね。東京で活動してますけど、まだ行ったことのない静岡にまでしっかり届いてるのは嬉しかったです。
yuzu:去年とは全然違って、今年になってようやく大阪でライブが出来たり、活動の幅が広がって毎日毎日新しいことがあるんです。すごく楽しくて刺激になるし、まだふわふわしてる感じ(笑)。この1年はあっという間でした。
苑:たしかにあっという間だったね。「最強★ピース」をレコーディングしたのが今年だったっていうのが信じられないんですよ(笑)。大阪にライブにたくさんの人が来てくれたことで、ちゃんと自分達の音が届いているんだなという実感がありましたし、勉強になる1年でした。
▲デジタルシングル「ハイファイハハイファイ / Dolly」
──そしてデジタルシングル「ハイファイハハイファイ / Dolly」が12月17日にリリースされます。まず、「ハイファイハハイファイ」は以前からあった曲ですか?
じゅり:作ったのはかなり最初の頃ですね。she9を組むまでシンガーソングライターだった私は、こういうポップで激しくてバンド感のある曲を作ったことがなくて。その時期に作ったんですけど、ライブに向けて盛り上がれる曲があったらいいねっていう気持ちもあってできました。
──インパクト大なタイトルは、原曲の段階でついてたんですか?
じゅり:はい。実はこの曲名が最初、バンド名の候補だったんです(笑)。バンド名に悩んでる時に、何かの拍子で、「“ハイファイハハイファイ”ってどう?」って(笑)。池袋のカフェでした。
AMI:そうそう、練習帰りだったね。
じゅり:「キャッチーだし、言いにくさが逆におもしろいくていいね」って話になって。いろいろ考えた末、結局she9になりましたけど(笑)。でも、その“ハイハイハハイファイ”ってフレーズが気に入ってて、何かに活かせないかなってことで、この曲の正式タイトルになりました。サビの“アンラッキーでハッピーな異世界”っていう歌詞もバンド名の候補として思いついた言葉ですね。……今思うと、なんで?って感じなんだけど(笑)。
──完全に語感で出てきたんですね?
AMI:じゅりが急に言い出したんだよね。
じゅり:私だったっけ? 全然憶えてない。
AMI:そうだよー! みんなハテナになってたから(笑)。
──ははは。音響機器とかでよく使ってた言葉でしたけど、そういう世代でもないですもんね。
AMI:そうですね、調べてみて、やっと知ったくらいですね。
じゅり:“ハイファイハハイファイ”がバンド名になっていたら、違う未来が待ってたかもしれない(笑)。
──結局、she9になったのはどうして?
苑:さすがに“ハイハイハハイファイ”はまずいだろってことになって(笑)。そのあと考え続けて降ってきた感じだったと思います。誰が言ったんだっけ?
じゅり:私だと思う。
──無線の救難信号の“CQ”から来てるんですよね?
じゅり:そうです。
AMI:いろいろ考えてる中で、ちゃんとバンドのテーマが決まったんだよね。“音楽で助けたい、寄り添いたい”っていう気持ちがまず芯にあったから、そうしようって決めたんだと思います。
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