モーターヘッド、2012 年ベルリン12,000人が難聴になったライヴ映像『ラウダ―・ザン・ノイズ』日本初上映

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40年間にわたり世界的な極悪大暴走を展開したイギリスのバンド、モーターヘッドのフロントマンでありVo./B.のレミー・キルミスターが2015年12月28日に伝説となってから今年で6年。レミー他界後、毎年12月下旬にモーターヘッド関連の映画上映が恒例となってきたが、今年もレミーの誕生日(12/24)・レミーの命日(12/28)を含む日程で『モーターヘッド/ラウダ―・ザン・ノイズ』の上映が決定した。

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今年の公開作『モーターヘッド/ラウダ―・ザン・ノイズ』のキービジュアルに使用されているモーターヘッドの象徴的アイコン“Warpig”は独自の個性を放ち、唯一無二のデザインとなっているが、なんとこのWarpigはLA在住の日本人アーティスト“Tokyo Hiro”によって描かれたものである。



Tokyo Hiro氏は古くからの友人がモーターヘッドのクルーであり、何度もレミーに会える機会があった。2013年頃、その友人から「レミーとマネージャーが話があるから会場に来てくれ」と言われライヴ前に控室に行くと、レミーに「モーターヘッドのデザインをしないか?」と誘われ、即答で承諾。次の日からすぐに制作に取りかかり、そのデザインはマネージメント、レミーからもOKが出されTシャツとして販売されることになる。「次も頼むってHiroに言ってくれ」とレミーがすごく気に入っていたと友人から聞いた。Tokyo Hiro曰く「多くのバンドやブランドのデザインをさせてもらってきましたが、Queenのロジャー・テイラーにタトゥーを彫って以来の緊張でした」。以降、Tokyo Hiroはレミーやモーターヘッドのクルーとプライヴェートで家族のように交流し、グッズのデザインを時々頼まれるようになる。

「僕が最初に描かせてもらったモーターヘッドのデザインは、レミーにプレゼントしました。まさか飾ってくれるとは思っていませんでしたが、レミーの家の玄関のドアに貼ってくれていたのを見て嬉しかったのと同時に、この時、強くレミーとモーターヘッドへの忠誠心も生まれました。お陰様で、モーターヘッドファンのバンドやブランドからWarpigやそれっぽいのを描いて欲しいと依頼があるのですが、当たり前ですがWarpigはモーターヘッド以外には描かないと断り続けています」。



レミー亡き後もマネージメントとは友好関係にあり、レミーのメモリアルのデザインや、レコードストアデイ用のシングルのジャケットなどをデザイン。そんな中、昨年の12月に最後の依頼をもらったのが「ラウダー・ザン・ノイズ」のジャケットデザインだった。何枚か描いたうちの一枚をアルバムカヴァーに、他のものを中面になどに使うということでミッキー・ディー、フィル・キャンベルと共にアイデアを練った。ジャケットは時間の関係で、Tokyo Hiroの描いたWarpigに他のデザイナーがバックグラウンドをつけたものが最終版となった。

「手に取った時の悦びは今でも忘れません。モーターヘッド初のTattooerとして、日本人として、モーターヘッドの歴史の一部になれたのは、僕にとってすごく名誉なことです。モーターヘッドは解散してしまいましたが、モーターヘッドの音楽がある以上今後も携わっていけたらと思っています」。

なお、Tokyo Hiroからはデザインの過程が分かる貴重な写真も届いた。現在、Tokyo Hiroが描いたウォーピッグを使用した映画『モーターヘッド/ラウダ―・ザン・ノイズ』の完全非売品B2ポスター付前売券が映画上映劇場窓口にて販売中。なくなり次第終了なのでお買い逃しなく。



『モーターヘッド/ラウダ―・ザン・ノイズ』

シネマート新宿/シネマート心斎橋/京都みなみ会館/福岡KBCシネマにて12月24日(金)〜12月30日(木)1週間限定上映
名古屋シネマテークにて12月25日(金)〜12月30日(木)6日間限定上映
2021年作品/74 分/DCP/原題:motörhead/Louder Than Noise... Live in Berlin
出演:レミー・キルミスター、フィル・キャンベル、ミッキー・ディー
提供:キングレコード
配給/宣伝:ビーズインターナショナル
(C)2021 Silver Lining Music Ltd.

■STORY
2015年12月28日、核爆弾が落ちてもゴキブリとともに生き残るといわれ、2,000人もの女性と夜を共にし、1956年にはロックンロール誕生の瞬間を目撃、マルボロとジャックダニエルにまみれて血液が猛毒化、ビートルズを愛し、世界一音がデカいバンド、《モーターヘッド》を40年間続け、1945年クリスマスイブである12月24日に負け犬として生まれて以来、常に勝つために生き、不眠不休の大暴走を続けた人類最強の豪傑、ロックンロールの化身レミー・キルミスターがこの世を去ったのは2015年。70歳の誕生日を迎えてから4日後、癌を宣告されてからわずか2日後のことだった。そして翌日、メンバーからモーターヘッドの活動終了が伝えられた。1975年の結成以来、メインストリームとは真逆のロックの裏街道を驀進したモーターヘッドは、ヘヴィ・メタルとパンク/ハードコアという普段相容れない両ジャンルからも熱い支持を集め、その両者が一触即発の状態に陥った場合でもモーターヘッドの曲を流せばすべてがおさまるという、この世に類を見ない信じがたい存在感を誇ったバンドだ。レミーの死の約3年前のライヴである本作は、サクソンやエクソダス、クリーターなどのコンサート・フィルムもプロデュースしてきたHerwigMeysznerが夥しい数のカメラを使って収録。レミー・キルミスター、フィル・キャンベル、そしてミッキー・ディーが鳴らす轟音ロックンロールは数十年にわたりサウンドの境界線を破壊し続け、聴く者の耳をつんざき、そして世界中を暴走し続けた彼らがトップギアでその凄まじい存在感をドイツの大観衆に見せつけ、ステージからあふれ出るエネルギーだけではなく、観客席からの怒涛のエネルギーまでも生々しく映像に封じ込めた。モーターヘッドという人類の切り札の底力がスクリーンを通して伝わって来る恐るべき作品。鑑賞後は数日間は耳が聞こえづらくなることを覚悟しなければならない。

◆『モーターヘッド/ラウダ―・ザン・ノイズ』 オフィシャルサイト
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