【ライブレポート】川音希、2021年ラスト<かわお60分>「また元気で会いましょう」
川音希が12月12日に年内ラストの定期ライブ<かわお60分vol.8>を東京・Shibuya eggmanにて開催した。当日は7月の<かわお60分vol.6>で初めてコラボした仮面バンド・流田Projectの穴澤 淳(G)がゲスト参加。初公開の新曲も披露されたこの日のライブの模様をレポートしよう。
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17時の開演前のステージにすっかりお馴染みのMC・さわやか五郎(上々軍団)が登場。着席スタイル、声出しNGのライブ中の注意事項や<かわお60分>のコンセプトを説明し、話題は昼間の地震のことに。川音の地元である栃木県佐野市(川音は佐野ふるさと特使)が震度4だったこともあり、楽屋で「地震、大丈夫だった?」と聞いたところ、「揺れたのすら感じませんでした」という答えが返ってきたそうで「すごい心臓を持ってますからね。今日もどっしりとピッチのひとつも崩れない安定の歌声を聴かせてくれると思ってます」と客席を沸かせて本番スタート。
黒髪に清楚な白のワンピースで川音がステージに登場し、オープニングは太陽の光が差し込むような歌を響かせた「はじまりのメロディ」。開放感のあるサウンドに歌う川音からも自然と笑顔がこぼれ、穴澤のギターのフレーズとHIROTOMOのメロディックなベースが絡む「風に叫べ」を披露した。
客席から大きな拍手が送られ、自己紹介から川音によるメンバー紹介(穴澤淳、今井隼(Key)、HIROTOMO(B)、眞田将至(Dr))へと。2度目の共演となる穴澤についてさわやか五郎が「あれから仲良くなって、今に至るのかな」と振るとお互い人見知りゆえか、交流は深まっていないようで、会話した回数は指で足りるぐらいと川音。今回のライブのリハーサルで久々に会ったという穴澤が「相変わらず透き通った声で癒されました」と言うと「お変わりなく。元気そうで何よりです」と川音がディスタンストークで返し、さわやか五郎に「縁談、断る時のヤツだ」と突っ込まれていた。
「次の曲もめちゃめちゃ盛り上がっていくぞ!」と煽って帰っていくさわやか五郎の後ろ姿を川音がやや呆れた顔で見つめ(この展開はファンは想定内)、「(さわやかが)やると思ったんですけど、ここからの曲は1曲目、2曲目とガラッと変わって、不倫を題材にした曲の中から聴いてください」と伝え、“不倫4部作”の中からしっとりしたナンバーを届けた。
川音の表情が憂いを帯び、空気を入れ替えてしまうのがこのセクション。「目隠しをして」では秘めた恋の痛みや願いを切々と歌い、最新のナンバー「白い約束」では澄んだ歌声で“しあわせに なれるかな”と問いかける。守ってあげたくなるような儚さを感じさせる佇まいから目が離せなくなる。
切ない世界観に浸っていると、再びさわやか五郎が登場。「いい曲でしたが、幸せにはなれないかもよ」と振られると自分のことを言われたのかと思った川音は「急に私のこと攻撃してきたのかと思った。ウソだろ?って」と困惑。「歌詞をじっくり聞いてほしいんだよ。かわおちゃんから見てこの主人公はどうなの?」という質問に「まぁ、幸せにはなれないでしょうね」とバッサリ答えていた。
“さっきまでの儚さは何だったんだ?”とギャップでファンを翻弄しつつ、お次は恒例の企画コーナー。今回のお題は「深夜の妄想トーク!」だ。メンバーが川音希とのデートをプランニングして提案するという内容で、今回はロマンティックな企画になりそうな気配と思いきや、一番手のマーシーこと眞田のプランは“1軒目は魚介系ラーメン。徒歩1時間 2軒目は背脂系ラーメン。徒歩1時間 3軒目、家系ラーメン”。メインはラーメンではなくカロリー消費する徒歩だと説明するものの川音に「ちょっと浅はかですね」と再びバッサリ。
続くイマジュンこと今井隼も“昼頃、合流。あっさり醤油ラーメンでランチ。その後、何かする。こってり豚骨ラーメンでディナー”と提案し、ラーメンは好きだが、デートで食べたいわけではないという川音はプチ切れ。全員がラーメン企画ではないかと疑い始めた川音を救ったのが穴澤のデートプランだった。
“12時に待ち合わせ。13時の昼ごはんは“つるとんたん”、「器大きいね」って言いながら明日のディズニーランドのデートのプランを話し合う。15時ショッピング。欲しい服とかを買ってあげる。17時 お茶をする。そのあとはカラオケで熱唱。歌ってお腹すいたのでオシャレな居酒屋で夜ゴハン。明日、早いので22時帰宅。次の日、ディズニーランド。川音ちゃんが疲れた時は早めに帰り、温泉に行き、身体を休めてもらう。川音ちゃんが元気な時は最後まで楽しんで今日、楽しかったことを話し合いながら帰宅。3日目。満天の星空の下でバーベキュー。ちょっと疲れもあると思うので遅めの出発。食べ終わったら花火を楽しんだり、天体望遠鏡で星空を眺めたり、夜をゆっくり休みながら楽しむ”。
練りに練られたプランにさわやか五郎も「急にガチが来ましたね」と驚き、川音はさっきまでのプランとは比べものにならない。何よりラーメンがないのが素晴らしいと絶賛。ラストはHIROTOMOの妄想サプライズプランだったが、落ちが結局、ラーメンだったため、川音は「結果、ラーメンを食べに行くってことだけですよね」と冷ややかに返していた。川音が1位に選んだデートプランは穴澤で「ほかがひどすぎる」と爆弾を落とすのも忘れない。
そんな和やか(?)なブレイクタイムを挟み、ライブは後半戦に。「新曲をやりたいと思います!」と宣言し、披露されたのはマーシーの書き下ろし、作詞はmihimaruGTのmiyakeが書いた、ファンクでポップな「ザッツオーライ!」。カラフルな照明の中、川音が後半でラップする新境地のナンバーで、悩みやモヤモヤを吹き飛ばす軽やかなリリックも含めて新鮮だった。アグレッシブなモードにシフトし、流田Projectとのコラボライブで生まれた疾走感たっぷりのロックチューン「Don’t Pass Me By」を投下し、穴澤が熱いギターソロを響かせた川音作詞のアッパーチューン「存在」ではパワフルなヴォーカルで会場を盛り上げた。
告知コーナーでは初のレギュラー番組『はじまりのラジオ』が毎週、水曜日に“AuDee”で配信中であること、2022年3月19日に代々木LODGEで開催される<かわお60分vol.9>が不倫シリーズの楽曲を提供してくれているSIOさんとのコラボ企画であること。2022年1月8日に川音が歌手になるキッカケとなったSPEEDのプロデューサー・伊秩弘将が主催する500回記念のANNIVERSARYライブに出演すること(東京・Shibuya eggman)などが報告され、いよいよライブはラストナンバーに。今回は約束通りのほぼピッタリの60分。
「みなさん、お天気のいい中、足を運んでくださってありがとうございました。まだまだ寒い日が続くと思いますが、あったかくして、また元気で会いましょう」──川音希
爽やかな風が吹いてくるような歌を届け、ハンドクラップの中、「一人じゃないから」で2021年最後の<かわお60分>を締め括った。
取材・文◎山本弘子
撮影◎カワタケナオト
セットリスト
M2.風に叫べ
M3.目隠しをして
M4.白い約束
M5.That'sAllright(初披露)
M6.Don’t Pass Me By
M7.存在
M8.一人じゃないから
<かわお60分 vol.9 かわお と SIO>
2022年1回目の<かわお60分>。今回は不倫曲シリーズの曲提供SIOさんと。12月19日(日)正午よりLivepocketにてチケット発売開始
会場:LIVE STUDIO LODGE
時間:OPEN 16:30 / START 17:00
料金:前売¥3,500 / 当日¥4,000(+1D)
出演:Vo 川音希、Gt ミヤジマジュン、Ba HIROTOMO、Dr 眞田将至、Key 今井隼、MC さわやか五郎
チケット:https://t.livepocket.jp/e/kawao09
◆川音希 オフィシャルサイト