【インタビュー】ちゃんみな、3rdアルバムにスランプからの脱却「世界で一番“ハレンチ”っていう言葉が似合うのは私」

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■売れようとして作る曲って
■ほんと美しくないと思うんですよ

──アルバムを振り返ることで、この5年での変化は感じますか?

ちゃんみな:んー…あんまり変わんないです。いつも自己救済の形で曲を書いているので、誰々に伝えたいとかは特にないんです。ただ音楽がやれてればいい。

──でもスランプというのは苦しかったでしょう?

ちゃんみな:苦しかったです。何も出てこないから、本当に私の中から音楽がなくなっちゃったって感覚。メロディも出てこないし歌詞も出てこないし何も出てこない。人の曲も聴きたくないし、簡単に言うと嫌いになっちゃったみたいな。

──なぜそうなってしまったのかという自己分析は?

ちゃんみな:スケジュールが忙しかったというのもありまして、ほんとに目まぐるしかったんですよ。やらなきゃいけないことがたくさんあったし、クリエイトしなきゃいけない部分がたくさんあったんですね。フューチャリングも結構多かったし、ライブも2部制だったから脚本もいつもの2倍作らなきゃいけなかったし、「美人」のときも10曲くらい作っていたんで、クリエイトする脳みそが疲れちゃって何もできなくなっちゃった。

──休みが必要だったのか。

ちゃんみな:そうですね。でも休めなかったです、はは…(笑)。それでも諦めずにやって、やっとできたなっていうのがあります。しばらくは休みたいな。



──今回、難産だった曲は?

ちゃんみな:この中ではダントツ「美人」です。あと「想像力」。

──「想像力」は詞の内容ですか?

ちゃんみな:そうです。リーディングでメロディがないから詞の内容にはすごい拘りました。今までメロディっていうフィルターがあったからこそ、素直にしないほうがおしゃれだったり自分の感情が伝わるとかあったんですけど、これは裸だからもっと素直にならなければならなくて、そこが大変だった。

──結果、すごい破壊力のある歌詞で。これはライブでは?

ちゃんみな:やります。

──「想像力」と「ディスタンス」の2曲を比べるだけでも、曲の振れ幅はものすごく大きいですね。

ちゃんみな:振れ幅がすごいっていうのは、結構言ってもらえるんですけど自分ではわかんないんですよね。自分だから。単純にJ-POPという幅を増やしたことによって、もっと広く感じるのかな。そこ以外はあんまり変わってないんで。

──まだまだ隠し玉もありそうだし。

ちゃんみな:やりたいことはいっぱいありますけど、タイミングは伺ってるんで。

──最後に収められた「Never Grow Up」はアコースティックバージョンですね。最後に笑っているのは、何かを狙ったものですか?

ちゃんみな:狙ったところでいうと、1stシングル「未成年」の最初が笑ったところから入ってるんです。そういうのもあって、今回は笑って終わりたいなって思って。

──笑って終わるというのは、満足度の高さを表しているのかな。

ちゃんみな:いやもうほんとに頑張ったんで、アルバムとしての手応えはめちゃくちゃあります。頑張ってよかったーって(笑)。


──今では音楽はサブスクを中心に楽曲単位で聴かれ、アルバムというまとまりで受け取られることが少なくなりましたが、その点はどう考えますか?

ちゃんみな:え、どういうことですか?

──アルバムというものを作ることについて。

ちゃんみな:“アルバムの中にあるからいい曲”っていう風に作ってないし、セールスとかも気にしないので、だから気にならないし何も思わないです。なんていうんだろうな…聴くものが変わったっていうか、私自身アルバムで曲を聴くってことをしないし、ひとりのアーティストに熱中できないというか、私も普通にそういうひとりなので、私も期待しない。熱中してほしいと思って曲を作っているわけでもないので、そこは“無”かもしれないです(笑)。

──そこは昔から変わらないですね。商売っ気がないというか。

ちゃんみな:そこは私の仕事じゃないんで。私は曲を作って歌う・表現するので、だからあとはそれをレコード会社にうまくやっていただいて(笑)。というか、アーティストがそこまで気にしちゃうとダメですよね。私、売れようとして作る曲ってほんと美しくないと思うんですよ。

──どういうところでバレるんだろ。

ちゃんみな:精神が行ったり来たりしてるところだと思います。曲が家だとしたら、その人が曲の中に入ってこないんですよ。なんていうんだろ…その人の精神が感じられない。

──そのアンテナは、昔からバリバリに立ってるのかな。

ちゃんみな:昔から持ってますね。

──だから売れようって気持ちにならないんですね。一回降ろして、スゴイ売れる曲書いちゃおっかなって思ったらどうかな。

ちゃんみな:うふふ(笑)、それ、私はできないですね。何が売れてるかも追っかけてないんで、今何が人気とかもわかんない。そこ考えちゃうと私はダメなんだろうな、だから向いてないんだろうなとも思います。もし、すごくリサーチしてそれ中心に作ったとしたら、もうアーティストをやっていたくない。

──やっぱりちゃんみなはちゃんみな、でした。

ちゃんみな:曲を書くって、精神を入れなきゃいけないからものすごく大変なんですよ。だから、どうでもいいことに精神入れたくないじゃないですか。それを“売れる”っていう興味のないことに能力を使うことがストレスなんです。すごく自分勝手なこと言ってますけど、ストリーミング何回再生いきたいとか、どうでもいいってDNAで思っちゃってるから。でも、アーティストってそういうものだと思います。

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