【ライブレポート】nolala、MAGIC OF LiFEを迎えたツーマン自主企画
nolalaが10月1日(金)に東京・下北沢Flowers Loftでツーマン自主企画<アカツキ>を開催した。
◆ライブ写真
2ndシングル「ルームメイト」を携えて行われた完全自主による全国ツアーを7月に終え、次の一歩としてnolalaが選んだのは、永く敬愛し続け憧れの存在であったMAGIC OF LiFEとのツーマン企画。一聴すると意外な組み合わせとも思えるこの2組のツーマンの行方は果たしてどうなったのか。
一番手はMAGIC OF LiFE。SEの中登場し拍手で迎えられたMAGIC OF LiFEは、「煌めくのに」「音無き言葉」と立て続けに披露。高津戸(Vo,G)の澄んだ強い歌声でツーマンが幕を開ける。
「台風の中来てくれてありがとう。そしてnolala、呼んでくれてありがとう。彼女たちが僕たちの音楽を好きで聴いてくれていたって聞いたんで、じゃあライブで聞きたい曲ある?って事前に伝えたんです。1、2曲のつもりだったんだけど10?15曲くらい?ズラーッとリクエストがきて。昔の曲だけじゃなくて最近の曲まで。こりゃガチだな、と(笑)。凄く嬉しかったんで今日はその中からセットリストを組みました。いつも聴いてくれている人達には懐かしい曲も。初めて聴く人は、nolalaはこんな曲を聴いてきたんだって、知ってほしい」
高津戸の言葉に会場の緊張が解けていき、「パントマイム」「rain show」「In room」とバンドの初期の楽曲が続いていく中、会場もみるみる熱を帯びてくる。そして最新作『MAGIC』に収録された名曲「記念日」で会場がひとつになった。
「楽しいな。幸せです。コロナ禍の中、実は去年じゃなくて今が一番メンタルくらってる感じがするんです。これもう戻らないのかなって。けど間違いなく僕らは今幸せで。みんなが支えてくれてやっていけてる。今日初めての出会いもあって。やれるとこまで抗って頑張るから」
思わずこぼした本音とこれからへの決意の言葉のあとに、「箒星の余韻」になだれこんでいく。
そしてラストナンバーは“何回だってあと一歩だって もう一歩で何か変わるって 踏み出したその一歩が 最大のエールだ”と叫ばれる「応援歌」。バンドの激しさと力強さが全方向に開放され、会場を一挙に沸点まで引っ張っていく。
演奏が終わってもやまない拍手の中、感謝の意を伝えながら4人は退場し、圧巻のステージを笑顔で締めくくった。
続いて暗がりの中、SEをわけて登場したnolalaは、ステージ上で円を囲んだ後、笑顔で三方へ弾け、「また朝を待っている」「私と居たこと」とミドルナンバーを重ねてライブをスタートさせる。いきなりツインボーカル、印象的なサビでの3声の独特のコーラスワークと、このバンドの魅力を惜しみなく魅せていく。
続く「ロンリーガール」では軽快なリズムとメロディーにのせて、生きていく上での複雑な想いが見え隠れする独特の歌詞世界をみせる。
「nolala presents アカツキ。来てくれてありがとう。アカツキって夜明け前のほのぐらい感じの世界をいいます。実は私たちは一回止まろうとして、7月にやっぱりもう一回頑張ろうよ、と再出発をしたところで。その第一歩で、これからもっといいバンドになろうって、そういう意味をこめて今日のイベントをアカツキとしました」
イベントタイトルにこめた想いを千陽(G,Vo)が明かしてから「いつかは」がスタート。サビの疾走感と抑揚のある表情豊かな楽曲世界でスケール感をみせたあと、「一回止まろうとして」ラストシングルとなるはずだったバラード、「ルームメイト」を披露した。
そして続くMCで今日の対バンとしてオファーをしたMAGIC OF LiFEへの想いを綴った。
「ライブハウスに導いてくれたのも、悲しいときも辛いときも、頑張りたいと思ったときも、寄り添ってくれていた音楽がMAGIC OF LiFE。誰かの人生にここまでぴったり寄り添う音楽があるのが本当に凄いなと思うのと同時に、自分が改めてバンドマンとしてやっていくって決めて、そういうバンドになりたいなって心から思いました。次にやる曲は、立ち止まったときにもう一回頑張ろう、って時に背中を押せればと思って作りました」
そういって歌いだされた「Re:road」では、「“何度だってやり直せばいいさ”春をまた始めよう」と、自分達も含めたすべてのオーディエンスに繰り返しエールを送った。
「蜃気楼」、そして新曲を披露したあと、バンドにとっての重大な一歩のその次のステップが発表された。
2021年12月15日(水)に1stEP「sequence」を発売すること、そして「sequence」リリースツアーとして、初の札幌を含む全国12箇所を回るツアーをおこなうこと。ファイナルは京都でのワンマンとなること。
「さっきのぶさん(MAGIC OF LiFE高津戸)も言ってたけど、支えてくれたみんなのおかげで、自分達がいて、未来がある。これからもよろしくね」改めてファンへの感謝の言葉を伝えた。
だがやはりこのコロナ禍では彼女達もかなり悩んだのだろうという一面が伺える言葉もあった。
「いやなことたくさんありました。コロナ禍でいろんなことが制限されることがあって……。バンドマンが辞めていく姿もいっぱいみてきた。けれど、みんなには何かを言い訳にしてやめるってことをして欲しくない。自分の未来は自分で切り開ける、その支えに自分達がなれるように、そんな想いをこめて曲を作りました。1stE.P.より1曲歌います!」
9月15日に配信された最新配信シングル「生き辛い世の中だ」が歌われた。現実世界に何度となく押しつぶされそうになりながら、音楽の力でこの生き辛い世界をどうにか変えていきたいんだという、もう一度歩き出した者のぎりぎりの意志がツインボーカルのハーモニーとともに突き刺さる。
会場の興奮が最高潮になったところで、アンセムとなった代表曲「グッバイライアー」が演奏され、「あと1曲!また楽しいことしよう!」という一声とともに、「埋まらない空白を辿って」を披露。3曲続けて怒涛のアップナンバーで圧倒的なステージを終えた。
「ありがとう!今日きてくれたみんな、MAGIC OF LiFE!わたしたちが京都のnolalaでした!」
何度も立ち止まりながら歩みをとめなかった2つのバンドが、現在の自分達のベストな音楽を全力で奏でる姿が印象深いツーマンだった。その姿は互いのバンドにエールを送りあっているようにも映り、そして、何よりもそこに参加したオーディエンスが、明日の陽の光に向かって一歩を踏みだすきっかけをもらえた、そんな場所になっていた。
nolalaがそう願ったように、そこにいた皆が、何度も思い出せる特別な一夜になったのだと思う。
写真◎nishinaga “saicho” isao
■<Nolala 自主企画『アカツキ』>
[セットリスト]
MAGIC OF LiFE
1. 煌めくのに
2. 音無き言葉
3. パントマイム
4. rain show
5. In room
6. 記念日
7. 箒星の余韻
8. 応援歌
nolala
1. また朝を待っている
2. 私と居たこと
3. ロンリーガール
4. いつかは
5. ルームメイト
6. Re:road
7. 蜃気楼
8. 新曲
9. 生き辛い世の中だ
10. グッバイライアー
11. 埋まらない空白を辿って
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