【配信レポート】スキマスイッチ、日清パワステリブートから放つヒット曲づくめの一夜「やっぱりライブはいいですね！」

スキマスイッチによる配信ライブ＜スキマスイッチ SPECIAL ONLINE LIVE　powered by J-WAVE＞が本日9月12日に開催された。

◆ライブ写真

今回の演奏会場となった日清食品 POWER STATION[REBOOT]は、2020年よりオープンした日本初の配信特化型ライブハウス。前身は1998年までライブハウスとして営業していた日清パワーステーション（パワステ）で、1999年結成のスキマスイッチにとっては期せずして初めて立つ会場となった。

スキマスイッチはこのライブで、自身のヒット曲を中心に10曲を披露。入門編にしてベスト盤的ともいえるセットリストにライブならではのアレンジも交え、視聴者を大いに沸かせた。

配信冒頭から飛び込んできたのは、アコギを抱いてマイクに向かう大橋卓弥の《最近体調は悪かないが 心臓が高鳴って参っている》という歌い出し。「ガラナ」（映画『ラフ ROUGH』主題歌）だ。歌いながらボーカルにさらに熱が乗ってきたところで、速度を保ちながら飛び上がっていく「ユリーカ」（アニメ『宇宙兄弟』OPテーマ）では常田真太郎のピアノワークが光る。


2曲を終えて「やっぱりライブはいいですね！」と勢いよく語る大橋に、常田が「わりともう出し切ったくらいの」と合いの手をのせると会場からは笑いが起こった。日清パワステリブートでは視聴者のチャットが演者の前や背景に大きくモニター表示されるのが特色で、大橋も「ライブ中も（チャットが）流れてるんですが、読んでいると歌詞がわからないという（笑）」と状況を楽しむ。

MC明けは、包み込むような歌声とブルージーな間奏が印象的な今年4月のリリース曲「吠えろ」。スキマスイッチの魅力である温かさの通った巧みなヴォーカルとサウンドで「ボクノート」（映画『ドラえもん のび太の恐竜2006』主題歌）を惜しげもなく披露し、ギターを手に「青春」で切ない余韻を残していった。


歌っている間にチャットで誕生日だというお客さんの声を見た、という大橋。「配信は配信でコミュニケーションとれたりして、お客さんが近い感じがするね」と語りつつ、本格的にライブらしくリラックスしたトークも挟む。断捨離が進まないという常田にむけ大橋が「（常田が）誕生日にくれたタオルがめっちゃあってまだ使ってる」と語り、常田が「（大橋が）誕生日に歳の数だけ靴下くれてるからそのお返しね」と返し、どんどん話が広がって視聴者チャットから尺の押し具合を心配される展開になったのだった。

後半戦は、シックなイントロで一気に空気を変えて「ゴールデンタイムラバー」（アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』第3期OPテーマ）から5曲を連続披露。夏の終りにぴったりな「SL9」では楽器隊の刻みつけるビートの中、サビで大橋のハイトーンが心地よく鳴り響いた。間奏でリズムに体をゆだねる大橋と、ラストまで楽器隊をリードしていく常田の役割分担にもスキマスイッチらしさが垣間見える。



ここでこの日初めてのクラップ煽りから、「Ah Yeah!!」（アニメ『ハイキュー!!』OPテーマ）に突入。そして「全力少年」では初見向けにコール＆レスポンスの紹介をしながら、大橋はコメント欄での手拍子レスポンスを呼びかけた。大橋が声を上げた後流れてくるコメントを何度も目で追い、「一緒にみんなお家で歌ってください。準備はいいかい！」と声をあげて常田やバックバンド達と息をあわせ、パフォーマンス中には一層強い熱がステージからも漂ってきた。

あっという間のラスト10曲目。「またね、みんなの前で演奏したり歌ったりすることができて、みんなも声を出すことができるようになったら、またぜひ同じ空間で音楽を共有できたらいいなと思います。もうちょっとの辛抱。どこまで（この状況が）続くかわかりませんが、もうちょっとだけ信じて頑張っていきましょう」という大橋のMCから、常田の優しいピアノが紡ぎ出す「奏（かなで）」。多くの人々に愛された名曲がこの日もリスナーの心を深く衝きあげ、感動のうちにライブ本編は終幕となった。


終演後には大橋卓弥と常田真太郎によるアフタートークも配信。こちらには日清のマスコットキャラクターであるひよこちゃんが駆けつけ、ライブの成功を祝って二人にチキンラーメンの箱をプレゼントする一幕もあった。

なお、本ライブはアーカイブ配信を視聴することも可能となっている。チケット購入受付は9月15日(水)22:30まで。