【ライブレポート】ZARD、京都・高台寺で全6曲披露「Izumi Sakai will be living in your heart forever」

ZARDのボーカル坂井泉水の命日となる5月27日、ZARD初のアコースティックライブの無料配信が実施された。2月10日にデビュー30周年を迎えたZARDの楽曲に改めて触れていただきたいという思いや、多くの方々と一緒に坂井泉水を偲ぶために、コロナ禍の中、ZARD永遠のスタンダードナンバーが約30分にわたって披露された。同ライブのオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆ZARD 動画 / 画像

奇跡的に雨の上がった梅雨の合間、四季折々の庭園の美しさでも知られる京都・高台寺。5月26日に事前収録されたライブ映像がZARDのオフィシャルYouTubeチャンネルにて20時より配信スタートした。凛とした竹林、青もみじや青葉を湛えたしだれ桜など、5月ならではのみずみずしい緑がライトアップされた京都・高台寺の風景に続きセンターのボーカルマイクが映し出されると坂井泉水の声が響く。

「ZARDのライブへようこそ。今日は楽しんでいってください」──坂井泉水

この日のために高台寺の“方丈”に特別に設えられたステージには、坂井泉水がライブで実際に使用していたマイクとハイチェア、LEDモニターが中央に据えられ、両サイドにはZARDサウンドを知り尽くしたバンドメンバーたちが並ぶ。これまでのZARDのライブではなかったシチュエーションは、初のアコースティックライブならでは。正面の勅使門から覗くと、前庭の白砂と相まって清浄な空気が感じられる。

アコースティックライブは「揺れる想い」からスタートし、ラストの「負けないで」まで全6曲が披露された。アコースティックサウンドにのせて、坂井のボーカルはより優しく、一層の包容力に満ちて響く。

“青く澄んだあの空のような 君と歩き続けたい”──「揺れる想い」
“君に逢いたくなったら… その日までガンバル自分でいたい”──「君に逢いたくなったら…」
“どんなに離れてても 心はそばにいるわ”──「負けないで」

アコースティックアレンジとの相性なども含めて選曲されたと思われるナンバーが、コロナ禍の中、心に響く詞(ことば)となって次々と紡がれる。普遍的なメッセージは聴く人に寄り添い、じんわりと浸透してくるようだ。

「今日はどうもありがとうございました。また会いましょう」──坂井泉水

坂井のMCと共にアコースティックライブは終了。会場となった高台寺の方丈が勅使門越しに俯瞰で映されると、その後方にどこまでも空が広がっていく。大きな空……この同じ空の下にいる人たちと共にZARD 永遠のスタンダードナンバーを共有出来たことに感動を抱いた。

配信の最後を飾ったのは、“Izumi Sakai will be living in your heart forever”というメッセージだ。そう、数々の名曲と共に、坂井泉水は永遠に私たちの心の中で生き続けている。彼女が遺した作品の力を改めて感じるアコースティックライブであった。