斉藤和義、幻のセットリストで開催した無観客ライブを配信

斉藤和義が、＜KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2020 “202020”幻のセットリストで2日間開催！ ～ 万事休すも起死回生 ～＞を2021年4月27日（火）、28日（水）に開催した。

20枚目のオリジナルアルバム『202020』をひっさげ、2020年2月からワンマンライブツアーが全国50箇所以上で開催される予定が、新型コロナの影響で全公演の延期が続いており、4月27日（火）と28日（水）に東京・中野サンプラザホールにて、これまで幻となりかけていたセットリストで2日間限りのライブを予定していた。ところが4月25日の東京都に対する緊急事態宣言の適用により、国、及び東京都と協議を重ねながら、27日（火）の公演は予定通り開催し、28日（水）は開催中止にはしたが無観客で収録、その無観客ライブが5月1日より7日まで配信される。

ライブは、アルバムの1曲目を飾るカバー曲であり、1974年に日本テレビ系で放送された萩原健一、水谷豊出演のテレビドラマ『傷だらけの天使』のテーマ曲からスタート。斉藤は、無観客の状況で、画面の向こう側を想定したように「ようこそ」と軽く挨拶をした。気負わず自然体でアルバム『202020』を制作した時と同じく、このライブも落ち着いた様子でじっくりと演奏をはじめ、アルバムを象徴する1曲とも言える軽快なリズムのファンクロックチューン「万事休す」もメンバーとの息も合っており、バンドとしてのライブがおよそ2年半ぶりというブランクは感じさせなかった。アルバムは、このライブツアーのバンドメンバー（Vo,Gt.斉藤和義 / Gt.真壁陽平 / Ba.山口寛雄 / Dr.平里修一）と即興でアレンジを考え、一発録りのセッションに近いやり方でレコーディングされた。アメリカンロック、ポップ、ジャズファンク、カバー、インストゥルメンタルとバラエティに富んだ作品であり、ライブも同じく多様なアプローチで次々に展開されていく。

途中、MCで斉藤は「無観客って、こういう感じなんですね。画面の前の皆さんは楽しんで頂けてるんでしょうか？今日ここに来てくれるはずだった人たちがいると思って頑張ります」と意気込みを語りつつ、アルバム曲だけでなく、「ずっと好きだった」「歌うたいのバラッド」など代表曲も含め熱くパフォーマンスした。

本来は、アルバム『202020』のセットリストで全国50公演以上開催される予定だったが、コロナ禍においてツアーの延期を繰り返し、最終的にはこの無観客ライブも含め2本のみということになった。それでも斉藤は、このアルバムも浮かばれたのではないか、と語り、幻となりかけたライブが見事に蘇ったと言えるだろう。そして、5月2日からはまた新たなライブツアーがはじまる。無事にスタートが切れるよう願いを込めるように、最新アルバム『55 STONES』に収録され、シンプルでストレートなメッセージが胸を熱くさせる痛快なロックチューンの「Boy」を力強くパフォーマンスした。

このライブ配信は、“ローチケ LIVE STREAMING”“イープラス Streaming+”“PIA LIVE STREAM”にて配信される。

撮影：岡田貴之