【世界珍楽器さんぽ #6】笛っぽいけど笛じゃないラッパ

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今回紹介する楽器“ツィンク”は、角笛をルーツにもつといわれる“コルネット”とも呼ばれる古い時代の金管楽器です。

この楽器は一見すると笛っぽい見た目をしていますが、「音を“出す”仕組みは金管楽器、音を“変える”仕組みは木管楽器」というハイブリッドな特徴を持っています。音色は、サックスのような子音とトランペットのような母音を持つ印象ですね。


指で押すところ(バルブ)が開発される以前の金管楽器は、ただ管を巻いただけの構造をしており、奏者は唇の加減や、ホルンの場合はベル(開口部)の中に入れた手の加減で音を変えていました。もちろんそれだけでは難しい部分もあり、長さの違う管を付け替えることも行われていたようです。

その煩わしさを解決するためか、楽器史の初期にはツィンクのような「笛の構造を持つ金管楽器」というハイブリッドな楽器が何種類も作られています。ただし総じて演奏難易度が高いらしく、バルブが開発された現代ではなかなか、というかほとんど音色を聴ける機会がありません。


(BARKS編集部 安藤)

■今日の楽器「ツィンク(コルネット)」

地域:ヨーロッパ
分類:金管楽器
特徴:ボディは木管楽器
日本での入手難易度:簡単に買えるものではない
ひとこと:構造自体は単純なので、買うより手作りするほうが早いかもしれない。ブブゼラに穴を空けるとか?
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