【ライブレポート】OBLIVION DUST、東名阪公演<ELIXIR FIXER>初日に“特別な演出にも似た感動”
OBLIVION DUSTが3月21日、東名阪Zeppツアー<OBLIVION DUST LIVE 2021 -ELIXIR FIXER->初日となる大阪公演をZepp Nambaで開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆OBLIVION DUST 画像
2020年3月に開催予定していた同ツアーだが、二度の振替の末、ついに1年越しの再延期公演が実現する。現在もやむなく中止を迫られるライブが多い中、ファンの熱い思いに支えられながら、やっとたどり着いたと言える場所だ。会場入り口の検温・消毒をはじめ、いたるところに消毒液が設置された場内。収容人数を50%以下に設定、座席はひと席ごとにスペースを空けるなど、感染拡大予防対策のガイドラインに沿って万全の対策が施されていた。
そして開催されたライブはOBLIVION DUSTにとってコロナ後初、約1年ぶりとなるもの。結果からいうと、ブランクなどまったく感じさせない圧巻のステージが展開された。セットリストは新旧織り交ぜ、カラーの違う曲を集めて“これぞOBLIVION DUST”を感じさせる。バンドの軌跡を感じることができるような曲が並び、もちろんライブには欠かせない曲たちもしっかりラインナップ。奇を衒うわけでも、特別を演出するわけでもない。ちょっとぶっきらぼうなチョイスもOBLIVION DUSTらしさか。
ライブはオープニングSEの中、メンバーたちが登場。その姿が目の前に現れるだけで、すでに震えるようなワクワクが止まらない。そして、KEN LLOYD(Vo)が歌い出した瞬間、轟音の塊が身体に降り注ぎ、音楽の渦へとみるみる巻き込まれていく。何かしらの不安を抱えながら会場に足を運んだファンたちも、一瞬で1年前の日常へと飛び越えていったに違いない。歓声の代わりに拍手やクラップで応えたり、思い切り跳ねたり両手を上げたり、できる限りの動きでその喜びをアピール。歓声は上げられないものの、興奮と熱狂の中で頭を振り、体を揺らし、OBLIVION DUSTのヘヴィサウンドに身を委ねる。座席の前から離れられず、声を出せないこと以外は、何も変わらないOBLIVION DUSTの姿がそこにはあった。思えば、延々続くコール&レスポンスやかけあい、シンガロングなどというストレートなやり取りはそもそも存在せず、そのサウンドとパフォーマンスのみで一体感を生むのがOBLIVION DUSTのライブだったことを改めて痛感させられる。
甘い中音域からファルセットまで、変幻自在に動くメロディを歌いこなすKEN。繊細さとダイナミクスを持ち合わせたK.A.Z(G)のギターは、曲によってその彩りを変えていき、妖艶なアルペジオから鋭いカッティングまで、いくつもの顔で鮮やかに曲の輪郭を作っていく。ロックベーシスト然とした、男の色気たっぷりのパフォーマンスと、軽やかでいて強靭なRIKIJI(B)のベースはこの夜もフロアを揺らす。サポートギターのYUJIはOBLIVION DUSTサウンドに彩りと厚みを加え、サポートドラムのARIMATSUの重く粘り気のあるドラムは、サウンドのボトムをしっかり支えつつも、フロアを躍らせる。そんな5人から放たれる音が見事に絡み合って、会場に狂騒を生み出していく。ルールの中、それぞれの楽しみ方で暴れるファンたち。守られた自分のスペースで、ステージやメンバーがよく見えて、好きなようにノレるのも、ある意味、今だけのスペシャルかもしれない。
OBLIVION DUSTが生み出す空間にどっぷりと浸り、できる限りの準備をして、ルールの中で楽しむ。それだけで元気が湧いて、特別な演出にも似た感動を生んでくれる。そして、それはメンバーも同様だったようだ。ライブ終了後、汗だくで楽屋に戻ってきたメンバーたちは一様に笑顔で、細かな課題に改善点を見つけつつも、大きな達成感と多幸感を味わっていた。ライブに行って元気をもらうというの日常を、改めて実感することのできたこの夜のライブ。好きな空間に身を置くことの楽しさ、好きな人に会う嬉しさ、好きなものに触れるときめき、たとえマスクの下に隠れていても笑顔の大切さ。この日のライブは、どこか溜め込んでいた寂しさを一瞬で吹き飛ばしてくれた。少しだけ日常が戻ってきた喜びを実感しながら、明日からの希望を感じたライブだった。
<OBLIVION DUST LIVE 2021 -ELIXIR FIXER->は、ツアー最終日となる4月4日(日)の東京・Zepp DiverCity公演にて生配信を実施することも決定した。同日の会場チケットはすでにソールドアウトしているが、オンラインで全国から参加できることとなった。生配信のアーカイブは4月7日(水)23:59まで視聴可能だ。
取材・文◎矢隈和恵
撮影◎緒車寿一
■東名阪Zeppツアー<OBLIVION DUST LIVE 2021 -ELIXIR FIXER−>
open16:15 / start17:00
3月28日(日) 愛知・Zepp Nagoya
open16:15 / start17:00
4月04日(日) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
open16:45 / start17:30
※FC限定公演ではありません。FC会員以外の方もご参加可能です。
※東京公演ソールドアウト
▼チケット
全自由席 ¥6,050 (税込/整理No.付/ドリンク代別途)
一般発売:2月13日(土)AM10:00〜
・ローソンチケット https://l-tike.com/obliviondust/
・チケットぴあ https://w.pia.jp/t/obliviondust-tmh/
・イープラス https://eplus.jp/obliviondust2021/
・楽天チケット(東京・大阪公演のみ) http://r-t.jp/obliviondust
※未就学児入場不可/再入場不可
※本公演は、政府・各自治体・コンサートプロモーターズ協会のガイドラインに沿った感染予防対策を講じ、ガイドラインに基づいた会場収容人数の50%以内の観客数で開催いたします。
【Zepp DiverCity(TOKYO)公演生配信】
配信日程:4月4日(日) open17:00 / start17:30
※生配信終了後、4月7日(水)23:59までアーカイブ配信有り
▼配信チケット
¥3,500(税込)
ローチケLIVE STREAMING:https://l-tike.com/obliviondust20210404st/
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