【ライブレポート】SOMETIME’S、有観客ライブで届けた音色とドラマ「こんなありがたいことってない」
SOMETIME’Sが2月26日にSHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて、有観客ライブ<TOBARI Release Event『TO“N”ARI』>を開催した。到着したオフィシャルレポートをお届けする。
◆SOMETIME’S ライブ写真
1月のライブが急遽、無観客配信ライブに変更されたため、1stEP『TOBARI』リリース後、ファンと対面してのライブは今回が初となった。
ステージはレッドカーテンと赤い照明でジャズクラブ的なムードが漂い、オーディエンスが開演を待ちわびる。場内が暗転すると自ずとクラップが起こり、サポートメンバー7人とともにSOMETIME’Sが登場。SOTA(Vo)は歌い始める前から喜びを爆発させて客席を煽り、ファンは一斉に立ち上がり体を揺らす。TAKKI(Gt)の小気味いいカッティングが鳴らされ、3管のホーンも豊かな彩りを加えていく「シンデレラストーリー」でスタート。続く「Get in me」では佐々木恵太郎(Ba)がシンセベースを弾き、生音にエレクトロニックなニュアンスを加えたファンクで踊らせる。さらにSOTAのラップ調のAメロや、三連符をさりげなく入れ込みアクセントをつける冨田洋之進(Omoinotake/Dr)のドラミングなど、SOMETIME’S流生音ヒップホップの「Take a chance on yourself」、冨田の4分キックから始まり、踊れるチューンの多彩さを伺わせる「Simple」。パーカッションのぬましょうの存在の大きさを感じるプレイでもあった。パーマネントなバンドと言っても差し障りのないアンサンブルが気持ちいい。
MCではSOTAが「いやいやいや皆さま、ご無沙汰してます。こういうご時世ですけど来てくださってありがとうございます」と満面の笑みで感謝を伝えると、TAKKIは「昨夜、緊張し過ぎて動悸がしてきて、救急車呼ぼうかと思ったぐらい」と、対照的なところを見せる。
場が和んだところで1月に配信リリースした4thシングル「HORIZON」を披露。TAKKIのフルアコースティックギターのまろやかな音色とSOTAのスモーキーかつウォームな声に加えて清野雄翔(Key)のオルガンが、メロウだが芯のあるこのバラードをホーリーなムードで包んだ。さらにSOTAのファルセットで始まる「I Still」では高低差のあるメロディで切なさを演出。雷の音のSEとライティングでドラマティックに始まった 「Raindrops」ではエモーショナルなボーカルとボイス・エフェクトを効果的に使い分け、歌の主人公の視点が切り替わる感覚が得られた。また、ストリングスやエレクトロニックなサウンドを同期で流しつつ、エンディングに向かってギターソロやピアノが生音の存在感を増していく構成も見事だった。またこの日の選曲の中では最もEDM的なポップ感のある「Never let me」を中盤の最後に配置。ソウル、ファンクやヒップホップをアップデートするだけでなく、現行のポップミュージックを広く視野に入れた楽曲を持つ彼ら。自然なグルーヴに身を任せて楽しめる上に、多彩なアレンジで飽きさせない。
ホールライブで、しかも人数制限されていると思えないほど温まったところで、TAKKIがメンバー紹介。ホーン隊を「イケメン!美女!小さいおじさん!」(それぞれ寺谷光(Tb)、大泊久栄(Tp)、永田こーせー(Sax))呼ばわり(!?)するなど、声を出さずに笑ってしまったのだが、その後、TAKKIが重大発表。「我々、二人で細々とやってきまして、4曲のデジタルシングルとEPをリリースしてきましたが、5月に出すアルバムはIRORI Recordsから出ます」と言うと、SOTAがすかさず合いの手を挟む。わざわざTAKKIの横に並びに行ったのも面白いといえば面白いし、優しい。楽曲を聴いているだけだと分からない二人の関係性が窺えて、様々なタイミングで出会ったファンやリスナーが大きな拍手で祝ったのも納得だ。しかもデビューEPの表題曲は彼らが初めて作ったという、今や稀少な自主盤に収録されている「Slow dance」という曲で、その音源を持ってライブハウスへ出演交渉をしに行ったのだという。「このタイミングで、この曲でデビュー、いきましょうって、こんなありがたいことってないです」とTAKKIが感謝を述べ、さらにリリース記念の東京、大阪でのライブも発表した。
一連の発表に続いて9人編成で「Slow dance」を披露。流れるような爽快なギターから始まり、グッとファンクネスが増すサビへ飛翔するポップチューンで、早くも大きな会場で見たい気持ちが芽生えた。そしてメンバーのソロ回しも白熱した「Stand by me」を経て、本編ラストは壁面に木の影が映し出され、陽の光を感じさせる演出の中、生音のアンサンブルの有機的な心地よさに背中を押される「Morning」。聴き手それぞれの日常に寄り添うグルーヴ。様々な色合いの楽曲がありつつ、そのことがSOMETIME’Sの軸にあるのだろうと実感する演奏だった。
アンコールで再登場したSOMETIME’Sの存在を押し上げた昨年リリースの「Honey」でメンバー全員の個性とスキルを発揮。まだ踊り足りない、もっと見たい!というファンの心の声が長い拍手になり、誰もが笑顔でこれからのSOMETIME’Sに期待を寄せる、そんなエンディングを迎えたのだった。このライブを見て、ミュージックラバーが足を踏み入れれば世代や立場を超えて楽しめる、そんな存在になることを予感して楽しみで仕方ない。
SOMETIME’S初ツアーは6月6日(日)渋谷WWW、6月11日(金)阿倍野ロックタウンの2箇所での開催となり、オフィシャル最速先行が3月8日(月) 23:59まで応募受付中となっているので忘れずに応募しよう。
テキスト:石角友香
撮影:後藤壮太郎
<SOMETIME'S New EP Release Tour>
OPEN/START 17:15/18:00
2021.6.11(Fri)@阿倍野ROCKTOWN
OPEN/START 18:00/18:30
TICKET:前売り¥4,000(税込・自由席) [1ドリンク代別途]
<オフィシャル先行>
受付URL:https://w.pia.jp/t/sometimes-of/
受付期間:~2021年3月8日(月) 23:59まで
※ご来場に関する注意事項など最新情報を公式サイト(https://sometime-s.com/)にて必ずご確認ください。公演前に発表する注意事項をご確認の上、ご来場をいただきますよう、お願い申し上げます。
※当日は新型コロナウイルス感染拡大防止のガイドラインを遵守し、然るべき安全対策を講じた上で開催されます。
◆SOMETIME’S オフィシャルサイト
◆SOMETIME’S オフィシャルTwitter
◆SOMETIME’S オフィシャルInstagram
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