ジミー・ペイジ、007テーマ・ソングのレコーディング・セッションを振り返る

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ジミー・ペイジが、セッション・ミュージシャンとして活動していた時代に参加した007のテーマ・ソング「Goldfinger」(1964年)のレコーディング・セッションについて回想した。

同曲はシャーリー・バッシーが歌い、映画007シリーズの3作目『007 ゴールドフィンガー』でフィーチャーされた。

ペイジは当時、ジョン・バリーのオーケストラにギタリストとして参加していたという。セッションではドラマチックなことが起きたと、彼は『GQ』誌のインタビューで語った。「フル・オーケストラのサウンドは素晴らしかった。そして、シャーリー・バッシーが(スタジオに)到着したんだ。彼女は友人と一緒に現れ、とても静かだった。歌うように頼まれると、彼女はたった1テイクでやり遂げた。そして最後、床に倒れ込んだんだ。1つの音をキープし続け息が切れ、倒れたんだよ。彼女はいつだって、手の動きとかドラマチックだけど、あれはさらにいっそうドラマチックだった。僕はミュージシャン達の前列にいたから、よく見えたんだよ」

レコーディングは1964年8月に行なわれた。

ペイジはこの時代、ザ・フーやキンクス、マリアンヌ・フェイスフル、ザ・ローリング・ストーンズなどのレコーディング・セッションにも参加しているが、当時のセッション・ミュージシャンは自分が関わった作品について「黙っている」のが常だったと話した。「言い回るようなことはなかったよ。レコーディングの日にちを知らされ、そこへ行くだけだ。誰が来るのかもわからなかった。見聞きしたことがある人もいたけど、大抵は知らない人だった。君には関係ないんだよ。言われたことをやる、それだけだ」

セッション・ミュージシャンには少しでも間違えれば次は呼ばれないというプレッシャーがあるが、自分は気にしていなかったという。「(間違えたら)もう呼ばれることはないだろうね。でも、当時の僕はそういうプレッシャーについては考えていなかった。セッションに参加し、彼らに何かをもたらすのは爽快だって思ってたんだ。僕はいつも楽しいことって捉えてた」

同じくスタジオ・ミュージシャンだったTOTOのスティーヴ・ルカサーは最近、90年代初めにジミー・ペイジに初めて会ったとき、嬉しい言葉をかけられたとの逸話を明かしている。「ジミーからはこう言われた。“君に言いたいことがある。君が、スタジオ・ミュージシャンだったって過去がなければ、ギタリストとしてもっと真摯に受け止めてもらえただろうって話している記事を読んだ。僕とジョン・ポール・ジョーンズも60年代はスタジオ・ミュージシャンだったんだよ。それがどういうことか、わかっていない人たちが多い。君は誇りに思うべきだ”と」

Ako Suzuki
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