鬼のパンツ×アベノマスクで32万回再生のオペラ歌手、黒田祐貴デビュー
2020年、日本クラシック界で最も「バズった」オペラ歌手がアルバムデビューを果たす。
◆黒田祐貴 関連動画&画像
2019年5月、緊急事態宣言のさなかにYouTubeで公開された、フニクリフニクラのメロディにのせてアベノマスクを歌った替え歌「鬼のパンツ20万回再生のオペラ歌手が【アベノマスク】を熱唱!!!」をご記憶だろうか? そのタイムリーな公開タイミングと、他の追随を許さぬ輝かしいオペラヴォイスが相まってSNS界隈で大きな話題となり、実に32万回再生を記録したこの動画の歌唱を担当したオペラ歌手の黒田祐貴(※祐は示へんが正式表記)が、日本コロムビアの若手アーティスト発掘レーベル「オーパスワン」から2021年2月3日にアルバム『Meine Lieder』でデビューする。
黒田は、コロナの影響で惜しくも中止となってしまった2020年6月のNISSAY OPERA 2020『セビリアの理髪師』の主役に抜擢されるなど、クラシックのオペラ界ですでに評判を呼んでいた注目株。今回、その実力の高さを見込まれデビューとなった黒田が選曲したのは、いずれもバリトンという声種のレパートリーの中でも群を抜いた高度なテクニックと表現力を要する難曲ばかり。先んじてアルバムを聴いた日本を代表する指揮者、沼尻竜典は、「彼はそれらの難曲を、媚びやハッタリなしに、素直に正面から斬り込んで歌っていて、聴き手をとても爽やかな気持ちにさせてくれる」と賛辞を述べた。
人気の動画で披露したフニクリフニクラは収録されていないものの、前述の『セビリアの理髪師』名アリアから、コルンゴルドやR.シュトラウスの名ドイツ・リートまで、バリトンという声の可能性を拡張する渾身の歌唱がいならぶアルバムとなっている。黒田は2021年以降、オペラ公演へのオファーが予定されており、その美声を実演で接する機会も増えていきそうだ。
『Meine Lieder』
COCQ-85519 2,000円+税
■収録曲
01 G.ロッシーニ:歌劇《セヴィリアの理髪師》より「私は町の何でも屋」
02 W.A.モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》より「セレナーデ」
03 J.ブラームス:ことづてOp.47-1
04 J.ブラームス:私の歌Op.106-4
05 J.マルクス:若き詩人は恋人を想う
06 J.マルクス:かつてのように
07 R.シュトラウス:君を愛すOp.37-2
08 R.シュトラウス:どうして秘密にしていられようかOp.19-4
09 R.シュトラウス:歌劇《ナクソス島のアリアドネ》より「愛に、憎しみに、希望に、ためらいに」
10 G.マーラー:美しいトランペットが鳴り響くところ
11 E.W.コルンゴルト:歌劇《死の都》より「私の憧れ、私の幻」
12 山中惇史:おんがく
◆オーパスワン オフィシャルサイト