【レポート】DEAN FUJIOKA、初配信ライブ開催「<Plan B>を選んだあなたはえらい」
DEAN FUJIOKAが12月26日(土)、自身初のストリーミングライブ<Plan B>を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆DEAN FUJIOKA 画像
DEAN自身が思い描いていた2020年のプランは、二度目のアジアツアー中止をはじめとして当初とは異なるものになった。しかし、配信ライブ<Plan B>は、2020年の集大成にして新プランの到達点であり、2021年、音楽で新境地へ向かうための最重要ストリーミングライブとして届けられるものだ。同ライブでは、これまでヒップホップを中心にMVにて新しいストリートの姿を描き続けてきた気鋭の映像作家Spikey Johnを監督に迎え、ストリーミングライブだからこそ可能な演出を盛り込んだ形で実施された。
ライブ冒頭では、無観客ライブを象徴する誰も座っていない椅子とともに、淡いスポットライトのもとに姿を現したDEAN FUJIOKAの映像が映し出された。廃墟の一室を思わせる空間に静かなピアノの音色が響く中、新曲「Plan B」でライブがスタート。続いて、バンドが待つステージへ映像が移り変わると、バンドサウンドが力強い「Take Over」、ドラム&ベースの激しいリズムが印象的な「Go The Distance」、中国語と日本語の両バージョンを1曲にまとめた「Let it snow」、青白いライトを浴びて歌う姿が美しいバラード「Unchained Melody」を立て続けに披露。ライブ前半のハイライトとなったのは、クラブシーンでも大きな注目を集めた「Echo」だ。同曲ではライブアレンジがふんだんに取り入れられており、泣きのギターソロが耳を奪った。
「Echo」が終わると、カメラがステージ上の壊れたテレビにフォーカス。映像が切り替わると舞台演出も代わり、バンドメンバーが一旦姿を消した。DEAN FUJIOKAがビルの階段にて「Searching For The Ghost」のリリカルなラップを披露すると、再び舞台が移り変わり、廃墟の中のソファやドラム缶の焚き火が置かれた一室へ。「东京游 (Tokyo Trip)」「Send It Away (feat. GONG)」「History In The Making」の3曲をメドレー形式で披露。DEAN FUJIOKAのパフォーマンスにあわせてカメラもステージ上を動き回り、照明や視点が回り込むように絡み合う陶酔的なものとなっていたことが印象的なパートだった。
再びバンドメンバーが登場した後半では、哀愁を帯びたラテン音楽の旋律を思わせる「Neo Dimension」が披露され、そこから一気にライブが加速。バンドの背面に光る無数の電球が夕焼けのように輝く中、「Follow Me」「Made in JPN」を演奏。このタイミングでDEAN FUJIOKAが配信を観ているファンに向けて、こう語りかけた。
「今、世の中、コロナ、COVID-19が蔓延る中、外に遊びに行かず、ちゃんとこの配信ライブを見る、という選択肢<Plan B>を選んだあなたはえらい(笑)! とにかく今日は最後までこの配信ライブを楽しんでください」──DEAN FUJIOKA
そして自身の故郷である福島をテーマにした曲「Fukushima」と、甘いメロディーが胸を打つ「Shelly」のバラード2曲をしっとりと歌い上げた。ライブ終盤では、ファンのテンションをもう一段階上げるようにバンドアンサンブルを練り上げていくDEAN FUJIOKAとメンバー。そのインタールード的ジャムセッションで生まれたグルーヴをまとったまま、壮大なスケールを描く「History Maker」を熱唱すると、「Hope」「Maybe Tomorrow」で明日への希望を感じさせた。最高潮を迎えたラストソングは眩いばかりに光る照明がステージを照らす中で披露された「Permanent Vacation」。静と動を兼ね備えた同曲がエモーショナルに響き渡り、ライブの幕を下ろした。
最近のストリーミングライブには、リアルライブともMV的なものとも違う、そのちょうど中間のものを目指すものある。例えばXR技術による現実ではあり得ないステージの創出や、リアルライヴにバーチャルのレイヤーを加えたものなどがそうだ。ストリーミングライブならではの演出を駆使したものも少なくない。しかし、<Plan B>はバーチャルライブとはまた別の形で、リアルライブとMV的なものの中間が体現された。作り込みという点ではバーチャルライブ同様、綿密に構築されたものだが、一方では中間であるために必ずしもバーチャルな要素が必要かといえば、そうではないことを実証した。
DEAN FUJIOKAは、アーティストとして常に新しい音楽要素を取り入れ、時代の先をいく音楽性を示してきた。<Plan B>でもその先鋭性は存分に活かされており、ストリーミングライブの在り方が彼によってまたひとつアップデートされたことは間違いないだろう。その結果、視聴者に改めて次はリアルライブを体験したいと思わせたはずだ。<Plan B>というもうひとつの選択肢が繋いだのは来年への希望でもある。
撮影◎Leo Youlagi/Akira Shimaz
■ストリーミングライブ<DEAN FUJIOKA Live Streaming 2020 “Plan B”>12月26日(土)@SOMEWHERE IN JAPANセットリスト
02. Take Over
03. Go The Distance
04. Let it snow!
05. Unchained Melody
06. Echo
07. Searching For The Ghost 〜东京游 (Tokyo Trip) 〜Send It Away (feat. GONG) 〜History In The Making -"Plan B" Exclusive Mix-
08. Neo Dimension
09. Follow Me
10. Made In JPN
11. Fukushima
12. Shelly
13. Interlude
14. History Maker
15. Hope
16. Maybe Tomorrow
17. Permanent Vacation
▼アーカイブ配信期間:2021年1月3日(日)23:59まで
https://www.deanfujioka.net/dfpb/
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